漫画は楽しい!アイレベルでキャラや背景の配置を決めよう!with クリスタ

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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。

今回は漫画を描く際、キャラクターや背景の配置を考える時に必要となってくる「アイレベル」について私が知っている知識を述べていきたいと思います。

私が知っている範囲ですのでそんな専門的な話ではないですよ。ちょっとした知識。でもそれだけで漫画作業も楽しくなるはずです!

それでは宜しくお願いします!( `・∀・´)ノ


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漫画における「アイレベル」とは

これから述べるアイレベルとは漫画を描く上で目安とするものです。

大事なのはあくまで「目安」ということ。もちろん本来は製図などで正しく線を測り書く方法が基になってますが、漫画においては正確性は求めなくていい、読者が楽しめる漫画、コマが描ければそれでOK!!というのが私の考えです。

では述べていきましょう!

アイレベルの考え方

アイレベル
【various sun】第1笑より


上記の画像に、水平に引かれている線が見えると思います。これが「アイレベル」と呼ばれる線です。しかし完成した絵、原稿にはこの「アイレベル」はありません。これは下描きの工程で、キャラや背景の配置を決める目安にする為に引く線なのです。ではこの「アイレベル」とはどういったものなのか。

「アイレベル」とはいわゆる「目線の高さ」です。しかし、キャラの目線ではありません。これには色々な表現があると思いますが、ここではコマを映しているカメラの目線の高さと表現します。

アイレベル


漫画というのは静止画です。つまり1コマ1コマは、キャラが動いている中の一部分をカメラで切り取った画像といえます。そのカメラの高さと考えて下さい。カメラの位置が高ければ上から見たような画面(コマ)になりますし、低ければ下から覗いたような画面(コマ)になります。


また、高さが同じでもカメラの向きが上向きだとアイレベルはコマ内において低くなり

アイレベル


カメラの向きが下向きだとアイレベルはコマ内において高くなります。

アイレベル

アイレベルの決め方

アイレベルはカメラの目線の高さと述べました。それはつまり読者の目線となるものです。その為、アイレベルの位置にそのコマで一番見せたい、伝えたい絵を持ってくるのが基本的な考え方といえます。

そしてアイレベルはコマの中の空間における「水平」に置くというのが基本となります。

MEMO

↓コマの中の空間で水平が傾いて描かれていればアイレベルも同じように傾きます。

アイレベル(傾き)


以下にアイレベルの高さ別に具体例を下に記します。ですがこれはあくまで一般的な考え方で、必ずこれに従う必要はありません。


●アイレベル:中央

アイレベル
【various sun】第1笑より

↑会話などの普通のシーンで使われます。基本的で、一番使われる高さといえるでしょう。


●アイレベル:高め

アイレベル(高め)
【various sun】第1笑より

↑周りの状況を伝えたい場面などで使われます。上からの目線となるので広い視野となり、情報を多く載せることができます。


●アイレベル:低め

アイレベル(低め)

↑印象的なシーン、迫力を出すシーンで使われることが多いです。

漫画制作時のアイレベルのルールは1つだけ

アイレベルの位置が決まればそれを基準にキャラや背景を配置していきましょう。アイレベルのルールが分かれば絵の配置も分かりやすくなります。そのルールはたった1つです。

アイレベル上のものは同じ高さである

はい、これだけです。絵で説明していきましょう。

人物(大人)を一人描きます。アイレベルを腰の高さに置くとします。

アイレベル


このような場合、この人物と同じ背丈の人物を後方に描こうが前方に描こうがアイレベル上に腰がくるのです。

アイレベル


大人の腰あたりに頭の位置がくる背丈の子供を描くとしたらこのコマのどこに置くにいてもアイレベル上に頭がくることになります。

アイレベル


後方に木を描くとしたらアイレベル上にくるのはほとんどの場合、幹の部分になるでしょう。

アイレベル


もし葉の部分をアイレベル上に描いてしまったらこの木はかなり低い木ということになりますね。

アイレベル


家を描くならアイレベル上にくるのは人の腰の高さの部分。ドアがあるならドアノブあたりですかね。小窓ならアイレベルよりは高い位置にあるのが一般的でしょうか。縦に長い窓ならアイレベルより低い所に窓の下部分があってもおかしくありませんね。

