皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
今回はイラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)でのトーンの貼り方、つまり「トーンレイヤーの機能」を紹介させていただきます。
こういうトーンを表現できるやつですね↓

various sun -バリアス・サン-第3笑より
【various sun】第3笑:この世界ってこんなの(19P)
この「トーンレイヤー」で扱えるのはトーンの中でも「網点トーン」と呼ばれるものです。
モノクロ漫画を制作する際に多くの方が使っている(スクリーン)トーンですが、CLIP STUDIO PAINTでも使うことができます◎
しかもアナログよりかなりお手軽に使えますよ!
それではよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!
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目次
- 漫画制作で使用する「網点トーン」とは
- CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の漫画制作とアナログの漫画制作ではここが違う!
- CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)「PRO」「EX」どちらでも利用可能!
- CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)でのトーンの貼り方!
- CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)ではトーンの内容をいつでも変更できる!
- CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)での色々なトーン表現
- CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)での「トーンレイヤー」の仕組み
- CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)では書き出し設定に注意が必要!
- CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)でのその他のトーン表現方法
- CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)での網点トーンの貼り方まとめ
漫画制作で使用する「網点トーン」とは
漫画制作において「網点トーン」とは(スクリーン)トーンの一種で、点や線・模様などを規則的に並べたものになります。
アナログ漫画では黒以外の色味を表現する時に使用します。
影の表現に使ったり、髪や服に使ったり、背景に使ったりと用途はさまざで、(スクリーン)トーンの中で最も使うことの多いトーンですね。

various sun-バリアス・サン-第3笑より
アナログでトーンを使用する場合は画材屋などで購入して、トーンを使いたい箇所に大きめに貼り、余分な所をカッターで切り取るという作業を行います。
↓
また、こういったトーンはカッターの側面で削ることもできます。
これを利用して様々な表現をする方もいます。
また、トーンを使う面積が小さい場合は、余分な部分を切り取らす削ることでトーンをはがれにくくするといった方法もあります。
種類も様々で、同じ網点でも濃さや点の大きさが違うものが多数あります。
漫画制作で必ず使わなくてはいけないものではありませんが、表現の幅を広げるものではありますね。
「網点トーン」以外のトーンにはグラデーションのものや、背景や効果表現が印刷されたものなどがあります。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の漫画制作とアナログの漫画制作ではここが違う!
クリスタではトーンを無料で無限に使える!
(スクリーン)トーンはB4サイズでだいたい300円~400円、ちょっといいやつだと500円くらいしますよね。
最近ですと小さいサイズが百均で販売されたりしてますが。
人によってトーンをどれだけ使うか差がでますが、読み切り作品を作成するだけでも結構な量のトーンを使用しますし、その分費用もかかってしまいます…。
漫画制作の中で1番コストがかかるものではないでしょうか…。
しかしCLIP STUDIO PAINTを使用すればトーンを無料で無限に使うことができます!
CLIP STUDIO PAINTを買うこと自体にお金はかかってしまいますが、1作品に使うトーンの種類と枚数、そこに原稿用紙、ペン、インクなど他の画材の費用を換算、さらに修正なども簡単にできるという高率性も考えればそこまで高く感じなくなるのではないでしょうか◎
逆にアナログでのトーン作業は大変だからほとんどしなかったけど、デジタル化したから気軽にトーンを使えるようになったという方もいるのではないでしょうか。
また、お店に買いに行く手間も完全になくなります!
夜中に在庫がなくなって翌日お店が開くまで作業が止まるなんてこともないですし、お店に行ったものの欲しいトーンが売ってない・枚数が足りないなんてことも起こりませんね。
クリスタではトーン貼りでの失敗がない!
トーン作業で精神的に辛いところが、貼ったトーンが一部でも欠けたら全て貼り直しになるというところです…。
その為、カッターを使っての作業は必要な部分まで切ってしまわないように注意しなければなりません。
欠けた部分を付け足すことも不可能ではありませんが、網点トーンは規則的に並んでいますので、その並びにピッタリ合わせないと違和感が出てしまいます。
また、カッターの作業で力を入れ過ぎると原稿まで切ってしまう可能性だってあります。
CLIP STUDIO PAINTではそもそもトーンを貼る際に一部が欠けるなんて事故は起こりません。
必要な部分にきっちり貼ることができます。
アナログとクリスタではトーン貼りの作業時間が大違い!
