意外と知らないクリスタ3D素材の使い方8選!!

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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。

イラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)では3D素材を利用して制作の参考にしたりそのまま作品の中で使用したりといった使い方ができます。

しかし、この3D素材の仕様を知っておかないとうまく扱えない場合もあります。

そこで今回は私が現時点で確認しているCLIP STUDIO PAINTの3D素材の「意外と知らない使い方」を8つに分類して紹介させていただきます。

それではよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!


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参考記事:クリスタを購入する3つの方法と手順紹介!!

目次

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)3D素材の基本情報

困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!

クリスタ3D素材の保存場所

クリスタにおいて3D素材は素材パレットに保存されています。

素材パレットはCLIP STUDIO PAINT画面上部から「ウィンドウ」→「素材」→「素材[3D]」と選択する、
もしくはCLIP STUDIO PAINT画面右端から「素材[3D]」のアイコンを選択することで開くことができます。

クリスタの素材パレット(3D)

クリスタの素材パレット(3D)
MEMO

「素材[3D]」の項目がない場合はどれでもいいので選択して素材パレットを開き、左上にて「3D」を選択しましょう。

クリスタの素材パレット「3D」

クリスタ3D素材の設置方法

素材パレットから3D素材を見つけられましたら、以下の3つの方法でキャンバス上に配置します。


●素材パレットからキャンバスにドラッグする

クリスタの「3Dプリミティブ」をキャンバスにドラッグ


この方法ですとドラッグ先に3D素材が設置されます。


●素材パレットからレイヤーパレットにドラッグ

クリスタ「3Dプリミティブ」をレイヤーパレットにドラッグ


この方法ですとキャンバスの中央に3D素材が設置されます。


●「貼り付けアイコン」をタッチする

クリスタ素材パレット「キャンバスに貼り付け」


この方法ですとキャンバスの中央に3D素材が設置されます。

キャンバス上に3D素材を設置しますと、レイヤーパレットに3D素材を表示させる「3Dレイヤー」が作成されます。

クリスタの3Dレイヤー


参考記事

クリスタの3Dプリミティブで立体背景が作成できる!!

クリスタ3Dデッサン人形にポーズをつける3つのコツ!!

①CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の3D素材の操作に関する使い方

クリスタ3D素材の動作を軽くする設定がある!

クリスタで3D素材を使用する場合はデバイスの負荷も大きくなり、3D素材を扱う動作も重くなる場合があります

そういった場合はオブジェクトツールで3D素材を選択し、ツールプロパティもしくはサブツール詳細ウィンドウ「環境」カテゴリーにある「編集表示設定」を「高速」に設定しましょう。

※初期設定で「高速」になってはいるかと思いますが。

クリスタ3D素材「編集表示設定」


これで動作が軽くなります。

※「高速」にしますとキャンバス外にも3D素材が表示されるようにもなります。


3D素材の操作・設定が完了し、もう動かす必要がなくなれば「通常」に設定してもいいでしょう。

「編集表示設定」を「通常」にしますとレイヤーパレットの「不透明度」が反映されるようにもなります。

クリスタ3D素材の不透明度
MEMO

サブツール詳細ウィンドウ「輪郭線」カテゴリーの「輪郭線幅」のチェックを外して3D素材の輪郭線を非表示にすることでも若干動作が軽くなるといった報告があります。

※3Dプリミティブなど一部の3D素材には「輪郭線」の項目はありません。

クリスタで3D素材のアイコンや項目が見当たらない時の対処法

「移動マニピュレータ」「オブジェクトランチャー」が見当たらない場合

クリスタの3D素材をオブジェクトツールで選択しますと上部に「移動マニピュレータ」が、下部に「オブジェクトランチャー」が表示され、各アイコンをタッチもしくはドラッグすることで3D素材を編集することができます。

クリスタ3D素材「移動マニピュレータ」「オブジェクトランチャー」

参考記事

クリスタの3Dプリミティブで立体背景が作成できる!!


