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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
2021年12月14日にイラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)がVer.1.11.6にアップデートされました。
これにより、CLIP STUDIO PAINTに「天球」という素材が新しく追加されました。
今回はこの「天球」の使い方と注意点を紹介させていただきますのでよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!
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CLIP STUDIO PAINT EXCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の「天球」とは
クリスタの新機能「天球」とは、以下のような画像をキャンバスに貼り付けることで360度の背景を表現できる素材です。
天球素材自体は歪んだ画像ですが、クリスタ内で「天球」として貼り付けることでお好みの視点での背景を設置することができるようになります。
クリスタEX・PRO・DEBUT、スマホ版でも利用できる!
クリスタ新機能「天球」は標準機能であり、クリスタEXはもちろん、下位グレードのクリスタPROや簡易版のクリスタDEBUTでも使用することができます。
クリスタDEBUTのできる・できない機能全て紹介!-製品版との違い-
また、スマートフォン版クリスタでも使用することができますよ。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の天球素材の作り方
クリスタの天球素材を利用する(自分では作らない)
クリスタには初期状態でも素材パレットの中に4種類の天球素材が用意されています。
また、クリスタの天球素材はCLIP STUDIO ASSETSからダウンロードして増やすこともできます。(有償・無償あり)
クリスタの素材ダウンロード方法は以下の記事を参考にしていただければと思います。
【クリスタ】無料素材でもこんなに便利!ダウンロード方法と使い方を紹介します!
360度写真を撮れるカメラで天球用画像を撮影する
最近では「GoPro」など、360度の範囲を撮影できるカメラも多くあります。
こういったカメラで撮影した画像を「エクイレクタングラー(正距円筒)形式」というのですが、この形式の画像をクリスタに天球として読み込むことができます。
自分で天球用イラストを作成する
知識や技術は必要ですが、クリスタの天球用として自分で作成することもできなくはありません。
その場合は「パノラマグリッド」という天球用のテンプレートを基にエクイレクタングラー形式のような絵を制作します。
自分で天球画像を作成できれば、アニメーション制作で場面ごとに背景を切り替えるなど1枚で使い回しができますね◎
ちなみに、天球のデータはCLIP STUDIO PAINT形式のままでも読み込むことができますので書き出しをしなくても大丈夫ですよ。
イラストの場合は普通に背景を作成した方が早い…?
上記のように、パノラマグリッドを基に天球画像を自身で作成することもできるのですが、イラストなどの静止画の背景を制作するのであれば、わざわざ天球用の歪んだ背景を制作するより素直に背景を描いた方が早いですよね。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)での「天球」素材の使い方!
困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!
「天球」素材をクリスタのキャンバスに設置する方法!
まず先にクリスタでキャンバスを新規作成しておきましょう。
クリスタの素材パレットから設置する方法
クリスタでキャンバスを作成しましたら、素材パレット[3D(天球)]を開き、任意の天球素材を1回タッチして選択状態にしましょう。
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「ウィンドウ」→「素材」→「素材[3D]」と選択する、
もしくはCLIP STUDIO PAINT画面右端から「素材[3D]」のアイコンを選択することで開くことができます。
※素材ウィンドウ・アイコンの並びは人によって異なります。
↓
「素材[3D]」の項目がない場合はどれでもいいので選択して素材パレットを開き、左上にて「3D」を選択しましょう。
また、
素材パレットの左上の「3D」の項目内にて「天球」を選択しますと「天球」のみを素材一覧に表示させることができるようになります。
素材パレットにて天球素材を選択状態にしましたら、以下の3つの方法でキャンバス上に設置することができます。
①素材パレットからキャンバスにドラッグする
素材パレットの一覧にある「天球」からキャンバスにドラッグすることで設置することができます。
すでに「天球」が設置されているキャンバスに別の「天球」をドラッグしますと上書きされます。
ただし「3D素材レイヤー」を選択していない状態でキャンバスにドラッグしますと、別の3Dレイヤーが新しく作成されます。3D素材レイヤーが分かれますと別の空間になってしまい、繋がりがなくなってしまいますので注意しましょう。
②素材パレットからレイヤーパレットにドラッグする
