【various sun】第16笑:——で? (3P/21P) 公開!!2020.10.14

漫画を『アナログ制作』から『デジタル【クリスタ】制作』に移行して感じた13の違い

漫画:デジタル

▼イラスト・簡単な漫画 なら【PRO版】

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どうも皆さんおはようございます。山本電卓と申します。

今回は子供の頃から漫画を描いてきた私が『原稿用紙に描くアナログ制作』から『パソコン上でCLIP STUDIO PAINTというソフトを使って描くデジタル制作』に移った時に感じたデジタル制作の利点と弱点を述べていきます。

今後デジタル制作に移行したいと思ってる方の参考になるよう、初心者の方、あまりパソコンに詳しくない方にもなるべく理解して頂けるように書いていきたいと思いますので宜しくお願いします( `・∀・´)ノ!

↓ちなみにですが私が描いた作品はこちらになりますのでよろしければどうぞ!

↓全てCLIP STUDIO PAINTで制作したものです。

バリアス・サンオリジナル漫画【various sun-バリアス・サン-】はこちらから!!

まずは漫画の描き方を軽く説明

 漫画の制作工程

漫画制作にはざっくり分けて5つの工程があります。

まず
構想
構想

どんな主人公がどんな世界でどんな行動を起こす物語なのかを考える

そして
ネーム
ネーム

コピー用紙やノートなどにコマ割りやキャラの配置、セリフなどをシャーペンでシャシャシャっと描く

いよいよ
下描き
下描き

ネームを基に原稿用紙にシャーペンもしくは鉛筆で本格的に絵を描いていく

ついに
ペン入れ
ペン入れ

下描きの上からインクを付けたペンで 本番の絵を描いていく。

さぁ来ました
仕上げ
仕上げ

下描きで描いた線を消しゴムで消したり塗りつぶしやトーン貼り作業、セリフの記入などを行い完成です!

こちらの工程はざっくり分けたものですので、作家さんによってはいきなり下描きから始める人もいればキャラの歴史までじっくり決めてから構想に入る人もいたりと個人差はありますね。

 アナログ制作、デジタル制作とは

漫画を本格的に描こうと思った人のほとんどはまず文房具屋さんに行って原稿用紙と付けペンとペン軸とインク(墨汁)を買って制作に入るかと思います。

これがいわゆる『アナログ制作』です。

紙に直接描いていくタイプですね。

それに対してパソコンに描画ソフトを入れて、ペンタブレットもしくは液晶タブレットをパソコンにつなげて漫画を描いていくのが『デジタル制作』です。

ペンタブ
液タブ

漫画原稿は現物ではなく、パソコン内にデータとして存在しています。

そしてそこではレイヤーというものに絵を描いていきます。透明な紙のような認識で大丈夫です。そのレイヤーが何枚も重なって一枚の原稿が成り立っています。

レイヤーイメージ

どちらの方法で制作したとしても、しっかり読める形で読者に届けばなんの問題もありません。

しかしその作品が現物かデータかの違いは制作側の人間にとっては大きな違いになるのです。

私も漫画を本格的に描き始めた頃はアナログ制作でした。

ですが、インターネット上の投稿サイトに漫画を載せたいと思ったことがきっかけでデジタル制作に移行しました。

現在ではネームから仕上げまで全てパソコンで作業しています。

そこで使用しているソフトが、漫画制作に特化した描画ソフト

【CLIP STUDIO PAINT】です。

公式サイトはこちら

次の項目から、CLIP STUDIO PAINTで制作して感じた利点、弱点を述べていきます。

MEMO
CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオ ペイント)とはセルシス社のパソコン(もしくはタブレット)の描画ソフトの1つです。CLIP STUDIOの中にも描画ソフトの「PAINT」、アニメーション制作ソフトの「ACTION]、CLIP TUDIO PAINT内で使う3D素材・モデルを制作するソフト「MODELER」の3種類があり、今回紹介するのは「PAINT」の方です。

CLIP STUDIO PAINT制作の利点

  修正が段違いに楽!!

なんといってもコレです!コレがかなり大きいです!!