しかし、たまにこれらの表示が出ない場合があります

これはサブツール詳細ウィンドウ「オブジェクトリスト」にて3D素材以外を選択していることが原因です。

クリスタ3D素材「オブジェクトリスト」(3D素材以外を選択)


ですので左上にあるアイコンから「<」か「>」をタッチしてオブジェクトリストの選択を3D素材に変更する、
もしくはオブジェクトリストで直接3D素材を選択することで「移動マニピュレータ」や「オブジェクトランチャー」を表示させることができます。

クリスタ3D素材「オブジェクトリスト」(3D素材を選択)

※「<」「>」はオブジェクトリストの選択を変更するアイコンです。

MEMO

「オブジェクトランチャー」に関してはCLIP STUDIO PAINT画面上部から「表示」→「オブジェクトランチャー」と選択することで表示・非表示の設定を行うこともできます。

設定項目が見当たらない場合

クリスタの3D素材をオブジェクトツールで選択しますと、ツールプロパティもしくはサブツール詳細ウィンドウにて3D素材の設定を行うことができます。

クリスタのツールプロパティとサブツール詳細ウィンドウ(3Dプリミティブ)


しかし、たまにいくつかの設定項目が表示されない場合があります。

クリスタ3D素材の設定項目(通常時との比較)


こちらも前項のようにオブジェクトリストで3D素材が選択されていない時に起こる現象ですので、同様にオブジェクトリストで3D素材を選択すればちゃんと設定項目も表示されるようになります。

クリスタ3D素材のもう1つの光源設定

先述の通り、クリスタの3D素材をオブジェクトツールで選択しますと、ツールプロパティもしくはサブツール詳細ウィンドウにて3D素材の設定を行うことができ、その中には「光源」や「陰影」といった3D素材の陰・影を設定する項目もあります。

クリスタ3D素材「陰影」「光源」


しかし3D素材にはサブツール詳細ウィンドウ「環境」カテゴリーにて「レンダリング設定」を選択しますとさらにウィンドウを開くことができ、このウィンドウに選択中の3D素材の光源3Dレイヤー全体の光源(照明)設定があります。

※手元のクリスタで試したところ、3Dプリミティブでは「選択中のモデルの設定」の「照明」は設定できないようです。

クリスタ3D素材「レンダリング設定」(照明)


こちらはウィンドウの表記通り、上部が現在オブジェクトツールで選択している3D素材に対する設定となり、下部が3D素材を設置している3Dレイヤー全体の設定になります。


このウィンドウ上部「照明」の方式」では3種類の陰影の付け方を設定できます。

クリスタ3D素材「方式」
クリスタ3D素材「方式」


また、クリスタVer.1.12.7以降ですと、ウィンドウ下部「照明」の「影」の項目で3種類の影の表示方法を設定できます。

クリスタ3D「照明(影)」
クリスタ3Dプリミティブ「影」


ちなみに3Dレイヤーを新規作成する際の影の初期設定はクリスタ環境設定で行えます。

クリスタ環境設定「影の方式」

②CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の3D素材に付属しているパース定規に関する使い方

クリスタで3D素材を設置すると3点透視パース定規も同時に作成される!

クリスタのキャンバス上に3D素材を設置しますとレイヤーパレットには3Dレイヤーが作成され、そのレイヤーにはスナップ機能がOFFになった定規が設定されているのが分かります。

クリスタの3Dレイヤー(定規OFF)


クリスタの定規はアイコンをタッチするだけでスナップ機能をONにすることができます。

クリスタの定規をON


するとキャンバス上に3点透視のパース定規が表示されます。

クリスタ3D素材のパース定規


このパース定規を利用して(別のレイヤーで)加筆するといったこともできます。

※3D素材の定規は別のレイヤー編集中でも利用できる設定になっています。

クリスタ3D素材のパース定規を利用して加筆


参考記事

クリスタ定規がうまく使えない時は仕様を確認しよう!!

クリスタのパース定規で背景を楽に効率的に制作できます!!