アナログでトーンを貼る場合、1つの面を貼るだけでも数分~十数分かかります。
髪の毛の先など細かい箇所が多くなると時間だけでなく集中力や体力も大きく消耗しますね…。
これがCLIP STUDIO PAINTならツールで1回タッチするだけで一瞬でトーンが貼れてしまいます!
クリスタではトーンの扱いが簡単!
アナログでトーンを使用する場合は繊細な注意が必要になります。
原稿を扱う時はトーンがズレないよう、はがれないように気を付けなければなりません。
また、網点トーンには「角度」があります。
トーン同士が離れているとそこまで気になりませんが、トーン同士が近い場合には同じトーンでも角度が違うことで違和感が出ることがあります。
さらに、頑張って貼ったトーンなのに隙間にゴミが入ってしまったらまたはがしてゴミを取らないといけませんし、最悪トーンを傷付けて1から貼り直しなんてこともあります…!
しかし、CLIP STUDIO PAINTでは原稿はデータですのでトーンがズレやはがれる心配もする必要ありません!
ゴミなんて存在すらしません!
また、トーンの角度も自動で統一してくれますし、自分でトーンの角度を変更することもできます◎
クリスタではトーン内容を後から変更可能!
アナログの場合、一度貼ったトーンを変更したい場合、当然そのトーンをはがして改めて別のトーンを貼らなければなりません。
しかし、CLIP STUDIO PAINTでトーンを使用すれば、網点トーンの設定を変えるだけでトーンの表示を簡単に変えることができます!
クリスタではトーンを描く・消す・削る作業が自由自在!
トーンは原稿に貼って不要な部分を切り取るものなので「面の表現」は普通にできますが「線の表現」をするにはなかなか難しく、それなりの技術が必要になります。
しかも接地面も少ないのではがれやすいですしね…。
また、トーンには「トーン削り」という技法があります。
これによりトーンの境目をなめらかに表現することができるのです。
しかしこれも削り過ぎたらそこに貼ったトーン全て貼り直しです…。
しかし!
CLIP STUDIO PAINTではトーンをインクと同等に扱うことができます!
ですので「ペンツール」でトーンを自在に描く(貼る)ことができます◎
また、「インクと同等」ということは「消しゴムツール」で簡単に消すこともでき、消し過ぎた場合は改めてペンツールなどで描けば周りのトーンの並びに合わせてキレイに付け足すこともできます!
また、トーン削り用のツールもありますよ◎
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)「PRO」「EX」どちらでも利用可能!
今回紹介する「トーンレイヤー」はCLIP STUDIO PAINT EXはもちろん、少しお安いCLIP STUDIO PAINT PROでも利用できますよ◎
CLIP STUDIO PAINTダウンロード版のご購入は以下のリンクから行うことができます。















CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)でのトーンの貼り方!
それではここから実際にCLIP STUDIO PAINTでトーンを使用する方法を紹介したいと思います。
また、以降の説明で紹介する項目が見当たらない時は以下の記事を参考に探してみて下さい◎



まずはクリスタでキャンバスを新規作成し、絵を描こう!
必要な設定を行い、キャンバスを新規作成しましょう。
中でも「解像度」は「600 dpi以上」に設定して下さい。
「解像度」は印刷する場合に必要な設定ですが、トーンを使用する場合は低い解像度ですと表示自体がキレイにならないのでウェブ用の絵・漫画でも高めに設定する方がいいです。
※ウェブ用の作品でしたらトーンでなくグレーで配色するのもいいかと思います◎
解像度は絵を描画した後に変更しても意味がないので新規作成時にしっかり設定しましょう。
詳しいクリスタの新規作成方法は以下の記事を参考にして下さい◎



キャンバスを作成しましたら、絵や漫画のペン入れ作業まで進めましょう。
「トーンレイヤー」を作成しよう!