漫画を描いているとどうしても失敗したり描いた絵の構図を変えたいと思ったりすることがあります。より良い作品にするため、描き手は修正を繰り返します。そのため修正が楽にできるというのは大きなポイントです。

楽々修正ポイント「消しゴム」

アナログ制作をしている時に起こる問題が修正跡の汚れ。

下描き作業時には消しゴムの跡やシワ、ペン入れ作業時には修正液のにじみや盛り上がり。

頑張って描いていても原稿が汚れてくると描き手のテンションも下がります。また、修正した箇所の上から改めて描くとなると描きにくかったり線がゆがんだりさらに汚れが広がってしまうなんてことも少なくありません。

汚れとシワ
にじみと盛り上がり

この汚れがCLIP STUDIO PAINTで制作すると全く気にする必要がりません!

デジタル制作での線は全てデータです。

ですから線を消そうと思えば簡単に消すことができます。そして消した原稿は真っ新な原稿と同じ状態ですので修正跡など気にせず改めて絵を描いていくことができます。また、修正液が乾くまで待つ必要もありません。

消しゴム

さらにCLIP STUDIO PAINTには上記で述べたレイヤーの一つにベクターレイヤーというものがあります。

このベクターレイヤーに描いた線は専用の消しゴムを使うと…

ベクター消しゴム1

 

ベクター消しゴム2

 

このように線の交点までポンッと消すことも可能で修正作業自体も簡単に行うことができます。

 楽々修正ポイント「移動」

漫画を描いているとこういうことも起こります。

「あ!このキャラの位置もう少し左の方がよかったな…!」

木とエセタイヨウ

 

アナログ制作ですとこれはもう絵を消して描き直さなければいけません。下描きだと消しゴムをかけるだけで済みますが、ペン入れ後だと絶望的です。最悪用紙ごと描き直しとなります。

これがCLIP STUDIO PAINTですと…

移動1

 

移動2

このように簡単に絵の移動ができます!

楽々修正ポイント「拡大」「縮小」「回転」「反転」

漫画を描いているとこいうことも起こります。

「あっ!身体に対して顔が大きくなってしまった…!」

顔でか

 

そんな時も…

顔縮小1

 

 

顔縮小2

このように後から調整ができます!

さらには…

角度変える

 

こんなことも可能!描き直さなくていいんです!

アナログ制作だとなるべくミスをしないように慎重に線を描いていきますが、修正作業が楽になるなら思いっ切り線を走らせることができ、絵にも勢いが生まれます◎

※縮小した顔と身体の境目は当然ズレがありますのでそこだけは手作業で修正して下さいね。

楽々修正ポイント「レイヤー」

デジタル制作での原稿は複数のレイヤーで成り立っていると述べました。例えば人物Aをレイヤー1に、人物Bをレイヤー2に描くとします

そして人物Aだけを修正した場合、レイヤー1を選択して作業を行えば人物Bはその修正の影響を受けません。上記で「修正箇所を選択してから拡大・縮小」などと説明しましたが、レイヤーが別なら「選択」という作業も不要になります。

レイヤー分け1

 

レイヤー分け2

 

また、下描きとペン入れでレイヤーを分けることで下描きだけをペン入れ後非表示にすれば消しゴムで下描きを消す作業もなくなります。消しゴムかけの時に原稿がグシャッとなる悲劇も防げますね。

下描き非表示1

 

下描き非表示2

 

ただし、レイヤーが増えすぎると作業も大変になるので必要最小限の数で制作をしましょう。

楽々修正ポイント「取り消し」

こちらはデジタル制作独自の機能ですね。

ペンをタブレットに付けてから離れるまでの描画作業を丸々なかったことにできます。ボタン一つでできるので失敗を恐れずどんどん作業を進めることができますよ!

取り消し1

 

取り消し2

 

 永遠に出続けるインク

ペン先とインク

 

アナログ制作ではペン先にインクを付けで描画し、インクがなくなったらまた付け足し…その繰り返しです。しかしデジタル制作ならそんなことをする必要もなく永遠に描き続けることができ、描画に集中できます!

いいところでインクが切れて線がかすれた!ペン先にインクが固まったり油汚れが付いたりで手入れしないと綺麗に線が引けない!インクをぶちまけて何時間もかけて制作した原稿が台無しに!!!!!