3点透視とは

3点透視とはアイレベル上にある2つの消失点とそれ以外の1つの消失点を使用して物体を立体的に描画する方法です。

3点透視図法


参考記事

漫画は楽しい!アイレベルでキャラや背景の配置を決めよう!with クリスタ

MEMO

◆3D素材の定規をONにした時、床面のグリッドも表示されますので不要でしたらオブジェクトツールでキャンバス上の定規(もしくはレイヤーパレットの定規アイコン)を選択してからツールプロパティのアイコンをタッチして非表示にしましょう。

クリスタ3D素材のグリッドを非表示


もしこのパース定規を利用して加筆する場合、グリッドが表示されていると描画ツールがグリッドのガイド線の影響を受けてしまう場合があります。


◆再び定規をOFFにしたい場合は[Shift]を押しながら定規アイコンをタッチする、
もしくはCLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「定規・コマ枠」→「(チェックの入っている)定規を表示」と選択しましょう。

クリスタの3D素材とパース定規は連動している

3D素材のパース定規を表示させた状態でオブジェクトツールを使って定規の消失点やアイレベルを移動させますと3D素材の表示もそのパース定規に合わせて変化します。

クリスタ3D素材のパース定規を操作する


アイレベル上にある消失点はそれぞれ3D素材の中心線と繋がっています。

クリスタ3D素材のパース定規(中心線)


そのため、「3D背景の壁」など中心線以外の辺を消失点に合わせるといったことはなかなか難しいです。

MEMO

パース定規ツールで追加した消失点は3D素材と連動しません。


また、3D素材の定規をONにした際に表示される床面のグリッド上に表示される「グリッド移動のハンドル」をドラッグしますと消失点はそのままで3D素材の表示を変更することができます。

※「グリッド移動のハンドル」はオブジェクトツールでキャンバスに表示されている定規のガイド線をタッチした時に表示されます。

クリスタ3D素材のグリッド移動ハンドル
注意

3Dレイヤーのサムネイルと定規アイコンの間のチェックが外れていると3D素材とパース定規は連動しません。

定規連動のチェックはタッチするだけで簡単にチェックあり・なしの変更ができます。

クリスタ定規のリンクの切り替え

③CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の3D素材と別のパース定規に関する使い方

クリスタでは先に設置したパース定規に3D素材を合わせることができる!

クリスタの3D素材は何もないキャンバスに設置しますとキャンバス全体に正面を向いた表示で設置されます。

クリスタ3D素材の設置(通常)


しかしクリスタでは、条件さえ整えば自分で(背景描画用などで)キャンバス上に設置したパース定規に合うように3D素材を設置することができます。

つまり、先に定規ツールなどでパース定規を設置してある状態で素材パレットから3D素材を設置することでそのパース定規に合った表示にすることができるわけですね。

キャンバス上のパース定規に3D素材を合わせる条件

条件1:3点透視のパース定規である

先述の通り、クリスタの3D素材に付属されている定規は3点透視のパース定規ですので、合わせるパース定規も3点透視のパース定規である必要があります。

クリスタにて3点透視のパース定規を作成する方法は2つあります。


●レイヤーメニューから作成する
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「定規・コマ枠」→「パース定規の作成」と選択し、

クリスタ:パース定規の作成


次に開くウィンドウにて「3点透視」を選択して「OK」を押します。

クリスタ「パース定規の作成」ウィンドウ


するとキャンバス上に左右対称の3点透視パース定規が設置されますので、オブジェクトツールでアイレベルや制御点を移動させて編集します。

クリスタの3点透視パース定規を編集


●パース定規ツールから作成する
クリスタのパース定規ツールを選択し、ツールプロパティの「処理内容」を「消失点の追加」にして2回ドラッグして1点透視のパース定規を作成します。

クリスタのパース定規で1点透視パース


さらにアイレベル上に交点(消失点)が来るように2回ドラッグして2点透視のパース定規を作成し、

※アイレベル上の交点でピタッと止まってくれる(スナップ)機能もあります。

クリスタのパース定規で2点透視パース


最後に上か下に交点(消失点)がくるように2回ドラッグすれば3点透視のパース定規の完成です。

クリスタのパース定規で3点透視パース
注意

アイレベル外に消失点を作成する手順は1番最後に行ってください。

順番が変わると3D素材の設置する床面が水平になりません。

ポイント

アイレベル上に消失点がある1点透視と2点透視と違い、3点透視は上下に伸びる線にもパース表現になるという特殊なものになり、利用頻度も低いです。

設置するパース定規を3点透視にしたくない場合は「無限遠(消失点のない)」のガイド線を追加しましょう。


2点透視のパース定規を作成してから、
パース定規ツールのツールプロパティ「処理内容」が「消失点の追加」に設定されている状態で[Shift]を押しながら縦に2回ドラッグすることで無限遠(垂直)のガイド線を作成することができます。

クリスタのパース定規で無限遠

iPadクリスタでキー操作、右クリックはできます!!