絵も描き終わりましたらトーンを貼る作業を行いましょう◎
CLIP STUDIO PAINTでのトーン表示は「トーンレイヤー」というものを作成・使用します。
これは、1種類のトーンに1つの「トーンレイヤー」を使用する形になります。
まず「自動選択ツール」でトーンを貼りたい場所を範囲選択しましょう。
キャンバス上の任意の場所をタッチするとその場所を線で囲う範囲を範囲選択します。
「サブツールウィンドウ」で範囲選択される箇所が変わります。
基本は「他レイヤーを参照選択」を選ぶのがいいかと思います。
この状態でCLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「新規レイヤー」→「トーン」と選択しましょう。
すると「簡易トーン設定」ウィンドウが表示されます。
ここで作成する「トーンレイヤー」の内容を設定します。
範囲選択中、下部の「選択範囲ランチャー」で「新規トーン」のアイコンを選択することでも「簡易トーン設定」ウィンドウを出すことができます。
クリスタ「トーンレイヤー」の設定内容
※右側のプレビュー画面でどんな風なトーンになるかを確認しながら設定することができます。
●「線数」
※市販のトーンで「L」や「番」の単位で表示されているものです。
数値が高い程、点や線の数が多くなります。
また、それに合わせて点の大きさや線の太さが変わります。
「60」が一般的な数値と言われていますが、決まりはありません。
ただ、数値が低いと隙間が目立ちますし、高すぎると印刷時にトーンがつぶれてしまう可能性があります。
不安な方は「60」を選択するのが無難でしょう。
また、入力欄の右横の「∨」をタッチするとよく使用される数値が表示されますのでそこから選択するのも1つの手ですね◎
※「種類:ノイズ」においてのみ、この数値は関係なくります。
●「濃度」
※市販のトーンで「%」の単位で表示されているものです。
数値が高い程、点や線の隙間がなくなっていき濃い表示になります。
※数値を「100」にすると黒になります。
●「種類」
点や線の形を選択肢から選びます。
網点トーンでは「円」が一般的です。
※「四角」と「菱形」が逆に見えるかもしれませんが、それは角度が45度になっているためです。
●「角度」
点や線の並びの角度を設定できます。
45度が一般的です。
●「サイズ」
「種類」の項目で「ノイズ」を選択した時のみ設定できる項目です。
数値が高い程、1つ1つのノイズの柄のサイズが大きくなります。
●「係数」
「種類」の項目で「ノイズ」を選択した時のみ設定できる項目です。
数値が高い程、ノイズが強くなります。
※0が基準値です。
具体的にいえば、1つ1つのノイズの柄が細長くなっていきます。
●「同じ設定のトーンがある時はこの一つにまとめる」
この項目にチェックを入れていると全く同じ設定の「トーンレイヤー」を作成した場合に1つのレイヤーに自動でまとめられます。
↓
レイヤー数を抑えたい場合にチェックを入れていると便利でしょう。
ただし、コマ枠フォルダーごとにトーンレイヤーを作成したい場合は、チェックを外さないとトーンレイヤーが1つにまとめられ、コマ枠内にトーンが反映されないということも起きてしまいます。
レイヤーパレット内での位置で表示のされ方が変わるのでそれぞれで配置したい場合などはチェックを外した方が都合がいいでしょう。
「OK」を選択して「トーンレイヤー」を作成!
設定を入力し終えましたら「OK」を選択しましょう。
「トーンレイヤー」が作成され、範囲選択した箇所に設定した内容のトーンが表示されます。
ちなみに範囲選択をしていない状態で「トーンレイヤー」を作成しますと、キャンバス全面にトーンが貼られます。
トーンを貼る範囲を広めていこう!
「トーンレイヤー」を作成しましたら、その「トーンレイヤー」を使って同じ内容のトーンの表示面積を増やしていくことができます◎
作成した「トーンレイヤー」のマスク部分を選択していることを確認して下さい。
※「トーンレイヤー」を作成した直後でしたらすでにマスク部分が選択されています。
この状態で「塗りつぶしツール」を使用すればどんどん同じ内容のトーンを貼っていくことができます!
また、この「トーンレイヤー」の便利なところは、「ペンツール」や「図形ツール」などの描画ツールで描いた線もトーンとして表示してくれるところです!
この時の色は何色でも大丈夫です。
「描画=トーンを表示」となります。
その為、「グラデーションツール」も「塗りつぶし」と同じ扱いになります。
前述しましたが、
1つの「トーンレイヤー」で表示できるトーンは1種類のみ
ということですね。
※トーンでグラデーションを表現する方法は後述の『CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)でのその他の表現方法』で紹介します。
描画色を「透明色」に設定すると描画ツールでトーンの表示を消すことができます。
表示を自由に消すことも可能!
また、「消しゴムツール」や「切り取り」などを使用してトーンの表示を消すこともできます!
また、消した部分を改めて描画すると周りのトーンの柄にピッタリ合ったトーンを再び表示させることができます◎
違う内容のトーンを使用したい場合は新しい「トーンレイヤー」を作成しよう!