アイレベル


アイレベルが頭にある場合も同じようにアイレベルを目安に考えます。

アイレベル


このようにアイレベルが決まれば描いていく絵の位置の目安ができるのでコマの中の配置を決めやすくなるのです。

アイレベルの派生ルール

先程の項目でアイレベル上には同じ高さのものがくると述べました。ここから派生させると、

アイレベルより高い位置のものは見上げる構図。低い位置のものは見下ろす構図。

ということになります。

例として一つの箱を用意します。

アイレベル

この箱がアイレベル上にあれば箱の正面しか見えません。


この箱がアイレベルより上にあると、コマを映すカメラはこの箱を見上げるかたちになるのです。つまり、箱の正面と箱の底面がカメラに映ります。

アイレベル

この箱がアイレベルより下にあると、コマを映すカメラはこの箱を見下ろすかたちになり、箱の正面と上面がカメラに映るのです。

アイレベル


また、アイレベルから離れる程、見えてなかった部分が見えるようになり、アイレベルからの距離が長くなる程その見えてくる部分の面積が大きくなります。

アイレベル


これらは自分の視界で確認すると分かりやすいですね。顔を正面にして目線を上下してみて下さい。上記の説明のように周りのものが見えるはずです。

絵を描いてからアイレベルを決める方法

先程アイレベルからキャラや背景の配置を決めると述べましたが、その逆のキャラや背景を描いてからアイレベルを決める方法もあるのです。

条件はアイレベルを決めるキャラや背景などの対象を二つ以上描くこと。

例えば下の絵のような構図の二人のキャラを考え、描いたとします。そこに背景や周りの人物を描きたい時にここからアイレベルを決めるのです。

アイレベル


ではどう決めるのか。ここでアイレベルのルールを確認します。「アイレベル上のものは同じ高さである」でしたね。

つまり、この二人のキャラの中で水平方向に対して高さが同じ箇所を見つけるのです。

例の絵でいうと…

アイレベル

↑だいたいこの辺ですね。「だいたい」で大丈夫です。目安ですから。

この線がそのままアイレベルとなるのです。あとはこのアイレベルを目安に背景などを描き足していきましょう。

アイレベル

アイレベルは一人のキャラをだけ描く時も目安として使える

先程の説明で1コマ内に複数の人物や背景を描く場合にアイレベルを目安にしてましたが、1コマ内にキャラクターを一人だけ描く場合もアイレベルは役に立つのです。

例として一人の人物の全身を描くとしましょう。

アイレベル


アイレベルを太ももの位置に置くとします。つまりこのコマを映しているカメラはこの人物の太ももの高さに設置してあるということになります。

ということは、

太ももより上は見上げる。

太ももより下は見下ろす。

ということになりますね。

ではこれが人物を描く上でどう目安になるかというのを部分別に説明していきましょう。


●ブーツ
ブーツはアイレベルより下にある、見下ろすものです。
↓つまりブーツの口はこのように見えるということになりますね。

アイレベル


●ベルト
ベルトはアイレベルより少し上にあります。
↓つまりこのような向きの緩やかな曲線になります。

アイレベル

※ただしこれはベルトを水平に着用している場合です。緩めにダルンと垂れ下がっているように着用していれば下方に弧を描く曲線にもなり得ることがあります。


●袖口
袖口はアイレベルよりだいぶ上にあります。
↓つまり服の袖口はこのような向きになり曲線もベルトより大きくなります。

アイレベル

※袖口は腕の向きによっては曲線が逆になったりします。あくまで真っ直ぐ下ろしている状態の場合ですね。


↓もしズボンがボーダー柄なら、曲線の向きの境目がアイレベルということになります。

アイレベル


このようにアイレベルは配置以外にも人物の描き方の目安にもなるのです。

アイレベルはコマ枠外に置くこともある

↓まずはこちらの絵をご覧下さい。

アイレベル


こちらは足元にある箱を描いたものです。この箱にもアイレベルはあります。ではどこにあるのかというと

↓こちらです。

アイレベル


アイレベルがコマの外にありますね。描く絵の構図によっては当然こういうこともあるわけです。

カメラの考え方で説明すると「高さが人物の太もも、向きが下方で映したコマ」ということになりますね。

↓同様にアイレベルがコマより下の場合もあります。

アイレベル


この場合は「高さが地面、向きが上方」ですね。

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)でアイレベルを利用してみよう

漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINTを使い、漫画や絵をデジタルで制作することで「アイレベル」を利用した絵もとても便利に描くことができるようになりますよ!

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クリスタでアイレベル用の下描きレイヤーを用意すれば作業も楽

クリスタでアイレベルを利用する場合は下描きレイヤーにアイレベルを描くといいでしょう。また、キャラを描く下描きレイヤーとアイレベル用のレイヤーも分けると誤って消してしまうこともないですしアイレベルの高さを微調整するのにも便利です。

クリスタの下描きレイヤーにアイレベルを描く
クリスタ:(アイレベル)

クリスタで絵を描く!下描きレイヤーを使えば効率が上がる!!


クリスタでは直線ツールで[Shiftキー]を押しながら線を引くと水平に描くことができるのでそちらも活用しましょう◎

クリ歌の直線ツール

iPadクリスタでキー操作、右クリックはできます!!

クリスタのパース定規でもアイレベルを使う

クリスタにはパースを利用した描画が簡単にできるようにパース定規というものがあります。

クリスタのパース定規で背景を楽に効率的に制作できます!!


このパース定規を作成した際、水平方向に線が一本入ります。これがアイレベルです。

クリスタのパース定規


このパース定規の設定や微調整は「オブジェクトツール」でパース定規を選択することでできるようになります。アイレベルも移動可能です。


アイレベルの位置が確定しましたらツールプロパティにある「アイレベルを固定」のところにチェックを入れるとパース定規の他の線(ガイド)を動かしてもアイレベルは動かないようになります。

アイレベルを固定したらあとはパース定規を利用して背景を描いていきましょう。

クリスタのパース定規で背景制作


クリスタのパース定規は先述のコマ枠外にアイレベルを置く場合、もっと言えば原稿用紙の外にアイレベルを置く場合でも不便なく使えるというのがアナログにはない強みと言えるでしょう。

クリスタ:パース定規


個人的にはこれが凄い便利です!

これをアナログでやろうと思えばそれだけの大きさの作業台と、とっっても長い定規が必要となってきますからね。

漫画制作で利用する「アイレベル」の紹介まとめ

「アイレベル」は今回紹介したように、ルールが1つだけですので決して難しいものではありません。

むしろ漫画制作においてとても役に立つものですのでどんどん利用しましょう◎

この記事で少しでもアイレベルを利用した作業がやりやすくなれば幸いです

それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!


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