インクの悲劇

なんてこともありません◎手も汚れません◎

 漫画制作の手助けとなるツールで作業を効率化!

アナログ制作の場合、ペンの他にもいろんな道具を使います。定規や筆、カラス口、コンパスなどなど…。パソコンソフト内でそれらの道具にあたるのが「ツール」です。漫画制作にとても役に立つものばかりなので紹介していきます。

画材

塗りつぶしツール

ワンタッチするだけで選択している色を線で囲まれた部分全てに塗るツールです。カラーでももちろん使えますが漫画においてはベタ塗り(黒く塗りつぶす)ツールとして使えます。ベタ塗りは範囲も大きいですしアナログ制作では線の近くでははみ出さないように注意を払って塗らなければいけなく地味に大変です。

しかしデジタル制作では…

ベタ塗り1

 

ベタ塗り2

 

それが一瞬で!楽!!

また、このツールはスクリーントーンを貼る時にも使えます!アナログ制作だとはみ出すだけなら切り取ってしまえばいいですが切りすぎてしまうとトーンの角度がある以上付け足しは難しいです。しかも使えば当然減っていきますので手持ちのスクリーントーンの中から残っている部分をいかに無駄にならないように切り取るかも考えなければいけません。

しかしデジタル制作ならワンタッチでポン!です!

トーン貼り1

 

トーン貼り2

 

関連記事

トーンレイヤー:サムネ【クリスタ:網点トーンの貼り方】漫画制作の時間・費用を大幅削減できます!!

図形・定規ツール

アナログ制作で定規を使う場合は定規がずれないようにしっかり押さえなければいけませんし、線を引いてる途中でインクが切れてあぁ~!ってなることもあります。そんな心配も定規ツールを使えばパッと解決します。細かい使い方まで書くと長くなってしまうのでざっとできることを抜粋して紹介していきます!

図形ツール

「直線」の図形ツールを使えば好きな長さの線を引くことができますし「曲線」の図形ツールを使えば線の始点、終点を決めてその間の線を好きな曲げ方にして描画することができます。

「長方形」「楕円」「多角形」の図形ツールではそれぞれの図形を好きな大きさで簡単に描画できます。

図形ツール

これらはそれぞれ線の太さを設定できます。

太さ変更

定規ツール

こちらにも「直線」「曲線」「図形」の定規があります。描写する位置に定規をセットし、ペンで描いていきます。

図形ツールと違うのは定規の位置を決めたらその場所にしか描写できないというところです。その代わりペンで描写するのでペンの入り抜きの効果を付けることができます。

定規ツール1

 

定規ツール2

 

MEMO
ペンの「入り」とは線の描き始めに出る細めの線部分で、「抜き」とは線の描き終わりに出る細めの線部分のことです。勢いよく描くと線の始めと終わりはとがって細くなりますよね。これをCLIP STUDIO PAINTではペン設定によって表現することができます。

入り抜き

さらに定規ツールには「平行線」「放射線」「同心円」「パース」などの定規があり、それぞれ漫画表現に必要な描写をするのにとても役に立ちます。

特殊定規1

 

特殊定規2

 

特に「パース定規」は建物を描く際にとても役に立ち、消失点が原稿用紙からかなり離れた位置にある場合でも楽に描画ができます。

※パースとは遠近法を用いた絵もしくは図などの制作に使う技法です。やり方の説明は長くなるのでここでは省きます。

MEMO
図形ツール・定規ツールで描いた線もベクターレイヤー上に描いたものなどの条件はありますが、後から大きさや太さ・位置・角度も調整することが可能です。

選択ツール

顔のパーツや服の柄など、ある一定の面積の中でのみ線を描きたいということもあります。アナログ制作の場合は気を付けて描くか描きたくない所の上に紙を置くかくらいしか対処法がないのですが、選択ツールは選択した部分のみ描写可能にすることができるツールです。これを使えばはみ出しなどを気にすることなく描画ができます。

選択ツール

 

選択方法もワンタッチで線に囲まれた部分を一気に選択する方法や自分で囲った部分を選択する方法もなどがあります。

選択方法1

 

選択方法2

 

選択方法3

 

画面表示を変えて解りやすく作業!

