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皆さん本日も閲覧ありがとうございます。。山本電卓と申します。
今回はイラスト・漫画制作ソフトのCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)における「ベクターレイヤー」を使用してて自分が便利だと思った機能・使い方を紹介していこうと思います。
イラストや漫画制作においてアナログよりかなり効率が良くなるのでぜひ知っていただければと思います。
ではよろしくお願いいたします( `・∀・´)ノ!
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CLIP STUDIO PAINT EX目次
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の特徴「ベクターレイヤー」とは?
クリスタの「ベクターレイヤー」とは「レイヤー」の種類の一つです。
では「レイヤー」とは何かと言いますと、透明な紙をイメージしていただければいいかなと思います。
デジタルではこのレイヤーに絵を描いてきます。そしてこのレイヤーが何枚も重なって1枚の原稿やイラストが成り立っています。
↑この図のように絵をレイヤーごとに分けて描くことで描画や修正がやりやすくなります。
そのレイヤーにも種類によって特徴・機能があり、その1つが「ベクターレイヤー」というわけです。
この「ベクターレイヤー」が絵、もっと細かく言えば線画を描く上でとても便利な機能を持っているのです。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の「ベクターレイヤー」でできること!
クリスタの「ベクターレイヤー」は絵を描く上でかなり便利な機能を持っています。
「ベクターレイヤー」上で描く線はただの塗りつぶした線ではなく、1本1本が情報を持ったデータの線となっています。この情報がある為、後から修正や変更などが簡単にできるわけです。
その特徴から、「ベクターレイヤー」は線画を描く際に使用するのに適しています。
ではどんな作業で便利かを紹介していきましょう。
困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!
クリスタのベクターレイヤは「はみ出した線」を一瞬で消せる!
絵を描いていて何回でも遭遇するのが線のはみ出しです。
アナログですとはみ出した部分を修正液で消す必要があり、その時に必要な線まで消してしまい、改めて線を描き直すと修正液の凹凸で線画ゆがみまた消して…という苦痛の繰り返しは絵を描く方なら必ずといっていいほど経験していると思います。
しかし、はみ出しをしないように描けば今度は線に勢いが生まれません。
これがクリスタの「ベクターレイヤー」で描いた線なら一発ではみ出した部分のみを消すことができるのです!!
先程の線画をクリスタのベクターレイヤーで描いたとしましょう。
↓髪の毛はやはり勢いよく描かないとキレイに見えません。しかしそうするとどうしても線もはみ出しが…
ここでクリスタの「消しゴムツール」を使用し、はみ出した線のどこでもいいので消しゴムツールのポインターを当てると…
このようにクリスタのベクターレイヤーに描いた線は一発で線の交点まで消すことができるのです!
また、複数の線を同時に消しゴムツールで当てれば当てた線全てが交点まで消えます。
ですのでクリスタのベクターレイヤーで線画を描くのなら、はみ出しなど気にせずドンドン勢いのある線を描くことができます。
ただし、線を何本も重ねて描く方もいると思います。その場合はいくらベクターレイヤーでも1回「消しゴムツール」を当てただけでは完全に消せない場合があります。
何重にも線が重なっているのでこれは仕方ありません。何回か「消しゴムツール」を当てて消すか、後述の設定を変更し、再度「消しゴムツール」を使用しましょう。
こういった場合は少々面倒かもしれませんが、アナログよりかは断然楽だと思いますよ◎
※必要な線でも消しゴムツールが当たれば交点まで消えてしまうので注意しましょう。デジタルですので「取り消し」を行えばすぐ元に戻せますが。
クリスタのベクターレイヤーではみ出した線を一瞬で消すには設定が必要
クリスタで上記の作業を行うには「ベクターレイヤー」で描くということの他に、「消しゴムツール」でも設定が必要になります。
とはいえ難しいことではありません。チェックを入れる入れない程度のものです。
クリスタの「消しゴムツール」を選択している状態で「ツールプロパティ」を見て下さい。
必要な設定は2つです。
●「ベクター消去」にチェックが入っていること
●「交点まで」のアイコンが選択されていること
この2つの設定ができていればOKです。
逆に「消しゴムツール」の触れた部分のみ消したい場合は「ベクター消去」のチェックを外せばいいのです。
合わせてこちらの記事もどうぞ!
クリスタのベクターレイヤーは線1本単位で修正ができる!
