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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
漫画を描こうと思うと様々な「構図」を考えなければなりませんよね。
キャラクターがどの位置に立ち、どの角度から映し、どの範囲をコマ枠に入れるのか。
それを全てのコマで行うとなると結構な労力になります。
また、人によっては頭の中で立体空間を想像して構図を考えるのが苦手な方もいるかと思います。
そこで今回はイラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)の3D素材を利用した構図の作り方を提案させていただきます。
あくまで「提案」ですので合う・合わないがあるかと思いますが1つの参考になればなと思いますのでよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!
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CLIP STUDIO PAINT EX漫画の構図は無限にある!
漫画の構図を考える時、2人での会話シーンだけでも様々な構図があります。
【various sun】第5笑:日の出すんよ(21P)
これが人数が増えたりアクションシーンなどになると無限の構図が存在することになるでしょう。
しかし自分1人で構図を考えるとどうしても似たような構図になりがちです。
そこで、自由にカメラを動かせる3D空間を作り出すことができれば構図作りの参考になると思いませんか?◎
それをお手軽に作れるのがクリスタの3D素材なのです!
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の3D素材で構図を作る(考える)方法!
困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!
クリスタの3D素材をキャンバス上に配置しよう!
クリスタにて構図作成用にキャンバスを新規作成しましょう。
サイズは自由でいいですが、コマ枠に見立てた線を引いておくといいでしょう。
もし可能であるのならコミック用のキャンバスにコマ枠まで作成した状態で作業行うとコマ枠の大きさも把握できて構図も考えやすいです。
そういった場合は大体の構図をネーム段階で考え、キャンバス上で細かく決めるといった手順になりますかね。
また、3D素材を配置する場所はコマ枠の外にする方がコマ枠に隠れることなく作業ができて都合がいいでしょう。
クリスタで漫画制作!新規作成「コミック」の設定項目の意味を説明します!
クリスタの漫画コマ枠作成&コマ割り方法!2ステップ+αで簡単!!
キャンバスの用意ができましたら3D素材を配置していきます。
ここではクリスタVer.1.11.6以降で使用できるようになった「3Dプリミティブ」を使用していきたいと思います。
この3Dプリミティブをキャラクターに見立てて配置して構図を考えるというわけです。
今回はより簡単な「平面」の3Dプリミティブで紹介しますが、「立方体」を細長く変形させれば「厚み」も把握しやすくなりますね。
それでは素材パレットから3Dプリミティブをキャンバスに配置していきましょう。
素材[3D]パレットはCLIP STUDIO PAINT画面上部から「ウィンドウ」→「素材」→「素材[3D]」と選択する、
もしくはCLIP STUDIO PAINT画面右端から「素材[3D]」のアイコンを選択することで開くことができます。
※素材ウィンドウ・アイコンの並びは人によって異なります。
※素材パレットは開く手順と同じ操作を行うことで閉じることもできます。
「素材[3D]」の項目がない場合はどれでもいいので選択して素材パレットを開き、左上にて「3D」を選択しましょう。
また、素材パレットの左上の「3D」の項目内にて「プリミティブ」を選択しますと「3Dプリミティブ」のみを素材一覧に表示させることができるようになります。
素材パレットにて配置させたい3Dプリミティブを選択しましたらキャンバスに向けてドラッグしましょう。
これでキャンバス上に3Dプリミティブが1つ配置することができました。
そしてレイヤーパレットには「3Dレイヤー」が作成されます。
クリスタの3D素材は配置するとまずキャンバス全体に配置されますのでオブジェクトツールで視点距離変更アイコンを選択してズームイン・アウトするか、3Dプリミティブ自体を拡大・縮小しましょう。
※右クリック+ドラッグでもズームイン・アウトができます。
また、必要であれば横幅を狭くしてよりキャラクターの比率に合わせることもできます。
サイズや設定を同じにした3Dプリミティブを複数配置したい場合は、オブジェクトツールで3Dプリミティブを選択している状態で「コピー」→「貼り付け」作業を行いましょう。
貼り付け直後は同じ位置に重なっている状態ですがオブジェクトツールで移動させるとちゃんと複製されています。
※新しく3Dプリミティブを配置したい場合は最初と同じように素材パレットからキャンバスにドラッグしましょう。その場合、サイズのみ配置中の3Dプリミティブと同じになります。
後はオブジェクトツールで移動させたり角度を変えたりすることで3Dプリミティブ(キャラクター)の位置関係を決めます。
3Dプリミティブ上部にあるオブジェクトアイコンを使用することでも操作は可能なのですが、オブジェクトツールで3Dプリミティブをタッチすることで表示される「マニピュレータ」を利用する方が比較的分かりやすいのではないかなと思います。
また、オブジェクトツールで3Dプリミティブを選択しますとツールプロパティの「色」の項目で3Dプリミティブの色を変更することもできます。
複数配置されている3Dプリミティブを見分ける時に便利です◎
今回は地上にいるキャラAにキャラBが空中から飛びかかるシーンを想定して以下のように配置しました。
参考記事
クリスタのカメラ位置を変更させて構図を完成させよう!
キャラクターに見立ててた3Dプリミティブを配置し終えましたら後はコマ枠を意識しながらカメラ位置を変更させて構図を決めていくだけです。
オブジェクトツールを選択している状態で3Dプリミティブ上部にある各カメラのアイコンを選択してキャンバス上をドラッグすることで「3D素材を映しているカメラ位置(視点)」を変更させましょう。
これで立体空間から構図を決めることができます。
カメラ位置(視点)をグリグリ動かしてお好みの構図を見つけましょう◎
また、クリスタEXの場合は「四面図パレット」を利用して複数の視点から3Dプリミティブを操作することができます。
クリスタEXで3D素材を使うなら四面図パレットを活用しよう!!