前項で述べた通り、クリスタでは1つの「トーンレイヤー」で表示できるトーンは1種類のみです。
1つでも項目の違う内容のトーンを使用したい場合は改めて「トーンレイヤー」を作成しましょう。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)ではトーンの内容をいつでも変更できる!
クリスタにおいて1つの「トーンレイヤー」で表現できるトーンは1種類ですが、その内容を変更することは可能です◎
「トーンレイヤー」の選択中には、「レイヤープロパティ」にそのトーンの設定内容が表示されます。
ここで項目や数値を変更するだけで簡単にトーンの表示内容を変えることができます!
「トーンレイヤー」作成時に設定できなかった「レイヤープロパティ」内の項目
クリスタの「レイヤープロパティ」には「トーンレイヤー」の作成時に設定した項目の他に様々なトーンに関する設定項目が表示されています。
どの項目も内容を変更すればトーン表示がそれに合わせて変更されます。
※隠れている項目は「+」」のマークを押すことで表示させることができます。(「-」のマークで隠すこともできます)
トーン
「レイヤープロパティ」を見ると「トーン」の項目に色が付いて選択された状態になっています。
これはトーン表現を有効にしているということを表しており、「トーンレイヤー」は全てこの状態になっています。
この「トーン」の項目をタッチしてトーンの有効状態を解除するとグレー表示になってしまいます。
※この時のグレーの濃さは「現在表示しているトーンの濃度」ではなく、「作成時に設定したトーンの濃度」に合わせた濃さになります。
レイヤーカラー
「レイヤーカラー」を選択することでトーンをカラーにすることができます◎
「レイヤーカラー」に関しては以下の記事を参考にして下さい◎



効果範囲
「画像」と「マスクした画像」の2つから選択できます。
これは下記の「階調」の項目で「あり」に設定している場合に効果が出る項目です。
「画像」を選択している場合、描画ツールのぼかし効果をそのまま表示します。
「マスクした画像」を選択した場合、ぼかし効果の部分の濃さに合わせてトーンの濃度を変更してくれるようになります。
印刷予定がある場合、トーンにグレー部分があるとキレイにトーンが印刷されない可能性があります。
ぼかし効果を表現したい場合は「マスクした画像」を選択しましょう。
濃度
「トーンレイヤ―」のトーンの濃さを設定・変更できます。
初期設定では「指定の濃度を使用」になっており、数値は「トーンレイヤー」作成時に設定した「濃度」の数値になっています。
ここではどの数値を濃度の値にするかを設定でき、「指定の濃度を使用」「画像の色を使用」「画像の輝度を使用」の3つから選択することができます。
・「指定の濃度を使用」
「トーンレイヤー」を作成した際に設定した「濃度」と同じですね。
ここで数値を変更すれば簡単にトーンの濃度を変えることができます。
・「画像の色を使用」
「トーンレイヤー」のサムネイルを見てもらうと分かると思いますが、このレイヤーにはグレーが使用されています。
このレイヤーに使用されている色の濃さに合わせたトーンの濃度を表示させることができます。
しかし、このグレーは「トーンレイヤー」を作成時に設定した「濃度」の濃さと同じになっているため、「画像の色を使用」を選択した時点ではトーンの濃度に変化はありません。
ただし、「オブジェクトツール」を選択した状態でカラーパレットから色を指定することでレイヤーに使用されている色を変更させることができます。
するとその色の濃さに合わせてトーンの濃さが変化します。
この時、グレーを選択した場合はそのグレーの濃さが、グレー以外の色を選択した場合はその色をグレーに変換した時の濃さがトーンの濃度に反映されます。
・「画像の輝度を使用」
「輝度(きど)」とは本来「光源の明るさを表す」ものですが、CLIP STUDIO PAINTでは「カラーサークル」で「HLS」表示にした場合の「L」の値になります。
この「L」の値を基にトーンの濃さが決まりますが、こちらも「画像の輝度を使用」を選択した時点では変化がありません。