クリスタのベクターレイヤーに描いた線を「オブジェクトツール」でタッチしますとガイド線が表示され、「1本」と認識されるまでの線が選択された状態になります。
(2回に分けて描かれた線でもピッタリ繋がっていれば「1本」の線と認識される場合があります)
この選択状態にすると線1本単位での修正が可能になります。
もし複数の線を修正したい場合は[Shift]を押しながら「オブジェクトツール」でタッチすることで複数の線の選択が可能です。
ベクターレイヤー線の消去
クリスタのベクタレイヤー線をオブジェクトツールで選択した状態で[Delete]や[Back space]キー、もしくはCLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「消去」と選択することで選択した線を消すことができます。
上記の「消しゴムツール」では線の交点まで消すことができましたが、この方法では線1本分を消すことができます。
ベクターレイヤー線の移動
クリスタのベクターレイヤー線をオブジェクトツールで選択した状態でかつツールプロパティの「変形方法」が「制御点の移動」以外を選択している場合、表示されたガイドにポインターを近付けるとポインターが「移動ツール」のポインターに変わります。
この状態でドラッグすると選択しているベクターレイヤー線を移動させることができます。
※選択状態で十字キー操作をすることでも線を移動させることができます。
ベクターレイヤー線の変形
クリスタのベクターレイヤー線をオブジェクトツールで選択した状態にすると、「ツールプロパティ」の「変形方法」で選択した変形が可能になります。
ベクターレイヤー線の変形方法の種類
※下記の項目が複数の組み合わせになって表示されているものはその表示されている変形方法全てを行うことができます。
●制御点の移動
クリスタのベクターレイヤー線をオブジェクトツールで選択すると線上に「制御点」がいくつも表示されるようになります。
この「制御点」をドラッグすることで線を変形させることができます。
あまり触り過ぎると変形前より変になってしまいますので微調整程度がいいかなと個人的には思います。
●拡大・縮小
クリスタのベクターレイヤー線をオブジェクトツールで選択することで表示されるガイドの丸い点をドラッグすると線の拡大・縮小ができます。
・変形の支点はドラッグする丸い点の反対側にある点になります。
・そのままドラッグすると縦横比は固定されず、縦長/横長など自由に変形できます。
・[Shift]を押しながらドラッグすると元の線の比率を維持したまま拡大・縮小します。
●回転
クリスタのベクターレイヤー線をオブジェクトツールで選択することで表示されるガイド線にポインターをもっていけば曲線矢印の表示になり、その状態でドラッグすることで線を回転させることもできます。
・[Shift]を押しながら回転させると45度ずつの回転になります。
また、この「回転」は「変形方法」の「制御点の移動」「拡大・縮小」以外を選択している場合でしたらいつでも行うことができます。
●自由変形
クリスタのベクターレイヤー線をオブジェクトツールで選択することで表示されるガイドの丸い点を単独でドラッグすることができ、自由な変形が可能になります。
●ゆがみ
クリスタのベクターレイヤー線をオブジェクトツールで選択することで表示されるガイドの丸い点を「繋がっているガイド線の方向」にドラッグさせゆがんだ変形をさせることができます。
角の丸い点でしたら2方向のガイド線がありますので2方向にゆがみ変形ができます。
●平行ゆがみ
クリスタのベクターレイヤー線をオブジェクトツールで選択することで表示されるガイドの丸い点をドラッグさせて変形させることができるのですが、そのドラッグする方向はガイド線と並行となる方向のみになります。
上記の「ゆがみ」とは違い、角の丸い点を単独で移動させることはできません。
その為、ガイド線の長さはドラッグしても変わらず、対となる角の丸い点も同じように移動します。
●遠近ゆがみ
クリスタのベクターレイヤー線をオブジェクトツールで選択することで表示されるガイドの丸い点、主に四隅の点をドラッグすることで遠近法(パース)を使用した形に近い変形させることができます。
この時、ドラッグした側の線も細くなります。
ガイド線上の点をドラッグすると「平行ゆがみ」と同じ変形になります。
※画像のように奥行を考慮した変形ではありませんので完全なパース変形となるわけではありません。
ベクターレイヤー線の太さを変更
クリスタのベクターレイヤー線をオブジェクトツールで選択した状態でツールプロパティにある「ブラシサイズ」の数値を変更することで線を任意の太さに変更することができます。
こちらは、線に筆圧や入り抜きがある場合もちゃんと考慮してブラシサイズを変更してくれますよ◎
ベクターレイヤー線の色を変更