素材パレットの一覧にある「天球」からレイヤーパレットにドラッグすることで設置することができます。
※ドラッグ先はレイヤー間に赤いマークが表示されます。
すでに「天球」が設置されている場合、「天球」を表示しているレイヤー(3Dレイヤー)に重なるようにドラッグしますと新しい「天球」に入れ替わります。
すでに「天球」が設置されている状態でレイヤーの間にドラッグしますと、別の3Dレイヤーが新しく作成されます。3D素材レイヤーが分かれますと別の空間になってしまい、繋がりがなくなってしまいますので注意しましょう。
③「キャンバスに貼り付け」のアイコンをタッチする
素材パレット下部にある「キャンバスに貼り付け」のアイコンを押すことで選択中の「球体」をキャンバスに設置することができます。
すでに「天球」が設置されているキャンバスに別の「天球」を貼り付けますと上書きされます。
ただし3D素材レイヤーを選択していない時に貼り付けをしますと、別の3Dレイヤーが新しく作成されます。3D素材レイヤーが分かれますと別の空間になってしまい、繋がりがなくなってしまいますので注意しましょう。
3Dレイヤーのメニューから天球を設置する
クリスタにて3Dレイヤーを新規作成する、もしくは別の3D素材を設置している場合、3Dレイヤーを選択中にオブジェクトツールを使用しますとツールプロパティ・サブツール詳細ウィンドウにて「天球」という項目を見つけることができます。
ここでクリスタを使用しているデバイスに保存されている画像データを天球として設置したい場合は「ファイル」を、クリスタ内に保存されている天球素材を設置したい場合は「素材」をタッチして天球画像を選択します。
すでに天球が設置されている場合に新しい画像を選択しますと上書きされます。
クリスタ「天球」の操作方法
クリスタの天球は、天球を表示している3Dレイヤーを選択している状態でオブジェクトツールを使用して操作します。
※天球を設置した直後は自動的にオブジェクトツールに切り替わっています。
天球の移動
オブジェクトツールで天球部分をドラッグすることで天球の表示位置を移動させることができます。
※キャンバス外の部分をドラッグしても移動が可能です。
天球の拡大・縮小
クリスタの天球を拡大・縮小したい場合は「パース」の数値を変更します。
「パース」の数値が小さくなる=拡大、数値が大きくなる=縮小となります。
※マウスホイール操作でも「パース」の数値の変更が可能です。
天球の編集表示設定
ツールプロパティもしくはサブツール詳細ウィンドウ「環境」にて「編集表示設定」の項目を「高速」から「通常」に変更することでキャンバス外の天球を非表示にしたり、レイヤーパレットにて不透明度を反映させることができるようになります。
※初期設定では「高速」になっています。
ただし、「編集表示設定」の項目を「通常」にしますと動作が少し重くなりますので、よりスムーズに操作したい場合は「高速」に設定しましょう。
天球の削除
クリスタのツールプロパティもしくはサブツール詳細ウィンドウの「天球」の項目にて「削除」をタッチしますとキャンバス上に設置している天球を削除することができます。
※他の3D素材は削除されません。
クリスタVer.1.12.7から追加された天球の機能・項目
2022年9月28日にクリスタがVer.1.12.7にバージョンアップされたことにより、天球にもいくつか機能が追加されました。
読み込んだ天球の再読み込み
こちらは「ファイル」を選択してデバイス内の画像から天球画像を設置した場合に利用できる機能です。
元となった天球画像を編集した場合、「再読み込み」を押すことでその編集内容を貼り付けている天球にも反映させることができます。
「魚眼パース」
「0」~「100」まで入力することができます。
「0」が基準値になります。
数値が大きくなるほど魚眼レンズで見たような表示になります。
これにより視野角も広くなり、「100」では約2倍の視野角になります。
表示範囲を広げる設定として先述の「パース」を利用する方法もありますが、画像で分かるように「パース」では魚眼のゆがみが生じません。
展開図の書き出し
天球の設定に追加された「展開図」の項目にある「書き出し」を選択し、保存先とファイル名を決めて「保存」を選択しますと現在表示している天球を書き出しすることができます。
書き出しされるデータはCLIP STUDIO PAINT形式で、開きますと以下のようなレイヤー構成になっています。
ちなみにクリスタに入っている天球素材を書き出ししたところ、幅:7296 px、高さ:3648 px、解像度:72 dpiとなっておりました。
「天球用パノラマ書き出し」
こちらは天球ではなく、3D素材をキャンバス上に設置している場合に利用する項目になります。
この時、同じ3Dレイヤー上であれば複数の3D素材が設置してあっても大丈夫です。
キャンバス上に背景やキャラクターなどの3D素材を設置している状態で「天球用パノラマ書き出し」を選択し、保存先とファイル名を決めて「保存」と選択することで3D素材を天球用データとして書き出しすることができます。
書き出ししたデータはCLIP STUDIO PAINT形式で、こちらを開くとちゃんと天球で使える形に変換されているのが分かります。
また、背景用の3D素材だけでなく設置した他の3D素材もちゃんと映っています。
このデータを「ファイル」から選択することで天球として設置することができるようになります。
天球として設置した後は各設定を行って調整しましょう。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の「天球」を使用する上での注意点…!