この「輝度」も「オブジェクトツール」を選択して色を指定することで変更させることができます。
「L」の値が低い程濃いトーンになり、高い程薄いトーンになります。
「画像の色を使用」との違いは、下のレイヤーを透過するかどうかです。
ちなみに「指定の濃度を使用」を選択している場合も透過します。
●レイヤーの不透明度を反映
ここにチェックを入れていると、「レイヤーパレット」の「不透明度」を下げた場合にトーン表示がグレーにならずに「トーン濃度」が低くなります。
もし「画像の色を使用」を選択している場合は「不透明度」の数値が低くなるとそれに合わせて白く表示される箇所が狭くなり下のレイヤーが見えるようになってきます。
網の位置
初期設定では「X」「Y」ともに「0」です。
「X」の数値を上げるとトーンの並びが右方向に移動し、下げると左方向に移動します。
「Y」の数値を上げるとトーンの並びが下方向に移動し、下げると上方向に移動します。
※「-(マイナス)」も入力できます。
トーンの網の表示位置が気になる場合などはここで調整できます。
「網の位置」のを移動させたとしてもトーン自体の表示範囲は移動しません。
トーンの表示範囲内で網点の位置が移動されます。
階調
初期設定はキャンバス新規作成時の「基本表現色」の設定によって変わります。
「モノクロ」を設定している場合は「なし」に、「グレー」「カラー」の場合は「あり」になっています。
「あり」と「なし」を選択することができます。
「あり」を選択した場合、描画ツールのぼかし効果なども反映され、トーンにグレー部分が表示されるようになります。
「なし」を選択した場合、トーンの表示部分は「黒色」か「白色」のみになります。描画ツールにぼかし効果がある場合はその濃さによって黒色(トーン部分)か白色に分けられます。
●閾値(いきち)
ぼかし効果などでグレー部分ができるツールで描画したトーンの「階調」を「なし」に設定した場合、「閾値」という項目が表示されます。
これはグレー部分を黒色(トーン)と白色に分ける際の境目となるグレーの濃さの数値となり、自分で調整ができます。
(数値は1~255)
数値が低い程、黒色(トーン)部分が多くなり、高い程少なくなります。
トーンにグレー部分があると印刷時にキレイにトーンが印刷されない可能性があります。
ぼかし部分をモノクロで表現したい場合は上記の「効果範囲」の項目で「マスクした画像」を選択しましょう。
この「階調」の項目で「なし」を選択していると、「マスクした画像」を選択していたとしてもぼかし効果の部分は一切表現されなくなります。
ツールナビゲーション
表示されているアイコンのツールをタッチすると使用ツールをそのツールに変更することができます。
ここでは「オブジェクトツール」しか選択できませんが…。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)での色々なトーン表現
トーン削り
アナログではトーンの表示部分をカッターの側面で削り、ぼかし効果を出す表現方法があります。
CLIP STUDIO PAINTでもそういった表現が可能です!
「デコレーションツール」の「カケアミツール」や「エアブラシツール」の「トーン削り」などを使用します。
ここで注意したいのが、「カケアミ」や「トーン削り」などのツールは「描画ツール」の分類になります。
普通のカラーで使用するとトーンを削ったような表示を描画するという形になってしまいます。
表示されているトーンを削りたい場合は「透明色」を使用しましょう。
削り過ぎても「透明色」以外の色で描画すれば再びトーンを表示させることができます◎
また、「トーンレイヤー」の上に「ラスターレイヤー」もしくは「ベクターレイヤー」を作成し、白色で「ペンツール」や「カケアミツール」「ガーゼツール」などを使用して描画することで削りと同じような表現をさせる方法もありますよ!
トーン重ね
例えばトーンを貼った物に影を付けたい時など、トーンの上からさらにトーンを重ねるといった方法をとることがあります。
CLIP STUDIO PAINTでも「トーンレイヤー」を重ねることができます!