顔下描き

 

人間の目というのは結構いい加減なもので、上手く描けてると自分で感じていても…

顔反転1

 

顔反転2

 

このように反転すると意外とバランスが崩れていることがあります。これがアナログ制作の場合ですと紙を裏向けて部屋の電灯を当てる、もしくはトレース台を使うなどしてバランスを確認し、改めて表面で描き直ししなければいけません。

トレース台1

 

トレース台22日

 

これがCLIP STUDIO PAINTなどのデジタル制作ですとボタン一つで画面表示を変えることができ、見た目上の表示を変えだけですので作業するのは表面。そのまま描画し、最終的に表示を戻せばいいだけなのです。

そして、利き手がある以上、どうしても得意・苦手な角度というのが出てきます。「左向きの顔しか描けないんだよね~」って人もこの方法で右向きの顔も描けます。

横顔反転1

 

横顔反転2

 

また、この画面表示は角度も変えることもできるので自分がやりやすい表示で作業しましょう◎

角度変更

 

MEMO
上記の項目でペン入れ後の修正でも反転や角度調整はできますがあくまで修正。始めから表示を調整して描画し、修正が不要な絵が描ければそれにこしたことはありませんね。

コマ割りが簡単!

今までは絵を描く上での利点を述べてきましたがこちらはまさに「漫画制作」での利点です。アナログ制作でコマ割りをする場合は定規を使います。しかし大きいコマだと線も長くなり、均一な太さの線を真っ直ぐ綺麗に引くというのはなかなか神経を使う作業になります。絵を描く前に疲れてしまいますね。

CLIP STUDIO PAINTならそれが楽にできてしまいます!はみ出しも線のガタガタもインクのにじみも定規のインク汚れも気にしなくていいんです!

まずは以下のどちらかの方法で基準枠に大きなコマを一つ作り…

コマ枠1

 

もしくは

コマ枠2

 

すると↓

コマ枠3

 

コマ枠が置けました。それをコマ枠カットツールで分けるだけ!

コマ割り1

 

コマ割り2

 

変形コマやコマ同士をつなげることも可能です◎

色々なコマ割り

 

コマ枠作成の詳しい説明は以下の記事を参考にして下さい◎

コマ枠分割【クリスタ】なら定規不要!漫画コマ枠を2ステップ+αで楽々作成!!その方法を画像付きで紹介します!
注意
現在、円形コマと別のコマに隙間を自動で作る機能はありません。別のコマ上に円形コマが乗る形になります。別のコマとの隙間を作る場合は手動で制作する必要があります。また、コマ枠からはみ出す絵を描く場合も随時一手間必要です。しかし、機能にとらわれなければそこまで複雑な作業ではなく、通常のコマ制作の便利さを考えればアナログ制作よりだいぶ楽になるかと思います。

画材の買い足し不要!

夜中に作業中、「あっ、原稿用紙がなくなった…!」「スクリーントーンが足りない!」「ペン先が壊れた!」なんてことがあったら翌日画材屋さんが開くまで作業が中断してしまいます。せっかく時間できたのに…いい感じで集中できてたのに…。悲しいですね。

デジタル制作ですと画材は全てソフトの中にあるので使い放題です。原稿用紙もインクもあの高いスクリーントーンもガンガン使えます。ペン先もGペン、カブラペン、丸ペンなどよく聞くペン先は標準で入ってますし筆も標準で用意されている分で十分なほど種類があります。

またスクリーントーンは「線数」「濃度」「角度」を自分で変更できますのでこれだけでもかなりの画材代が浮くことになります!画材屋に行って「いつものトーンが在庫切れ…」なんてこともなくなります。

ペン種類

 

トーン設定

 

MEMO
画像のスクリーントーンは表示上ガサガサしていますがしっかり解像度を600にして制作すればちゃんと点の集合体のあのスクリーントーンが貼れた状態で印刷ができます。

また、特殊なスクリーントーンやツールなどは必要に応じてCLIP STUDIO PAINT上でダウンロードもできます。(有料あり)

 下描きをカラーで解りやすく!