このように3つ目の消失点(ガイド線)を無限遠にすることで3点透視のまま縦方向がパース表現にならない、つまり2点透視と同じ描画ができるようになります。


参考記事

クリスタ定規ツールの種類と使い方・効果を紹介します!!

条件2:コマ枠フォルダー外で行う

クリスタで漫画のコマ枠を表示させることができるコマ枠フォルダーですが、このコマ枠フォルダーにも定規が設置されており、基本的にはOFFになっております。

クリスタのコマ枠フォルダー(定規アイコン)


このコマ枠フォルダー内で3点透視のパース定規を作成し、3D素材の設置を行ってもパース定規に反応してくれなくなります

クリスタ3D素材の設置(コマ枠×パース定規)


そのため、設置してあるパース定規に3D素材を合わせる作業はコマ枠フォルダーの影響を受けない箇所で行うのがいいでしょう。


方法としては以下の4つがあります。

  • コマ枠フォルダーを全て非表示にして作業する
  • 3D素材をキャンバス内にドラッグする場合、ドラッグ先をコマ枠外にする
  • 3D素材をレイヤーパレットにドラッグする場合、ドラッグ先をコマ枠フォルダー外にする
  • コマ枠フォルダー外のレイヤーを選択している状態で素材パレットの「貼り付け」アイコンをタッチする


3D素材を設置した後はコマ枠フォルダー内に3Dレイヤーを移動させても大丈夫です。
先述のようにパース定規での操作も行えます。

クリスタ3D素材の設置(コマ枠外)
【補足】定規を設置したレイヤーを選択していなくても大丈夫

クリスタの定規は設定によって設置したレイヤーを編集している時にしか効果が出ないようにすることもできるのですが、手元のクリスタで試したところ、その設定で別のレイヤーを選択している状態でもパース定規に合った3D素材の設置ができました。

【補足2】自身で素材登録した3D素材は非対応

クリスタではCLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「素材登録」と選択し、登録したい素材に合った項目を選択することで選択中のレイヤーを素材登録することができます。

クリスタ「素材登録」

クリスタで素材登録時の設定項目の意味を紹介します!!-素材のプロパティ-


3D素材もこの方法で自分好みの設定をしたものを登録することができ、キャンバスに設置後も3D素材と同じように扱うことができるのですが、この方法で登録した3D素材は本来の3D素材とは別の扱いになってしまい、上記のようにキャンバス上にあるパース定規に合うように設置することができないようなのです。

確認方法としては素材パレットで素材を選択した際に下部に表示される「種類」の項目で「3Dオブジェクト」「3Dプリミティブ」など「3D〇〇」と表記されているものが本来の3D素材として扱われます。

クリスタの3D素材と登録素材の違い


そのため、今回紹介した方法を行う場合はクリスタに元々入っている3D素材かCLIP STUDIO ASSETSからダウンロードした3D素材などを使用しましょう。

3D素材を設置した後の編集

クリスタのキャンバス上に3D素材を設置しましたら、自分の制作に合わせて3D素材のサイズや向き、位置を変更させましょう。


参考記事:クリスタの3Dプリミティブで立体背景が作成できる!!

3D素材のサイズ・向きを変更

オブジェクトツールで3D素材をタッチしますと「マニピュレータ」が表示され、1番外側のグレーの円をドラッグすることで3D素材のサイズを変更することができます。

クリスタのマニピュレータ
クリスタ3D素材の拡大縮小
MEMO

外側の赤・青・緑のブロックをドラッグすることでその方向だけのサイズ変更も可能です。

クリスタ3D素材(変形)


さらに内側にある赤・青・緑の曲線をドラッグすることで3D素材の向きを変更できます。

クリスタ3D素材の回転
3D素材の移動

(次項で紹介しますが)既にパース定規が設置されているキャンバス上に3D素材を設置する場合、基本的に設置される初期位置が決まってしまってますのでそこから任意の場所に移動させる必要があります。