しかしそれには少し注意すべき点があります。
「濃度」の項目では下のレイヤーを透過できるものを選択する
重ねるので当然ですが下のレイヤーを透過できる設定である必要があります。
トーンレイヤーの「レイヤープロパティ」の「濃度」の項目で「指定の濃度を使用」か「画像の輝度を使用」を選択しておきましょう。
重ねるトーンの「線数」「角度」は同じにする
「線数」「角度」が異なるトーン同士を重ねると「モアレ」という模様ができてしまいます。
敢えて「モアレ」を使う目的以外では2つの設定を同じにしましょう。
「網の位置」で調整する
例えば線数60/濃度10のトーンと線数60/濃度30のトーンをそのまま重ねると以下のようになります。
これは濃度10のトーン(網点)が濃度30のトーン(網点)にピッタリ重なってしまい、網点の大きい濃度30しか見えない状態になってしまっています。
そこで「レイヤープロパティ」の「網の位置」の項目でトーンの網点の位置をずらし、片方のトーンの網点の隙間部分にもう片方の網点が見えるようにすることでお互いのトーンをしっかり表示させて、トーン重ねの効果を出すことができるようになります◎
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)での「トーンレイヤー」の仕組み
今回作成したクリスタの「トーンレイヤー」はどういったものなのかを少し説明させていただきます。
「トーンレイヤー」は、「簡易トーン設定ウィンドウ」内で設定した濃度のグレーをキャンバス全体に塗りつぶしし、それを他の設定項目の通りにトーン化し、そこに「(レイヤー)マスク」を付けて範囲選択した箇所だけ表示させている状態になっています。
トーンを描画する際にマスク部分を選択するのはこの為です。
クリスタのマスクに関しては以下の記事を参考にして下さい◎



また、上記の「レイヤープロパティ」の「濃度」の説明でサムネイルにグレーが表示されている理由もこれですね。
トーンの柄を描いているのではなく、キャンバス全体に貼られているトーンを描画ツールで表示箇所の指定、消しゴムツールで非表示箇所の指定をしているということなのです◎
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)では書き出し設定に注意が必要!
「色の詳細設定」でちゃんと設定しないとトーンが表示されない!
クリスタで「トーンレイヤー」を使用した絵や漫画原稿を書き出しする場合は、書き出し時の設定をしっかり行う必要があります。
まず書き出し設定ウィンドウ内の「色の詳細設定」を選択します。
するとさらに新しいウィンドウが1つ開きます。
その中に「トーンの出力設定」があります。
ここでしっかり設定を行わないと思い通りに書き出しされません。
特に「レイヤーに付与されたトーン効果を有効にする」にチェックを入れないと書き出ししたデータにトーンが表示されません。
チェックがない場合はグレーで表示されます。
忘れずにチェックを入れましょう。
クリスタ書き出し設定の詳しい内容は以下の記事を参考にして下さい◎



CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)でのその他のトーン表現方法
今回はクリスタでの「網点トーン」使用の紹介をさせていただきました。
これだけでも充分便利な機能ですが、CLIP STUDIO PAINTには他にもトーン表現方法がありますので軽く紹介させていただきます。
グラデーショントーン
「トーンレイヤー」に「グラデーションツール」を使用しても「塗りつぶしツール」と同じになると説明しましたがトーンでのグラデーション表現も可能です◎
条件としましては、解像度に加え「基本表現色」が「モノクロ」であることです。
参考記事



条件を確認しましたら、「グラデーションツール」を選択し、「サブツール」の一覧の1番下にある「マンガ用グラデーション」を選択しましょう。
また、「サブツール詳細」の「インク」の項目内にある「描画対象」が「グラデーションツールレイヤーを作成」になっていることを確認しましょう。
このツールを使用することでトーンのグラデーションを描画することができます。
そのままでは濃いかと思いますのでレイヤーの不透明度で濃度を調整しましょう。
こちらも網点トーン同様、他の箇所を塗りつぶしや描画することでグラデーションの繋がりを保ったままトーンの表示範囲を増やしていくことができます◎
以下の画像では髪と目が1つのグラデーショントーンで表現されています↓
「オブジェクトツール」をでグラデーション部分をタッチすればグラデーションの幅や角度の修正もできますよ◎
また、幅や形を調整してから描画することで様々なグラデーションを描画することもできます◎
クリスタの「素材」を利用する
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「ウィンドウ」→「素材」→「素材[単色パターン]」と選択すると「素材パレット」が開き、単色パターンの素材一覧が表示されます。
その中には様々なパターンのトーン素材があります。
このトーンを範囲選択した箇所にドラッグすることでトーンを貼ることができます。
既存のトーンでお気に召すものがない場合は、CLIP STUDIO ASSETSで検索・ダウンロードすることも可能です。(有料・無料あり)
関連記事



CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)での網点トーンの貼り方まとめ
クリスタでの「トーンレイヤー」を利用した網点トーンの貼り方紹介は以上になります。
私自身は元々トーンを多く使う方ではないのですが、それでもアナログで作業していた頃のトーン貼りの作業は精神的にも結構辛い所がありました。
今ではクリスタの機能のおかげでトーンを使うことになんの躊躇もありません◎
(このサイトに載せているオリジナル漫画はトーン部分をグレーに変換していますが)
トーンを使うのが苦手な方やトーン貼り作業で苦労している方はCLIP STUDIO PAINTの使用も検討してみてはいかがでしょうか◎
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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