アナログ制作での下描きは鉛筆もしくはシャーペンで描きます。しかしそれだとグレー単色で、一コマにたくさん描き込みをしていくとどれがどの線だったか混乱してしまいます。

ごちゃごちゃ下描き

 

そこで下描きの段階からデジタル制作を行うと、こういった問題も解決できるのです!

下描き色分け

 

下描き色分け2

 

このように人物別に線の色を変えるととても見やすいですね◎ペン入れの時はこの下描きしたレイヤーの「不透明度」を下げれば作業もスムーズです。

※間違って下描きレイヤーにペン入れしないように注意!

また、人物・背景別に下描きレイヤーを分ければ下描きの修正も楽ですし、ペン入れの時は不要な下描きレイヤーを非表示にして作業することができとても快適です。修正も楽ですしね。

下描き色分け非表示1

 

下描き色分け非表示2

 

CLIP STUDIO PAINTではレイヤーを「下描きレイヤー」として設定することができます。別に絶対設定しなくてはいけないものでもないのですがこの下描きレイヤー、塗りつぶしツールや選択ツールに干渉しないという利点があり、とても便利なのです!なので設定することをお勧めします◎

下描きレイヤー1

 

下描きレイヤー2

 

注意
カラー漫画以外では原稿用紙を新規で出す際、カラーモードは「モノクロ(白黒)」を選択します。そうすると下描き用レイヤーを作成してもそのままでは黒色と白色、そして下描き用で選択した色(単色)しか描画できません。複数の色を使いたい時は下描きレイヤー作成後「レイヤープロパティ」で「モノクロ」から「カラー」に選択し直しましょう。

関連記事

下描きレイヤー【クリスタで絵を描く】下描きレイヤーを使えば効率が上がる!!

デジタル制作の弱点

今までアナログ制作は大変だ!という話をしてきましたが、デジタル制作にもやはり弱点はあります。

紙に描く感覚がないので違和感がある

パソコン上で描画するので当然ですね。私自身はかなり長い年月をアナログ制作でやってきましたがそこまで違和感はありませんでした。しかし私の周りではこういった話をたまに聞きます。自分の指先から直接紙に伝える感覚はどうしてもデジタルで再現するは難しいです。紙の方が上手く描けるという人もいるでしょう。ここは好みになりますね。

慣れる必要がある(ペンタブレットの場合)

ペンタブレットは液晶タブレットに比べて安価なのでデジタル制作に移行する人はまずペンタブレットから始める人が多いかと思います。しかし、液晶タブレットは画面に直接描画できるので紙に描く感覚はなくとも絵を描く感覚はそこまで違和感がないはずですが、ペンタブレットの場合ですと描画する場所と線が引かれる画面は離れているのでどのくらいペンを動かせばどのくらいの線が引けるのかは実際やってみないと分からないところがあります。ここを乗り越えられるかも一つのポイントになりますね。

ペンタブと画面1

 

ペンタブと画面2

 

ただ、乗り越えた先にはとても便利な機能たちが待っています!

MEMO
ペンタブレットや液晶タブレットを扱っている家電量販店ではお試し用として店内に置いてある場合が多いのでそこでどんな感じか体験してみるのがいいいでよう。これくらいなら大丈夫そうと思えば購入を検討してみて下さい。

融通が利かない

アナログ制作の場合、手間はかなりかかりますがその代わり自分のやりたいようにできます。とあるプロの漫画家さんが絵に迫力を出すために割り箸を使って描いているのを拝見したことがあります。こういうことができるのはアナログ制作の強みですね。逆にデジタル制作の場合はソフト内にあるツールしか使用できません。(そのツールがとても便利なわけですが)

設定に関しても、自分の好みに調整ができるのは利点ですが、全ての作業に適用されてしまいます。

例えばペンの設定で抜きを強くしたとします。そうなるとそのペンで描いた線は全て強い抜きが強く出る線になります。もちろん描く時の強弱をある程度タブレットが感知してくれて微調整はできますが、ここは抜きの弱い線が描きたいと思えば再び設定で抜きを弱くして改めて描画するという形になります。

