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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
2021年12月14日にイラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)がVer.1.11.6にアップデートされました。
これにより、CLIP STUDIO PAINTに新しく「ゆがみツール」が追加されました。
この「ゆがみツール」の追加によって絵や画像の修正・補正のバリエーションがさらに増えました!
今回は新しい「ゆがみツール」を紹介させていただきますので宜しくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!
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CLIP STUDIO PAINT EXCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の新ツール「ゆがみツール」とは
クリスタの「ゆがみツール」は絵や画像を部分的に動かして修正・補正ができる!
クリスタの「ゆがみツール」は、ペンでなぞることで絵や画像を部分的に動かす(歪ませる)ことができるツールになります。
これにより、描画済みの絵などの修正・補正が可能になります。
完成イラストや画像の編集ができる!
クリスタ「ゆがみツール」の便利なところは何といってもすでに制作が終わった完成イラストや写真などの画像を編集することができる点です!
過去作品や編集データ(.clip)を消してしまった作品なども「ゆがみツール」によって印象を変えることができます◎
「ゆがみツール」使用後のぼやけは…?
修正や変形で気になるのが使用後の「ぼやけ」ですよね。
手元のクリスタで実際に「ゆがみツール」を使用してみるとやはり若干のぼやけが確認できました。とは言え、拡大してじっくり見ないと分からないレベルです。
しかも、その後複数回「ゆがみツール」を使用しても一定のぼやけ具合を保ってくれます。そのため、使用すれば使用するほどぼやけが生じるということはありません。
また、絵を収縮する形で歪ませると逆にぼやけが解消される場合もあります。
クリスタVer.2.1.0より、ゆがみツールの設定項目に「アンチエイリアス」が追加されました。
これによってゆがみツールを使用した時のぼやけ表現を出すか出さないかの設定ができるようになります。
詳しくは『クリスタ「ゆがみツール」の設定』でご確認ください。
「指先ツール」との違いは?
クリスタには、絵や画像を動かすツールとして「指先ツール」というものがあります。
しかしこちらはぼやけが強くかかり、周囲の色も混ぜながら伸ばしていく表現をする時に使用するものですので修正・補正向きではありません。
そのため「ゆがみツール」と「指先ツール」は目的や表現が大きく異なるツールなのです。
「ゆがみツール」はクリスタの特定のレイヤーでのみ使用できる!
クリスタの「ゆがみツール」は、ラスターレイヤー・選択範囲レイヤー・レイヤーマスクにて使用できます。
●ラスターレイヤーとは
いわゆる基本的なクリスタのレイヤーです。描画、塗りつぶしなどほとんどの編集作業が行えます。
ちなみに、クリスタのほとんどのレイヤーはこのラスターレイヤーに変換(ラスタライズ)が可能です。
もし「ゆがみツール」を使いたい絵・画像がラスターレイヤーでない場合はラスタライズを行いましょう。
レイヤーパレットにてラスタライズしたいレイヤーを選択している状態でCLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「ラスタライズ」と選択しましょう。
●選択範囲レイヤーとは
クリスタにて選択範囲を指定している状態でCLIP STUDIO PAINT画面上部から「選択範囲」→「選択範囲をストック」と選択することで作成されるレイヤーです。
この選択範囲レイヤーの緑色の部分はペンや消しゴムでの編集や変形などができ、お好みの形状にしてから選択範囲に戻すということができます。
この選択範囲レイヤーの編集が「ゆがみツール」でも行えるのです。
●レイヤーマスクとは
レイヤーに描画されている部分を部分的に非表示にできるクリスタの機能です。
レイヤーマスクで非表示にする範囲はペンや消しゴムなどで編集が可能なのですが、これが「ゆがみツール」でも行えるのです。
※画像の水色の部分がマスク(非表示)部分。
リンクがONになっている場合は描画部分とマスク範囲の両方が編集されます。
リンクがOFFになっていて、レイヤーのサムネイルを選択している場合は描画部分のみ編集されます。
リンクがOFFになっていて、マスク部分を選択している場合はマスク範囲のみ編集されます。
「ゆがみツール」でラスターレイヤーの修正・補正が可能に!
クリスタには描画後に修正が容易にできる線画制作に特化したベクターレイヤーがあります。
しかし、ラスターレイヤーの方が線画をしやすいと感じる方もいます。
ラスターレイヤーの修正・補正ができる「ゆがみツール」はラスターレイヤーで線画を行う方にとって強い味方になるかと思います!