クリスタの3D素材の移動方法は2つです。


●マニピュレータを利用する
オブジェクトツールで3D素材をタッチしますとマニピュレータが表示され、赤・青・緑の矢印をドラッグすることでその方向に移動させることができます。

クリスタ3D素材の移動
注意

マニピュレータ中央にある円をドラッグすることでも3D素材を移動させることができるのですが、こちらは上下左右の平面移動になりますので地面に対して水平に移動させたい場合は矢印(赤・青)をドラッグしましょう。

クリスタ3D素材の平面移動


●移動マニピュレータを利用する
オブジェクトツールで3D素材をタッチしますと上部に「移動マニピュレータ」が表示されます。

クリスタ3D素材「移動マニピュレータ」


この移動マニピュレータの右側にあるオブジェクトアイコンを押さえながらドラッグすることで3D素材の操作が行えます。

クリスタ3D素材「移動マニピュレータ」(オブジェクト)
クリスタ3D素材「移動マニピュレータ」(吸着移動)
「吸着(水平)移動」の場合
MEMO

クリスタの移動マニピュレータはアイコンを押さえながらドラッグするのが基本的な操作になりますが、オブジェクトツールの設定によってはアイコンを1度選択してから透明箇所をドラッグすることで選択したアイコンの操作を行えるようにもなります。

クリスタのオブジェクトツールの設定内容!

【注意!】移動マニピュレータのカメラアイコンは触らないようにしよう…!

3D素材上部に表示される移動マニピュレータにはカメラのアイコンも並んでいます。

クリスタ3D素材「移動マニピュレータ」(カメラ)


こちらは3D素材を見え方(視点)を変更するためのアイコンなのですが、こちらを操作しますとパース定規のアイレベルも連動して動いてしまい、見え方が大きく変わってしまいます

クリスタ3D素材「移動マニピュレータ」(カメラアイコン)


キャンバス上に設置したパース定規に合うように3D素材を設置する場合はこのカメラアイコンは触らないようにしましょう。

④CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の3D素材の設置位置に関する使い方

クリスタ3D素材は「グリッド移動ハンドル」の位置に設置される!

クリスタのキャンバス上に設置した床面のグリッドを表示させたパース定規をオブジェクトツールでタッチしますと、「グリッド移動ハンドル」が表示されます。

クリスタのグリッド移動ハンドル


自分で3点透視パース定規を設置したキャンバスに3D素材を設置する場合、このグリッド移動ハンドルの位置に3D素材が設置されます。

クリスタ3D素材をドラッグ設置


逆を言えばこのグリッド移動ハンドルを(オブジェクトツールで)移動させることでで3D素材の設置位置を指定できるということになります。

クリスタのグリッド移動ハンドルと3D素材設置


設置後にオブジェクトツールで位置の調整もできるのでおおよその指定でも大丈夫ですけどね。

⑤CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の3D素材の複数設置に関する使い方

クリスタの3D素材は同じレイヤー(空間)上に複数設置できる

先述の通り、クリスタのキャンバス上に3D素材を設置した場合、レイヤーパレットに3Dレイヤーが作成されます。

クリスタの3Dレイヤー


この3Dレイヤーを選択している状態で3D素材の設置操作することで同じレイヤー(空間)上に設置することができます。

クリスタ3D素材を複数設置


3D素材の表示も既存の3D空間に合うように表示されるわけですね。

この時、ドラッグ先は「3D素材を設置する地面」にしましょう。

クリスタ3D素材のドラッグ位置
ポイント

レイヤーパレットへドラッグする方法で3D素材を設置する場合はドラッグ先の赤い表示が既存の3Dレイヤーを囲う表示になっている状態でドラッグしましょう。

クリスタの3D素材を3Dレイヤーにドラッグ


また、レイヤーパレットへドラッグする、「貼り付けアイコン」を利用する場合は前項で紹介したように「床面グリッドのハンドル」の位置に設置されます。

その位置に3D素材が既にある場合は重なって設置されますので、設置後に移動させるか、設置前にグリッド移動ハンドルの位置を移動させましょう。


しかし、キャンバス上にドラッグする方法で3D素材を設置する場合はドラッグ先に設置されます。

注意

3Dレイヤーを選択していない場合、レイヤーとレイヤーの間にドラッグした場合は新しく3Dレイヤーが作成されます。


3D素材を既存の3D空間に設置できましたら、先述の『3D素材を設置した後の編集』で紹介したように3D素材のサイズ・向き・位置を変更させていきましょう。

⑥CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)3D素材のパース定規の上書きに関する使い方

クリスタ3D素材のパース定規は上書きすることができる!

