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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
今回はイラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)で簡単に流線を作成できる流線ツールの使い方を紹介させていただきます。
それではよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!
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CLIP STUDIO PAINT EXCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の「流線ツール」とは
クリスタにおける「流線」とは
「流線」とは漫画の背景でよく使用されるスピード感のある動きを表す効果線の1つです。
クリスタの「流線ツール」とは
クリスタの「流線ツール」とは図形ツールの1つです。
クリスタVer.3.1から、「流線」グループは「コミックツール」に移動されました。
この流線ツールで範囲を指定するだけでその部分に一気に流線を作成してくれます。
線を1本1本描く必要がなくなるので漫画制作で重宝するツールになります◎
次項からクリスタの流線ツールの細かい使い方を紹介します↓
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の流線ツールの設定
困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!
クリスタの流線ツール設定はツールプロパティもしくはサブツール詳細で行う
クリスタで流線ツールを選択しますと、ツールプロパティもしくはサブツール詳細ウィンドウにて描画する流線の内容を設定できます。
クリスタの流線ツールには様々なサブツールが用意されていますが名称に合った設定が最初から用意されているのもで、基本的には同じツールになります。
カラーパレットで色も設定できる
流線ツールで表示させる流線の色はカラーパレットで指定します。
流線ツールを設定する前の確認事項
●キャンバス解像度に関して
キャンバスの解像度が低いと設定した数値と実際に表示される線に乱れが生じる場合があります。
見た目上で気にならない場合はいいですが、きっちり数値を指定したい場合は少なくとも300 dpi以上の解像度でキャンバスを作成しましょう。
ちなみに印刷目的の場合、モノクロ漫画の解像度は600 dpi以上、カラー漫画の解像度は300~350 dpiにするのが一般的です。
●設定項目の単位に関して
設定項目で表示されている長さは基本的にクリスタ環境設定「定規・単位」カテゴリで設定した単位になります。
クリスタ・流線ツールの設定項目
こちらでは流線ツールの設定で主に利用するものを抜粋して紹介させていただきます。
「描画先」
流線ツールを使った時に流線を描画・表示するレイヤーを設定します。
この設定と選択しているレイヤーによって描画・表示されるレイヤーが変わります。
●「流線レイヤーに描画」
この設定で流線ツールを使用しますと「流線レイヤー」が作成されます。
また、この流線レイヤーを選択した状態で再び流線ツールを使用しますと同じ流線レイヤー上に流線を描画します。
※流線レイヤー以外を選択している状態で使用しますと新しい流線レイヤーを作成します。
●「常に流線レイヤーを作成」
流線ツールを使用するたびに新しく流線レイヤーを作成します。
流線の表示を上書きしたくない時、複数の流線を重ねたい時はこちらを設定しましょう。
●「編集対象のレイヤーに描画」
流線レイヤーを選択していますとそのレイヤー上に流線を描画します。
ベクターレイヤーやラスターレイヤーを選択している場合はそのレイヤーに直接描画します。
「トーン化」
「描画先」で「流線レイヤーに描画」「常に流線レイヤーを作成」を選択している時に設定できます。
チェックを入れますと描画色のグレー濃度に応じて流線がトーン表示されるようになります。
正確に言いますと作成した流線レイヤーがレイヤープロパティの「トーン化」の効果がONになった状態になるというわけですね。
クリスタのレイヤー効果で絵や写真をトーン化する方法と設定!!