また、線画をベクタレイヤーで行う方でも下描き・ラフはラスターレイヤーで行う方もいるかと思います。
そういった方にも「ゆがみツール」は重宝するでしょう
クリスタVer.2以降は複数レイヤーを同時に編集できる!
2023年3月14日にリリースされたクリスタVer.2.0から、「ゆがみツール」を使用する際にレイヤーパレットにてレイヤーを複数選択することで複数のレイヤーに対してまとめて編集を行うことができるようになりました。
この時、「ゆがみツール」を使用できるレイヤーであれば種類はバラバラでも問題ありません。
クリスタPRO・DEBUTでも使える!
クリスタの「ゆがみツール」は標準搭載のツールであり、クリスタEXはもちろん、下位グレードのクリスタPROさらには簡易版のクリスタDEBUTでも使用することができます◎
クリスタDEBUTのできる・できない機能全て紹介!-製品版との違い-
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CLIP STUDIO PAINT EXCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)「ゆがみツール」の使い方!
困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!
クリスタ「ゆがみツール」の配置場所
クリスタのゆがみツールの配置場所はクリスタを使用し始めたバージョンによって変わってきます。
クリスタをVer.1.12.0より前から使用している場合、「ゆがみツール」は「色混ぜツール」を選択し、サブツールパレットにて「ゆがみ」のタブを選択することで使用することができます。
Ver.1.12.0以降のクリスタを新しくダウンロード・インストールした場合は、ツールパレットにゆがみツールが直接配置されており、こちらを選択することで使用することができます。
これはVer.1.12.0からゆがみツールの配置場所が変更されたのですが、前のバージョンからアップデートした場合は変更前の配置場所のままになるためにこのようなことになっております。
クリスタ「ゆがみツール」の設定
クリスタ「ゆがみツール」の主要な設定項目は4つです。
しかも初期状態でその4つの設定項目が全てツールプロパティパレットに表示されてます。
※表示をスライドで動かす必要はありますが。
「ブラシサイズ」
ゆがみ効果を与える範囲を設定します。
「ゆがませ方」
ゆがみ効果の種類をアイコンから選択します。全部で7種類用意されています。
「進行方向」
「ゆがみツール」でドラッグ方向に絵・画像を歪ませることができます。
「膨張」
「ゆがみツール」の中心を基準に絵・画像を膨らませるような表示に変化させます。
同じ場所で長押ししているとその箇所をどんどん膨張させます。
飛び出す部分を表現したり、部分的に拡大するのに利用できます。
こちらは絵・画像を直接膨張させる以外にも、膨張させることで周囲の絵・画像を外側に押し込むといったことにも利用できます。
また、線の上で使用することで線を太くすることもできます。
「収縮」
「ゆがみツール」の中心を基準に絵・画像を縮ませるような表示に変化させます。
同じ場所で長押ししているとその箇所をどんどん収縮させます。
へこんだ部分を表現したり、部分的に縮小するのに利用できます。
こちらは絵・画像を直接収縮させる以外にも、収縮させることで周囲の絵・画像を引き寄せるといったことにも利用できます。
また、線の上で使用することで線を細くすることもできます。
「進行方向の左」「進行方向の右」
「ゆがみツール」をドラッグさせると、絵・画像をドラッグ方向の左もしくは右側にずらすように変化させます。
「時計回りに回転」「反時計回りに回転」
「 ゆがみツール」の中心を基準に絵・画像を渦巻き状に回転させるように変化させます。
同じ場所で長押ししているとその箇所をどんどん回転させます。
「強さ」
「ゆがみツール」のドラッグ・長押しによる変化(歪み)の大きさを設定します。
数値が大きいほど大きく歪み効果が出ます。
また、この「強さ」は筆圧などの影響を加えることもできます。
参考記事
「硬さ」
「ゆがみツール」の歪み効果の影響範囲を設定します。
数値が小さいほど、ブラシサイズ(形状)中心部の歪み効果が強くなり、数値が大きいほどブラシサイズ(形状)全体に歪み効果が出るようになります。
「硬さ」の数値が小さいとブラシサイズ外の部分にも歪みの影響が出るのですが、「硬さ」の数値が大きいとそういったこともなくなります。
逆に「硬さ」の数値を小さくすることで目的の場所以外の歪みを抑えることができるようになります。
以下の画像の場合、目を収縮しようとしますと前髪部分も一緒に歪んでしまうのですが、「硬さ」を小さくすることで前髪の歪みを抑えることができ、その後の修正もしやすくなります。
「操作した箇所の画像のみを参照」
こちらのチェックを外した状態で「ゆがみツール」を使用しますと、歪みによって生じる空白部分を埋めるためにブラシサイズや選択範囲外の部分を利用(参照)します。
「ゆがみツール」で触った部分や選択範囲で指定した部分のみで歪み効果を与えたい場合はこちらのチェックを入れて使用しましょう。
【Ver.2.1.0~】「アンチエイリアス」
こちらはクリスタVer.2.1.0から追加された項目です。
クリスタをVer.2.1.0以上にするには「アップデートプラン」の契約か、Ver.3.0のクリスタを購入する必要があります。
「アンチエイリアス」にチェックを入れますと、ゆがみツールを使用した箇所のフチにぼやけ表現が追加されます。
逆にチェックを外すことでぼやけを抑えることもできます。
こちらはチェックでのON・OFFの切り替えのみですのでぼやけの強さは調整できません。
クリスタ「ゆがみツール」と[Alt(Option)]キー
実はクリスタの「ゆがみツール」は[Alt(Option)]キーを押しながら使用しますと効果が反転するのです。
例えば「ゆがませ方」が「進行方向」の時はドラッグとは反対の方向に歪み、「膨張」の時は「収縮」に、「進行方向の右」の時は「進行方向の左」になります。
クリスタ「ゆがみツール」では様々な「ゆがませ方」を併用しよう!