クリスタの3D素材に付属されているパース定規ですが、別のパース定規に上書きさせてそのパースに合った表示に変更させることもできます。

3D素材の設置時にパース定規に反応しなかった場合や、後から作成したパース定規に合わせたい場合などに利用できます。

クリスタ3D素材のパース定規上書き方法

まずは別のレイヤーで3点透視のパース定規を作成します。
『③CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の3D素材と別のパース定規に関する使い方』参照)

クリスタで3点透視のパース定規を作成


そしてレイヤーパレットにて定規アイコンを3Dレイヤーにドラッグしますと定規を上書きすることができます。

※[Alt(Option)]キーを押しながらドラッグすることで元のレイヤーにも定規を残す(コピー移動する)ことができます。

クリスタで定規を上書き移動


ただし、これだけではまだ3D素材の表示はかわりません。


次に3Dレイヤーを選択し、サムネイルと定規アイコンの間をタッチしてチェックマークを消してレイヤーと定規の連携をOFFにします。

クリスタ定規の連携OFF


そしてオブジェクトツールでキャンバス上のパース定規をタッチしてハンドルが表示される状態にします。

クリスタで定規をオブジェクトツールで選択


最後にこの状態で3Dレイヤーのサムネイルと定規アイコンの間をタッチして再びチェックマークを表示させて連携をONにします。

クリスタ定規の連携ON


するとキャンバス上の3D素材が上書きしたパース定規に合わせた表示に変更されます。

クリスタD素材にパース定規を反映させる

⑦CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の3D素材と「注視点」に関する使い方

クリス3D素材の「注視点」とは

クリスタのキャンバス上に設置されている3D素材はカメラで映している画面を表示しているという考え方ができます。

オブジェクトツールで3D素材をタッチした時に表示される移動マニピュレータのカメラアイコンはこの3D素材を映しているカメラを移動させるものになります。


そして「注視点」とはカメラが見ている点となります。
基本的には3D素材の中に、3D背景素材の場合は空間の中央に注視点が設定されています。

※複数の3D素材を設置している場合は最初に設置した3D素材に注視点が設定されています。

クリスタで3D背景を扱う場合は「注視点」に注意…!

クリスタの3D背景で移動マニピュレータのカメラアイコンを使用して視点を変更している際(時に拡大表示にしている時)に、途中で視点が動きにくくなるといったことが起こる時があります。

クリスタ3D背景素材を拡大する時のトラブル


これはカメラの位置が注視点までたどり着いたことが原因になります。

上記の画像ですと注視点が教室の中央にあるため、カメラからすれば最大限拡大している状態になっているわけです。

つまり、3D背景で目的の位置をしっかり映したい場合はこの注視点を映したい位置に移動させる必要があるということになります。

3D素材の注視点の変更方法

●クリスタEXの場合
クリスタEXの場合は「四面図パレット」を利用して注視点を移動させることができます。

クリスタの四面図パレット

クリスタEXで3D素材を使うなら四面図パレットを活用しよう!!


四面図パレットを開き、下部のカメラアイコンをオブジェクトツールを選択している状態でタッチしますと3D素材を映しているカメラが四面図パレット上に表示されるようになります。

クリスタ四面図パレットのカメラアイコン


さらに四面図パレット上にあるカメラをどれでもいいのでオブジェクトツールでタッチしますとカメラを動かすことができるマニピュレータが表示され、同時に注視点も表示されるようになります。