抜き設定

 

ペンの強弱

 

逆にいえば、アナログ制作ではインクの量やペン先の状態などで自分の意図しない所で線が太くなったり細くなったりすることもありますがデジタル制作では設定した太さをずっと描いてくれるという利点にもなりますね。

MEMO
ちなみにペンツールなどは複製することができ、名前も変更できるので抜きの強いペン弱いペンなどオリジナル設定のペンを用意しておき、用途に応じて切り替えて作業するということもできます。

また、ペンでいえばペン軸を改造して自分の描きやすいペン軸を作る人もいますね。これもデジタルではできません。機械ですからね…。布を巻いて太くするくらいはできそうですが…。

ペン軸改造

 

あと、上記で述べた交点まで線を消す消しゴムツールも、大抵は綺麗に消してくれますがたまに少し残ってしまうこともあります。原因は解りませんがソフト内で何かしらの理由があるのでしょう。こうなった場合は通常の消しゴムツールでちょちょんと消す必要がありますね。交点まで消すというのがかなり便利なのでこれくらいは目をつぶってもいいかなとも思いますが。

ベクター消しゴムの消し残り

 

未対応の機能もある

上記のコマ枠の話の時に「現在、円形コマと別のコマに隙間を自動で作る機能はない」ということを書きましたがこういった自分のやりたい表現にソフトの機能が対応していない場合もあります。CLIP STUDIOのサイトには「こういう機能を追加してほしい」という利用者からの要望もたくさん書かれています。

要望を受けてアップデートの際に新機能として追加されることもありますし今後も今できないことができるようになる可能性も0ではありません。

ですが、今作りたくても機能的にできないものを新機能として追加されるまで待つというわけにもいきませんよね。そんな時は自力でアナログ制作のように今できる機能内でやるしかありません。

そもそも機能が便利であっても、必ず使わなければならないわけではありません。コマ枠だって自分でペンツールを使って描いたっていいわけです。「色々できるのにこれはできないなんて不便だ!」と考えるのではなく、大変な漫画制作の中で「この作業の時はこの機能が使えるから便利だなぁ」と考えれば気持ちも楽になるかと思います。あくまで機能は「あれば便利なもの」。機能にとらわれ過ぎないようにしましょう。

突然の不具合

この記事を読んでくださっているということはパソコンもしくはスマートフォンをお持ちなのかと思います。だとすればほとんどの人が経験してるのが突然の機械の不具合です。「昨日まで普通に使えていたのに急に動かなくなった」「1秒前まで使っていたのに急に固まった」「電源入れたらデータが消えていた」こういったことで辛い思いをした人も多いはずです。

デジタル制作はパソコンを使用するのでこういった不具合の危険もあるのです。

私が経験したことでいえば、急にペンの設定が適用されなくなったことですね。細く、入り抜きも設定しているのに太い入り抜きのない線しか描けなくなりました。

まぁこちらはパソコンを再起動すれば直ったので本当に軽い不具合のようでした。ですが作業は中断されるしできれば遭遇したくないですね。

データ保存に対するCLIP STUDIO PAINTの機能

不具合で一番気を付けなければいけないのがデータの保存ですね。1時間保存せずに作業に没頭してたら急にソフトが強制終了した…!?ってことになると、この1時間の作業が無駄に…?なんて考えるだけでゾッとします。

しかしCLIP STUDIO PAINTにはそんなトラブルを想定した機能があります

環境設定で「キャンバスの復元を有効にする」にチェックを入れると「保存間隔」に入力されている時間ごとに作業中のデータが一時的に自動保存されます。

復元設定

 

もしソフトが強制終了した場合も、ソフトを再び起動すれば最後に保存された時のデータが自動で復元されます。ここで改めて保存すれば最悪の状態は防げるということです。

ちなみに保存前に手動で間違えて終了ボタンを押してしまっても「保存しますか?」と聞いてくれるのでご安心を◎

注意
これはCLIP STUDIO PAINTが強制終了した場合のみ有効で、パソコンの電源が落ちてしまった場合は手動で保存した時のデータしか残りまん。また、自動復元したデータを保存しないまま自分でCLIP STUDIO PAINTを終了したり、パソコンの電源を切った場合も復元はできません。