クリスタの「ゆがみツール」を使用して絵や画像を修正したい場合、1種類の「ゆがませ方」だけで修正しようとせず、複数の「ゆがませ方」を併用しましょう。
例えばキャラの目の大きさを「収縮」で小さくしたいと思って「ゆがみツール」を使用しますと前髪や輪郭など周囲の絵も一緒に歪んだり、線の一部の太さが変わってしまう場合もあります。
ですので「収縮」を使用した後に「進行方向の左」などで周辺を違和感がないように修正しましょう。
上の画像では「収縮」で目を小さくした後に「進行方向の左・右」を使用して髪の毛を顔の内側に寄せ、線が太くなった部分を再び「収縮」で細くしました。
クリスタの他のツールでも補正しよう!
クリスタの「ゆがみツール」は完成イラストや画像でも修正・補正ができるのが大きな強みですが、なにも全ての作業を「ゆがみツール」で行う必要はありません。
イラストや漫画でしたらペンや消しゴムなどで追加の描画をしてもいいですし、写真などの画像であれば「コピースタンプツール」も利用できますよ◎
クリスタのコピースタンプでイラストの加工・修正が可能!!-意外と知らないクリスタ機能-
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)「ゆがみツール」の使用例
私が思いつく限りですが、紹介させていただきます。
●表情の調整・差分
キャラクターの表情は目や眉、口の形・角度・サイズで大きく変化していきます。
そんな表情の調整を「ゆがみツール」で行うことができます。
また、複製して様々な表情を作れば表情差分も作成できます。
●輪郭の調整
表情と同様に、輪郭を変えることでもキャラクターの印象は変わります。
●柄の調整
自分で作成した柄や柄パターン素材を服などに使用する場合、服(身体)の形状に合わせて調整することができます。
※柄パターン素材の場合はラスターレイヤーに変換(ラスタライズ)する必要があります。
関連記事
【クリスタ】無料素材でもこんなに便利!ダウンロード方法と使い方を紹介します!
●球面の表現
簡易的ではありますが、球体のガラスや水などに映る絵を表現するのに利用できます。
※クリスタには「魚眼レンズ」のフィルターもありますが。
●液体の表現
絵を伸ばしていくことで液体の表現もできるようになります。
また、回転させることで渦なども表現できますね。
●特殊効果の表現
絵を歪ませる表現は魔法や超能力などの特殊能力を表現する際にも利用できます。
●テキストのデザイン
テキストをラスターレイヤーに変換(ラスタライズ)する必要はありますが、文字を変形させることで「変形」機能ではできなかったデザインの表現ができます。
関連記事
●Photoshop「ワープ変形」の代用
本来の使い方と少し異なるかもしれませんが、Photoshopの画像を自由に歪ませることができるワープ変形の代用として画像編集もできるかと思います。
関連記事
クリスタで代用できるPhotoshopの機能を紹介します!!
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)「ゆがみツール」で制作を楽しもう!
今までのクリスタでは、ベクタレイヤーでの修正が大きい利点となっていたのですが、今回の「ゆがみツール」の追加によってラスターレイヤーでも修正が可能となり、制作の幅がさらに大きくなりました。
1度描いたものを描き直すことなく修正・補正ができるのは効率化にもつながりますね◎
今回の記事で紹介した方法以外にも様々な使用方法が生まれる可能性のあるツールになりますので皆さんもぜひ使ってみてください!
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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