クリスタ四面図パレットで注視点表示


ここで注視点をオブジェクトツールでタッチしますと今度は注視点を動かすことができるマニピュレータが表示され、注視点の移動が可能になります。

クリスタ四面図パレットの注視点マニピュレータ


●クリスタPROの場合
四面図パレットが使えないクリスタPROの場合は3Dレイヤーの機能を利用します。

まずは素材パレットから任意の3D素材を3D背景の中の注視点にしたい位置にドラッグして設置しましょう。

クリスタ3D背景素材に3D素材を設置


そしてオブジェクトツールで設置した3D素材を選択している状態で下部のオブジェクトランチャーで「編集対象を注視」のアイコンをタッチしましょう。

※ツールプロパティもしくはサブツール詳細ウィンドウ「カメラ」カテゴリーにも「編集対象を注視」のボタンがあります。

クリスタ3D素材「編集対象を注視」


これで設置した3D素材の位置に注視点を移動させるこができ、キャンバス上でも拡大表示されます。
設置した3D素材が不要でしたら削除しましょう。

※オブジェクトツールで3D素材を選択した状態で「消去」を行えばその3D素材だけを削除することができます。

クリスタ3D素材「編集対象を注視」
MEMO

クリスタの3D素材をオブジェクトツールで選択している状態ですとサブツール詳細ウィンドウ「カメラ」カテゴリーで「注視点位置」を数値で設定することもできますが、どの数値にすればどの位置に注視点が移動するのかが分かりにくいので上記の方法の方が分かりやすいかと思います。

クリスタ3D素材「注視点位置」

注視点を移動させたら改めて3D素材を操作してみよう

3D素材(レイヤー)の注視点を移動させましたら改めて3D素材を操作してみましょう。

目的の地点をスムーズに表示できるようになっているかと思います。

先ほどの例でいえば教卓の位置に注視点を移動させることで教卓の拡大表示もできるようになります。

クリスタ3D背景素材を編集

⑧CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の3D背景素材のパーツ別編集に関する使い方

クリスタ3D背景素材は「オブジェクトリスト」でパーツを指定・編集することができる!

クリスタの3D背景素材を操作していますと、拡大表示した時に壁や置物が邪魔になって目的のものが見えなくなるといったことがあります。

クリスタ3D背景のカメラ移動時のトラブル


しかしクリスタの3D背景素材は特定のパーツを非表示にできるなどパーツごとの編集も可能なのです。

注意

パーツごとの編集が可能な3D背景素材は名前の後ろに[Ver 2]と付いているものに限ります。


クリスタの3D素材(もしくは3Dレイヤー)をオブジェクトツールで選択しますと、サブツール詳細ウィンドウ「オブジェクトリスト」カテゴリーにて選択中の3Dレイヤー内に設置されている3D素材や光源のリストが表示されています。

クリスタ3D背景素材「オブジェクトリスト」


この中で3D背景素材に関しては「>」を押すことで項目を展開することができ、そこには各パーツの名称が並んでいます。

クリスタ3D背景素材「オブジェクトリスト」展開


このオブジェクトリストで任意のパーツの左側にある目のマークをタッチして消しますとキャンバス上の3D背景素材でもそのパーツが非表示になります。

クリスタ3D背景素材「オブジェクトリスト」(非表示)


また、オブジェクトリストで任意のパーツを選択しますと、キャンバス上に表示されている3D背景素材でもそのパーツが赤く選択された状態になり、マニピュレータが表示されます。

クリスタ3D背景素材「オブジェクトリスト」(マニピュレータ)


このマニピュレータをオブジェクトツールで操作しますと回転や移動といった操作ができるようになります。

クリスタ3D背景素材「オブジェクトリスト」(マニピュレータ)
MEMO

教室の3D背景の場合は現代風の机と木製の机で表示を切り替えることもできます。

クリスタ3D背景素材「オブジェクトリスト」(教室)

【追記】アップデートで追加されたその他の3D機能

クリスタは定期的にアップデートが行われ、3D機能もどんどん追加されています。

詳しくはこちらからどうぞ。

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)3D素材は難しいが便利な機能もたくさんある!

以上が2022年8月現在私が把握している意外と知らないクリスタ3D素材の使い方になります。

まだまだ3D背景素材に関しては操作が難しいところはありますが通常の3D素材でしたら今回紹介した使い方・仕様を利用することでより3D素材を扱いやすくなるかと思います◎

また新しい3D素材の使い方・仕様を確認できましたら更新していきたいと思います!


それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!


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