他にもCLIP STUDIO PAINTにはデータ保存に対しての機能があります。それが自動バックアップです。CLIP STUDIO PAINT上で保存を行うと自分で保存したフォルダとは別にパソコン内のCLIP STUDIOのフォルダにバックアップとして自動で保存されます。

自分で任意のフォルダに保存したデータがなにかしらの原因で壊れてしまった時でも、そこからデータを持ってくることができます。

バックアップフォルダ

 

ちなみに

DocumentBackup:上書き保存時のバックアップデータ

InitialBackup:ファイルを開いて一度目の上書き保存時のバックアップデータ

RecoveryBackup:強制終了時の一時バックアップデータ

となっています。

MEMO
CLIP STUDIOのフォルダはCLIP STUDIO PAINTをインストールした段階で自動的にパソコンのドキュメントフォルダ内に作られます。

また、このバックアップは複数段階の保存データが用意されています。どういうことかというと、バックアップデータが作られる時は上書きされるのではなく毎回新しいバックアップデータが作成され、「最新のバックアップデータ」「1つ前のバックアップデータ」「2つ前のバックアップデータ」と複数のバックアップデータが存在してる形になるということです。例えば上書き保存したデータより前のデータに戻したいと思ったらこのバックアップから最新のバックアップデータより前のバックアップデータを持ってくればそのデータを復元することができるのです。

注意
ただしバックアップデータも20個を超えると古いデータから順に削除されていくようです。また、保存のたびに自動でバックアップデータが作成されるとありますが、上書き保存の間隔が短い時はバックアップデータが作成されない場合もあるようで、一番古いバックアップデータも必ず20個前に保存したデータであるわけではないということを頭に入れておいて下さい。

 自分でもバックアップを

いくらCLIP STUDIO PAINTに自動バックアップ機能があるといっても、パソコン内のデータが消えてしまったりパソコン自体が動かなくなってしまっては復元のしようがありません。必ずDVDやUSBなどを買ってきて定期的に自分でデータをコピー・保存してバックアップを行ってください。ちなみに保存できるデータは完成原稿の画像データ(結合データ)だけではなく、CLIP STUDIO PAINTの制作データ(レイヤーが複数ある状態)も保存できます。また、CLIP STUDIOのフォルダにはツールなどの「設定データ」もありますので原稿データだけでなくこちらもバックアップをしておくともしもの時に安心です。こちらはパソコンを買い替えた時にも使えます。

こういった機械のトラブルは確率は低くとも誰にでも起こり得ることです。こんな話を聞くと特にパソコンが苦手な人はデジタル制作の移行に消極的になってしまうかもしれませんが、しっかりと対策をとっておけば最悪の事態は防ぐことができます。自分の中でこうすれば最低限の安心は確保できるなと思ったときはデジタル制作の移行も考えてみて下さい◎

最後に

今回はアナログ制作からCLIP STUDIO PAINT制作に移行した時の個人的な感想を述べてきましたが最後に言いたいことがあります。

それは…

漫画は自由!!

ということ。

作業をそれぞれで振り分けることもできます。

例えば下描きまではアナログでやってそれをスキャンしてパソコンに取り込んでペン入れをデジタルでやるという方法もあるでしょう。

ペン入れまでアナログでやってベタ塗りやスクリーントーン貼りをデジタルでやってもいい。

あるいは逆に下描きもしくはペン入れまでデジタルでやって残りはアナログでという方法もアリなのではないかと。

完成まで

 

漫画の描き方に正解はありません。そしてそれは表現方法においても同じで、仮にコマ枠がないものが作品として出てきたとしても、キャラクターが魅力的に活動していたらそれは漫画と呼んでいいと私自身は考えています。

アナログでもデジタルでも、どんな表現方法でも、自分が楽しく漫画を描けて、それが誰かに届き、何かを与えることができればそれが一番素敵なことなのです。

この記事を読んで少しでもデジタル制作もしくはCLIP STUDIO PAINTの良さを感じてもらえれば、決してお安いものではないですがちょっと試してみてはいかがでしょうか◎

イエーイ

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