基本表現色が「モノクロ」の場合は黒で描画し、流線レイヤーの不透明度を下げることでその不透明度に合ったトーン濃度の表示にできます。
「曲線化」
流線レイヤーを作成した時に効果が出る項目になります。
チェックを入れますと、流線レイヤーをオブジェクトツールで操作する際に流線を曲線にする制御点が追加されるようになります。
オブジェクトツールを使った流線レイヤーの編集は後述の『流線レイヤーを作成した場合はオブジェクトツールで後から変更・修正が可能!』の項目を参考にしてください。
「角度」
流線の角度を設定します。
「曲線」
クリスタの流線ツールは連続曲線で表示範囲を指定します。
この指定方法を3つの連続曲線「直線(折れ線)」「スプライン」「2次ベジェ」から選択します。
クリスタの連続曲線の種類・操作に関しては以下の記事を参考にしていただければと思います。
「平行線定規を角度に用いる」
平行線定規とはペンなどの描画ツールの描画方向を指定した角度で固定するすることができるものです。
※この平行線定規を利用してペンツールで流線を1本ずつ描画する方法もあります。
「平行線定規を角度に用いる」にチェックを入れますと「角度」の数値に関係なく平行定規の角度の流線を描画できるようになります。
「ブラシサイズ」
●「ブラシサイズ」
流線の太さを設定します。
●「乱れ」
チェックを入れますと、入力した「ブラシサイズ」を基準に流線のブラシサイズがランダムで変化します。
インジケータの目盛り(数値)が大きいほどブラシサイズの変化の幅が大きくなります。
ここの数値は(%)であり、入力した数値の%分サイズが増加・減少します。
「線の間隔」
●「線の間隔」
流線の線と線との間隔を設定します。
●「乱れ」
チェックを入れますと、入力した「線の間隔」の数値を基準に流線の間隔がランダムで変化します。
インジケータの目盛り(数値)が大きいほど間隔の変化の幅が大きくなります。
ここの数値は(%)であり、入力した数値の%分間隔が増加・減少します。
「まとまり」
●「まとまり」
チェックを入れて数値(1~50)を入力することでその数値分の本数で流線がまとまるようになります。
まとまりの中の流線は「線の間隔」などの影響を受けています。
●「乱れ」
チェックを入れますと、入力した「まとまり」の数値を基準にまとまりの本数がランダムで変化します。
インジケータの目盛り(数値)が大きいほどまとまり数の変化の幅が大きくなります。
ここの数値は(%)であり、入力した数値の%分の本数が増加・減少します。
●「隙間」
まとまり同士の間隔を設定します。
こちらは隙間に入る線の本数を入力する形になります。
数値としては「隙間」×「線の間隔」となるのですが、各数値の「乱れ」も反映されます。
「最大本数」
流線の線の数の最大値を設定します。
表示範囲を大きく指定してもこの「最大本数」を超える流線は表示されません。
解像度600 dpiのB4原稿用紙にて、「ブラシサイズ:0.2」「線の間隔:1.0」「最大本数:100」「乱れなし」で画像の範囲くらいまでは表示できますのでそこまで大きな数値じゃなくても大丈夫かと思います。
※数値が大き過ぎますと動作が重くなる可能性があります。
「長さ」
●「長さ」
流線そのものの長さを設定します。
背景全体ではなく一部分に流線を利用したい場合は短めに設定しましょう。
●「乱れ」
チェックを入れますと、入力した「長さ」を基準に流線の長さがランダムで変化します。
インジケータの目盛り(数値)が大きいほど長さの変化の幅が大きくなります。
ここの数値は(%)であり、入力した数値の%分長さが延長・縮小します。
●「コマ外まで延長」
チェックを入れますと「長さ」の数値とは関係なくコマ枠の外側まで流線が表示されるようになります。
コマ枠がない場合はトンボやキャンバスの端まで延長します。
背景全体に流線を表示させたい場合にチェックを入れるだけで済みます◎
「基準位置」
「中点」「始点」「終点」の3つから選択します。
この選択によって流線ツールで指定した位置からの表示方向が変わります。
基本は「中点」で、コマの端に流線を表示させたい時などは「始点」や「終点」を選択するといいでしょう。
「基準位置のずれ」
チェックを入れることで流線が基準位置からランダムでズレるようになります。
数値はこのズレの最大値を入力します。
「長さ」の「乱れ」設定に似ていますが、こちらは同じ線の長さで位置がズレる表示になっています。
「入り抜き」
流線の端部分となる「入り」と「抜き」の設定ができます。
基本的には「ブラシサイズ」を設定して端を尖らせる表現で利用します。
詳しくは以下の記事を参考にしていただければと思います。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の流線ツールの使い方
流線ツールの設定が完了しましたらキャンバス上に流線を描画・作成していきます。
「描画先」と選択しているレイヤーの確認もしておきましょう。
クリスタの流線ツールの使用方法
先述の「曲線」の設定項目でも述べましたが、流線ツールは連続曲線をキャンバス上で描画することでその位置に流線を描画・表示させます。
流線を部分的に描画・表示したい場合
キャラクターなどに重ならないよう部分的に流線を描画したい場合は自動選択ツールなどで表示する範囲を指定してから流線ツールを使用しましょう。
こうすることで選択範囲部分にのみ流線が描画されます。
ちなみに流線レイヤーが作成される設定の流線ツールを選択範囲内で使用しますと作成される流線レイヤーにはレイヤーマスクが作成されます。
流線レイヤーを作成した場合はオブジェクトツールで後から変更・修正が可能!