クリスタのベクターレイヤー線をオブジェクトツールで選択した状態で「カラーパレット」の色を選択・変更することで線の色をその色に変更させることができます。
カラーを選択できるパレットでしたらどのパレットでも変更が可能です。
ベクターレイヤー線のコピー・貼り付け
クリスタのベクターレイヤー線をオブジェクトツールで選択した状態で、
[Ctrl(command)]+[C]
を押すことで線自体のコピーを、
[Ctrl(command)]+[V]
を押すことで線自体の貼り付けをすることがができます。
※CLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「コピー」or「貼り付け」と選択することでも同じ作業を行えます。
この方法でのコピー・貼り付けはポインターの位置にペーストするのではなく線の上に重なって貼り付けされます。ですので「オブジェクトツール」で移動させると…↓
このように同じ線が2本存在していることが分かります。
ベクターレイヤー線の切り取り・貼り付け
クリスタのベクターレイヤー線をオブジェクトツールで選択した状態で、
[Ctrl(command)]+[X]
を押すことで線自体の切り取りを、
[Ctrl(command)]+[V]
を押すことで線自体の貼り付けをすることができます。
※CLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「切り取り」or「貼り付け」と選択することでも同じ作業を行えます。
この「貼り付け」は前項目のコピー・貼り付けと同様、同じ位置に貼り付けされます。
ではこれをやる意味がないのではないかと思われるかもしれませんが、意味はちゃんとあります!
違う色で描画すると分かりやすいのですが、線は後から描いた方が上になります。
これを「切り取り」「貼り付け」を行うことでベクターレイヤー線の前後を入れ替えることができるのです!
表現方法としては大きく変わりますよね。
クリスタのベクターレイヤーは元の線の太さから算出した修正ができる!
先述で紹介したベクターレイヤー線の太さ変更は、元のベクターレイヤー線がどんな太さでも任意の太さに変更するというものでしたが、元の線の太さから少し太くする・細くするといった修正もできます!
クリスタの線修正ツールを選び、サブツールウィンドウから「線幅修正」を選択しますと、ツールプロパティもしくはサブツール詳細ウィンドウで選択した(●を入れた)項目に合った修正が行えます。
また、ツールプロパティもしくはサブツール詳細ウィンドウの「線全体に処理」にチェックを入れていると「線修正ツール」で触れた線全体に、チェックを外していると触れた部分のみに修正が適応されます。
各項目を選択すると項目名の横に数値の入力欄が表示され、ここで数値の設定ができます。
そしてこの「線幅修正ツール」で線に触れるたびにその部分の線の幅が設定通りに変更されます。何回も触れれば触れる程、変更されていきますので好みの太さになるまで繰り返し触れてみましょう。
また、「線幅修正ツール」での修正は触れた線全てに適応されますので、『髪の毛の線全体を修正したい』など複数の線に対しても同時に修正ができるのが便利な点です!
※ツールプロパティの「ブラシサイズ」は「線幅修正ツール」自体のカーソルサイズになります。
詳しくは以下の記事を参考にしていただければなと思います。
ベクターレイヤーはCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)「PRO」「EX」どちらでも利用可能!
今回紹介したクリスタのベクターレイヤーの便利な機能はクリスタ EXはもちろん、少しお安いクリスタ PROでも利用できますよ◎
CLIP STUDIO PAINTダウンロード版のご購入は以下のリンクから行うことができます。
CLIP STUDIO PAINT PRO
CLIP STUDIO PAINT EX
参考記事:クリスタPROとEXの機能の違い全29項目を紹介します!!
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)「ベクターレイヤー」の強い所!
クリスタのベクターレイヤーは線画の劣化・ぼやけがない!
クリスタのベクターレイヤーの便利な機能で線の変形やコピー・ペーストがありました。
そして補足説明で「選択範囲ツール」を使った方法も描きましたが、この「選択範囲ツール」を使った方法でしたら他のレイヤーでも可能なのです。
しかし、他のレイヤーで変形やコピー・ペーストを繰り返すと、線自体がぼやけてくるのです。しかし、
クリスタのベクターレイヤーではそういった劣化やぼやけが起きません!
↓試しに1本の線を「範囲ツール」を使った方法で拡大変形させてみましょう。
結果は歴然です。
ベクターレイヤー線は何回変形や修正を行おうとキレイな線のままです。これがクリスタの「ベクターレイヤー」の強さなのです!