「天球」自体は3Dではなく画像
クリスタの「天球」は3D素材として扱われていますが、天球自体は画像(絵)です。
そのため、例えば背景の机を別の角度で表示したいと思ってもできません。あくまで天球内での視点の変更ということになります。
「天球用パノラマ書き出し」でクリスタの3D素材から書き出しした天球データも書き出し時のカメラ位置からの視点となっております。
クリスタで「天球」を設置した後は「カメラ」の設定を行おう!
クリスタでキャンバス上に天球と3D素材を設置してそのまま操作を行ってしまうと、大きさのバランスが悪かったり、天球を移動させるたびに3D素材と天球の位置関係がずれてくるといった現象が起こります。
以下の画像の場合、テーブルに対して3Dデッサン人形が小さすぎますし、天球の視点を移動しますとテーブル上にいた3Dデッサン人形が椅子の位置までずれてしまっています。
この現象を回避するために、天球を設置した後はサブツール詳細ウィンドウ「カメラ」にて「カメラ位置」「注視点位置」の数値を変更する必要があります。
天球設置後にしておくべき「カメラ」設定
「カメラ位置」「注視点位置」の「X」と「Z」を「0」に、
「Y」は天球を映したカメラの高さを入力しましょう。
この時の単位は「cm」となります。
カメラの高さは各天球画像によって数値が異なります。
ちなみにクリスタに元々入っている天球素材の高さ(Y値)は「130(cm)」です。
自分で360度カメラを使って撮影した画像でしたらその時のカメラの高さを、ダウンロードなどで入手した画像でしたらその画像がどの高さで撮影されたものかをご確認ください。
この設定を最初に行っておくことで天球と他の3D素材の大きさのバランスもよくなり、天球を移動させたとしても3D素材が設置位置からずれることもなくなります。
以下の画像の場合、テーブルに対する3Dデッサン人形の大きさも合っていますし、天球の視点を移動してもテーブルの横に立っている位置から3Dデッサン人形がずれていません。
このことはクリスタの公式ページにも記載があります。
クリスタで天球素材を使う時は視点の高さは変更しない方がよい
クリスタの3D素材は設置することで様々な視点からの見え方を確認することができるのが1つの利点でしたが、天球を利用する場合は高さに指定があるため、高い位置や低い位置からの視点といった高さの変更は上記のように大きさのバランスが崩れてしまうため適切ではないと言えるでしょう。ご了承ください。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の「天球」で3D空間を楽しもう!
クリスタの3Dデッサン人形や3Dプリミティブで立体空間に人物や物体を設置することができますが、さらに今回紹介した「天球」によって背景も設置することができるようになります。
※3Dプリミティブを建物などの背景物として使用することもできますが。
イラスト・漫画の参考資料としてや、3D空間を画像としてそのまま作品として扱うこともできますし、先述のようにアニメーション制作において1枚の天球画像で複数のシーンの背景として利用することもできますね◎
デジタルならではの機能ですので興味のある方がぜひ試してみてください!
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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