クリスタの流線ツールを使用して流線レイヤーを作成した場合、オブジェクトツールでその流線レイヤーを選択しますとキャンバス上には流線のガイド線(ハンドル)が、ツールプロパティやサブツール詳細ウィンドウにはその流線の設定内容が表示されます。
この状態でツールプロパティやサブツール詳細ウィンドウの内容を変更しますと流線の表示もその設定に合わせて変化します。
※「曲線化」「コマ外まで延長」などオブジェクトツールでの編集時には表示されない項目もあります。
また、キャンバス上に表示されているハンドルを移動させたり、ハンドルを回転・変形することで表示範囲や角度を変更することもできます。
ハンドルによる変形方法はサブツール詳細ウィンドウ「変形設定」カテゴリの「変形方法」で変更できます。
※こちらは流線ツールにはなかった項目です。
参考記事
また、ハンドルの中の制御点(赤い表示や青い表示)を移動することでも流線の表示を変化させることができます。
「曲線化」にチェックを入れていますと赤い表示の制御点部分の中央にも1つ制御点が配置されるようになり、この制御点を移動させることで流線を曲線にすることができるようになります。
ちなみに「曲線化」の効果がある場合は端の制御点を移動させても曲線になります。
制御点ツールで制御点の編集も可能!
●曲線化の制御点を編集
流線に表示されている制御点は制御点ツールで追加・削除などの編集が可能です。
この制御点ツールで制御点を増やせばより複雑な曲線の表現もできます◎
制御点を「角の切り替え」を利用すれば折れ線の流線の表現もできます。
●連続曲線の範囲を編集
流線ツールによる連続曲線部分(青い部分)も制御点ツールで編集が可能です。
※ハンドルの青い部分は編集できません。
クリスタは便利!ベクター制御点ツールでこんなことができる!!
流線レイヤーの表示を部分的に消したい場合
クリスタの流線レイヤーでは消しゴムツールを使って線を直接消すことはできません。
流線レイヤーを作成後に表示されている流線を部分的に消したい場合はレイヤーマスクを利用しましょう。
ラスターレイヤーやベクターレイヤーに流線を描画した場合
●ラスターレイヤーに描画した場合
ラスターレイヤーに流線を描画した場合はペンで描画したものと同じになりますので加筆や消しゴムツールで消すこともできます。
また、ラスターレイヤーでも線幅の変更が可能です。
●ベクターレイヤーに描画した場合
ベクターレイヤーに流線を描画した場合はオブジェクトツールや制御点ツールなどを使って線1本1本を直接編集することが可能になります。
●ラスター・ベクター両方で出来ること
クリスタ編集メニューにある「変形」機能を利用することができます。
流線レイヤーでも変形は利用できるのですが、「メッシュ変形」や「自由変形」などラスター・ベクタレイヤーレイヤーに描画した時にしか利用できないものがあります。
CLIP STUDIO PAINT PRO
CLIP STUDIO PAINT EX
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の流線ツール【応用編】
クリスタの機能で流線ツールをカスタマイズする
クリスタの流線ツールは範囲を指定するだけで一気に流線を作成できる便利なツールですが、その範囲の指定方法が連続曲線というのが少々使いづらい時があります。
しかし、クリスタにはこの指定方法を変更する機能があります!