CLIP STUDIO PAINT EX
今回は キャラAにキャラBが空中から飛びかかるシーンなので以下のようなキャラAの背後で下から見上げるような構図にしました。
さらに、キャラBのサイズをもう少し小さくして遠近感を強くしました。
3D素材をアタリにしてクリスタでキャラクターを描いていこう!
クリスタの3D素材で作成した立体空間で構図を決めましたらそれをアタリにしてキャラクターを描いていきましょう。
その場合は3Dレイヤーより上に線画用のレイヤーを作成しましょう。
ポイント①:別のキャンバスで配置した3D素材の移動方法
3D素材による漫画の構図を別のキャンバスで考えた場合はオブジェクトツール以外のツールを選択している状態でCLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「コピー」と選択し、漫画のキャンバスに切り替えてから「貼り付け」を行うと3Dレイヤーを丸々別のキャンバスから持ってくることができます。
この場合も先述のようにコマ枠外に3Dレイヤーを配置すると扱いやすいでしょう。
3Dレイヤーを貼り付けした場合、コマ枠外に3D素材が配置される場合もありますので、「レイヤー移動ツール」でコマ枠内に持っていきましょう。
コマ枠と3D素材の大きさが合わない場合は改めてカメラ位置(視点)のズームイン・アウトで最終の調整をしましょう。
※この調整も難しいので始めからコミックのキャンバス上で3D素材を配置することをおすすめします。
さらに、構図を考えた別のキャンバスの制作データ(.clip)を保存しておけば同じ場面で別の視点をすぐ作成することができ、再利用ができますね◎
また、構図を考えたキャンバスを書き出して漫画のキャンバス上に読み込みするという方法もあります。
クリスタで書き出し!作品を画像ファイルで保存する方法と補足説明!!
ポイント②:3D素材の不透明度を下げて描きやすくしよう!
クリスタの3D素材で作成した構図をアタリにして絵を描く場合、そのままでは3D素材がくっきり映りすぎて絵が描きにくいですよね。
そういった場合は3Dレイヤーの不透明度を下げて表示させれば描きやすくなります。
3D素材をオブジェクトツールで選択した状態でツールプロパティもしくはサブツール詳細「環境」カテゴリにある「編集表示設定」を「通常」に変更しましょう。
これでレイヤーパレットから不透明度を下げることができるようになります。
※「高速」になっているとレイヤーパレットでの不透明度変更ができません。
こちらは1つの3Dプリミティブの「編集表示設定」を変更するだけで同じレイヤー上にある全ての3Dプリミティブの設定が変更されます。
これで構図のアタリとなる3D素材の不透明度を下げることができ、キャラクターも描きやすくなります◎
ペン入れするとこんな感じですね↓
3D素材はあくまで「アタリ」ですので大体の位置を把握する程度に利用します。
ポイント③:3Dプリミティブ自体の不透明度も下げて見やすくしよう!
クリスタの3Dプリミティブを使用する場合、サブツール詳細ウィンドウ「プリミティブ」の「アルファ」項目を「半透明」に設定しますと下部で「不透明度」を設定できるようになります。
ここの「不透明度」は前項で紹介したレイヤー全体の不透明度ではなく、3Dプリミティブ単体の不透明度になります。
この「不透明度」を下げることで3Dプリミティブ自体の内側や奥側にある重なった別の3Dプリミティブも見えるようになります。
※この設定は3Dプリミティブ1つ1つで行う必要があります。
ポイント④:3D素材の定規をONにするとパース定規が表示され、背景を制作できる!
クリスタのキャンバスに3D素材を配置しますとレイヤーパレットに「3Dレイヤー」が作成され、定規がOFFになった状態になっています。
この「3Dレイヤー」の定規アイコンを1回タッチしますと定規がONの状態になり、キャンバス上の3D素材の配置に合ったパース定規が表示されます。
本来自分で設置しないといけないパース定規が自動で作成されているというわけですね。
後は背景描画用のレイヤーを作成し、このパース定規を利用しての背景制作ができます◎
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の3D素材で作成した構図と実践例
「3人が向かい合っているのを上から見た構図」
3Dプリミティブを3つ並べて上から見る視点にします。
もし3人の中心の真上からの視点にした場合、そのままでは映る面積が小さくなってしまいます。
その場合はツールプロパティの「パース」の数値を上げると映る面積を広げることができます。
「2階の窓から道を歩く人へ挨拶する」
まずは「平面」の3Dプリミティブを組み合わせて建物、窓、キャラA・Bの配置を決めます。
そこからサイズやカメラ位置を決めます。
さらにここからカメラ位置を変更することで2階側からの視点も作ることができます。
ただし、3D素材をズームインし過ぎますとオブジェクトツールでの操作が難しくなりますのである程度ズームインさせましたら画像で書き出して拡大表示させたものをトリミングする方がやりやすいかと思います。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の3D素材で簡単構図作成!
漫画を制作する場合、1ページに5コマあるとすれば20ページで100コマとなります。つまり100パターンの構図を考えることになります。
アクションシーンになれば迫力のある構図を考えないといけませんし、会話シーンが続く場合は似たような構図が続かないように気を付けなければなりません。
漫画制作では常に構図を考える必要があります。しかし、1人で考えるには構図のパターンにも限度があります。
漫画制作をされる全ての方に「便利!」と言われる方法ではないかもしれませんが、もし構図作りに迷った時は今回紹介したクリスタの3D素材を利用した構図作成方法も試していただければなと思います。
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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