ぼやけは輪郭をなめらかにするので決してダメなことではありませんが、印刷目的のモノクロ漫画(イラスト)ですと線がくっきりしていた方がキレイですしアナログ原稿の表示に近くなります。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のベクターレイヤーができないこと…!
これまで個人的に便利だと思ったクリスタのベクターレイヤーの機能を紹介し、「線画」を描く上ではとても役に立つと言ってきたのですが、このベクターレイヤーにはできないこともあるのです。
クリスタのベクターレイヤーは「塗りつぶし」ができない…!
クリスタのベクターレイヤー上で「塗りつぶしツール」を使用しようとすると…
このようにカーソルが使用不可の表示に変わり使用できません。
線には強い「ベクターレイヤー」ですが、特化し過ぎて面の編集には弱いようです。
ですので塗りつぶしやベタ塗りは「ラスターレイヤー」で行いましょう。
「ラスターレイヤー」とはいわゆる普通のレイヤーと思っていただいていいかなと。無料の描画ソフトなどと同じような描画ができるレイヤー、「ベクターレイヤー」の機能が使えないレイヤーですね。
つまりクリスタで制作する場合、線画は「ベクターレイヤー」、ベタ塗り・色塗りは「ラスターレイヤー」で行うが一般的な使い方といえるでしょう。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)でベクターレイヤーを作成する方法
クリスタのベクターレイヤーはCLIP STUDIO PAINTを起動し、キャンバスを新規作成した段階ではまだ作成されていません。
自分で新たに新規レイヤーとして作成する必要があります。
その作成方法は基本的には3種類ありますので順に説明していきます。どの出し方でも同じ「ベクターレイヤー」が作成されますのでやりやすい方法で出して下さい。
ちなみにクリスタで新規作成したレイヤーはレイヤーパレットにおいて選択中のレイヤーの1つ上の段に作成されます。
※「ベクターレイヤー」を出すのはキャンバスを新規作成させてからの作業です。CLIP STUDIO PAINTを起動させただけではできません。
クリスタ画面上部メニュー「レイヤー」からベクターレイヤーを作成する
CLIP STUDIO PAINTの画面上部から「レイヤー」→「新規レイヤー」→「ベクターレイヤー」と選択することでベクターレイヤーを作成することができます。
また、この「レイヤー」のメニュー表示はレイヤーパレット上で右クリックしても表示させることができます。
※レイヤーに表示されているサムネイルやアイコンの上で右クリックしますと別のメニューが表示されますのでサムネイル・アイコン以外の場所で右クリックしましょう。
また、このやり方で「ベクターレイヤー」を作成した場合、レイヤー名を入力するウィンドウが表示されます。
レイヤー名を付ける場合はここで入力し、付けない場合はそのまま「OK」もしくは[Enter]を押しましょう。
レイヤー名は後からでも付けることも変更することもできます。
クリスタのレイヤーパレット上のアイコンからベクターレイヤーを作成する
クリスタのレイヤーパレット(初期設定では画面右下側)の上部にアイコンが並んでいるのが見えると思います。
その中に「新規ベクターレイヤー」のアイコンがありますのでそれを選択することでベクターレイヤーを作成することができます。
アイコンからベクターレイヤーを作成する場合は上記のレイヤー名を入力するウィンドウは表示されずにすぐレイヤーパレット上に作成されます。
※[Alt(Option)]を押しながらアイコンを選択するとレイヤー名入力のウィンドウを開くことができます。
キーボードからクリスタのショートカットキーでベクターレイヤーを作成する
クリスタの初期設定ではベクターレイヤーの作成はショートカットとして設定されていないのですが、自分でショートカットを設定することができます。
また、ショートカットで「ベクターレイヤー」を作成した際もレイヤー名の入力ウィンドウが表示されます。
クリスタでのショートカットキー設定方法
↓こちらの記事を参考にしていただければと思います。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のベクターレイヤーで線画の効率を上げよう!
まだまだクリスタには便利な機能がたくさんあるのですが、私が個人的に便利だなと思うベクターレイヤーの機能を描かせていただきました。
中にはうまく使いこなせないと普通に描き直す方が早いといったこともあるかもしれませんが、特にはみ出した線を一発で消せることと線幅の修正はアナログで描いている方にはかなり魅力的ではないでしょうか。
色々試してみて、クリスタでの創作作業を充実させてもっと絵を楽しんでいただければなと思います◎
また、クリスタの他のレイヤーに関しては以下の記事を参考にしていただければと思います。
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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