それが「カスタムサブツール」です!
クリスタにて流線ツールをどれでもいいので選択しましたら、サブツールパレット左上のメニューアイコン「≡」から「カスタムサブツールの作成」と選択しましょう。
※選択中のサブツールが上書きされるわけではありませんのでご安心を◎
すると以下のウィンドウが開きますので「入力処理」の項目で「連続曲線」から別のものに変更しましょう。
※「入力処理」とはペンやマウスによる操作方法を指します。
※「出力処理」は「流線」のままにしてください!
流線ツールですと「単位曲線」が使いやすいでしょうか。
「入力処理」の設定が終わりましたら後は名前などを付けて「OK」を押しましょう。
参考記事
するとサブツールパレットの最下部に新しく流線ツールが作成されます。
(同時にサブツール詳細ウィンドウも開きます)
入力処理を「単位曲線」で作成した流線ツールのツールプロパティもしくはサブツール詳細ウィンドウには「曲線」の項目があり、「直線」「2次ベジェ」「3次ベジェ」から選択できるようになっているのが分かります。
2022年7月現在、3次ベジェのみ流線を描画・表示することができません。
こちらはクリスタ公式にも報告済みであり、「今後の開発にて対応を検討してまいります」との返答をいただきました。
(「検討」ですので改善されるかは分かりませんが)
れで1本の直線もしくは曲線をキャンバス上に描画するだけで流線を作成することができるようになります◎
クリスタの流線で様々な表現をする
クリスタの流線ツールの設定を工夫することで漫画の効果線以外での表現もできるようになります。
私が思いつく程度ですが例を紹介させていただきます。
雨
こちらは元々クリスタのサブツールに設定されたものがありますね◎
短く細い流線で「基準位置のずれ」を大きくすることで雨の表現をしています。
縞模様
キャラクターの服などに使用することで縞模様を表現することができます。
※「トーン化」を利用すればモノクロ漫画でも利用できますね。
変形も利用すれば立体感も表現できますよ◎
背景
シャッタ―など規則正しい線が並ぶものの表現にも利用できます。
便箋・楽譜
「最大本数」や「長さ」を合わせることで便箋や楽譜などを作成することもできます。
※楽譜の縦線は追加で描画してます。
マス目・方眼紙
規則正しい流線を2つ利用することでマス目・方眼紙を作成することもできます。
こちらは以下の記事でも詳しく紹介しています。
また、ラスターレイヤーやベクターレイヤーにマス目を描画した場合、変形させて背景に合わせることもできます。
陰
キャラクターなどの絵に沿って短い流線を表示させれば影の表現もできます。
動き
部分的に流線を表示させることで背景の効果線とは違った勢いのある動きを表現できます。
柵・フェンス
クリスタの「境界効果」でフチを付けるすることで柵を簡単に作成することができます。
また、斜めの流線を2つ描画することでフェンスも表現できます。
【補足】クリスタ素材による流線表現
クリスタではツールや画像といった様々な「素材」を使用することができます。
その中には流線を表現するものもあります。
クリスタの素材パレットの中にも元々入っている流線の画像素材がいくつかあります。
こちらは画像素材なので細かい調整はできませんが、キャンバスに貼り付けるだけで簡単に流線を表示できます。
また、CLIP STUDIO ASSETSというサービスでは流線の画像素材だけでなく、流線ツールをカスタマイズしたものも公開されており、ダウンロードすることで自身のクリスタで使用することもできます。
(有償・無償あり)
参考記事
【クリスタ】無料素材でもこんなに便利!ダウンロード方法と使い方を紹介します!
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の流線ツールを使って漫画制作を楽しもう!
クリスタの流線ツールを使用することで1本1本描かなければいけない線を1回の操作で作成・表示させることができます。
しかも流線レイヤーを作成すれば後からでも自由に変更・修正が可能となるとかなり漫画制作が効率化できるかと思います。
流線は漫画制作で使用する頻度も多いですから、その制作が効率化できれば全体的な漫画の制作効率も上がってきますね◎
ぜひクリスタの流線ツールを活用してみてください!
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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