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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
今回はCLIP STUDIO PAINT PROで「見開きページ」を作成する方法を紹介させていただきます。
イラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)の製品版にはPROとEXという2つのグレードがあり、その大きな違いの1つとしてPROでは「見開きページ」が作成できないというものがあります。
これは複数ページ作品の一括管理ができる「ページ管理機能」の中に見開きページを作成する機能が入っている為、「ページ管理機能」が利用できないPROでは作成できないというのが理由なのですが、
この「一括管理」をしなくてもいいのであればクリスタPROで1つのデータとしての「見開きページ」を作成することは可能なのです!
それではよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!
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CLIP STUDIO PAINT EX漫画における「見開きページ」とは
漫画において、左右のページをまたがって絵を描いたページを「見開き(ページ)」と言います。
迫力あるシーンや印象的なシーンを表現する時によく使います。
クリスタではEXにのみ利用できる「複数ページ」の設定を行い、左右のページをくっ付ける設定を行うことで「見開きページ」を作成することができます。
参考記事
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ) PROでの「見開きページ」の作成方法!
何回も言いますがクリスタPROでは複数ページ作品の管理機能がない為、漫画などは1ページずつ作成・保存する形になります。
設定などを変更したい場合は1データずつ自分で設定し直さないといけませんので注意しましょう。
まずはクリスタPROで作りたい「見開きページ」のサイズを確認しよう!
クリスタPROで「見開きページ」を作成する前に、まずご自身が作成したい見開きページのサイズを確認する必要があります。
商業誌の漫画賞に投稿する場合はその漫画賞の規定に、同人誌を個人で印刷する場合はその印刷所の規定に合わせなければなりませんね。
今回は商業誌の漫画投稿でよく使用されるB4漫画原稿用紙を見本に説明させていただきます。
メーカーによって数値が若干異なる場合がありますが、私の手元にある市販されていたB4漫画原稿用紙のサイズは以下の通りです。
キャンバスサイズ:257×364
製本(仕上がり)サイズ:220×310
基本枠(内枠):180×270
裁ち落とし幅:6
※単位は「mm」
参考記事
クリスタで漫画制作!新規作成「コミック」の設定項目の意味を説明します!
そして、見開きページの作成方法も何種類かあるのですが、今回は原稿用紙のノド側(本を綴じる側)にある仕上がり(製本)サイズより外側を切り落とした2枚をくっ付けて作成する見開きページを作成したいと思います。
↓
関連記事
意外と知らない?商業誌に投稿する漫画の6つの疑問(アナログ・デジタル別)
つまりこの見開きページ全体(キャンバス)の横(幅)サイズは
257 mm ×2から
「裁ち落とし幅(6 mm)」と裁ち落とし幅の外側から原稿用紙の端までの長さ(12.5 mm)の合計×2の分だけ引いた
257×2-(6+12.5)×2=477 mm
となります。
また、この見開きページの製本(仕上がり)サイズの横(幅)はそのまま
220 mm×2=440 mm
となり、
この見開きページの基本枠(内枠)サイズの横(幅)は
180 mm×2と
基本枠から裁ち落とし幅の内側までの長さ(20 mm)×2を足した
180×2+20×2=400 mm
となります。
これで見開きページの各サイズが分かりましたのでこの情報を元にクリスタPROで見開きページを作成していきましょう!
クリスタPROで「見開きページ」を新規作成しよう!
作成するページのサイズが分かったところでクリスタPROで新規作成を行っていきましょう。
新規作成ウィンドウでは基本枠や製本(仕上がり)サイズが設定できる「すべてのコミック設定を表示」を選択しましょう。
参考記事
クリスタで漫画制作!新規作成「コミック」の設定項目の意味を説明します!
ここで先程のサイズを入力していきます。
●単位
mm
●キャンバス
幅:477 mm
高さ:364 mm
●製本(仕上がり)サイズ
幅:440 mm
高さ:310 mm
裁ち落とし幅:6 mm
●基本枠(内枠)
幅:400 mm
高さ:270 mm
「解像度」と「基本表現色」は制作する作品の内容・目的に応じて設定して下さい。
●「解像度」
モノクロ漫画でしたら「600 dpi以上」、カラー漫画でしたら「300 dpi以上」が一般的です。
印刷目的がなく、WEB公開のみでしたら最小値の「72 dpi」でも問題ありませんが、トーン表示などがキレイに表示されない、線が荒いといったことも起こり得るので気になる場合は解像度を高めに設定しましょう。
●「基本表現色」
「カラー」「グレー」「モノクロ」の3つから漫画制作で使用する色に合わせて選択します。
入力内容を確認し、最後に「OK」を選択すれば見開きページを作成することができます◎
あとは自由に描いていきましょう!
【補足説明】「ノド」を意識する為に
見開きページを描く上で意識しなければいけないのは「ノド」部分です。
「ノド」とは中央の本を綴じている側のことです。
このノドの部分は画像のように本の状態になりますと見ずらい箇所になります。
その為、この部分にはセリフやキャラクターの顔など重要な内容は入れないようにします。
2枚の原稿用紙を合わせたものでは「基本枠(内枠)」よりノド側の部分になりますね。
今回の例のB4漫画原稿用紙ですと40 mmの幅になります。
ですが、クリスタPRO作成した見開きページには中央に基本枠(内枠)がありません。
しかし、「グリッド」を利用すればこのノド部分を確認することができます。
「グリッド」とは格子状のガイド線のことです。
「グリッド」の設定を以下のようにすれば1マス1 mmの「グリッド」を表示させることができます。
また、今回の例のように10 mm単位で充分な場合は以下のように設定すれば1マス10 mmのグリッドを表示させることができます。
このグリッドを見ればノド部分の幅を確認することができますよ◎
参考記事
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CLIP STUDIO PAINT PROCLIP STUDIO PAINT(クリスタ) PROでの「見開きページ」の書き出し方法!
クリスタでの見開きページの書き出しは左右のページを繋げたままで行う場合もありますが、コンビニでプリントする場合や印刷所の規定によっては左右のページを分けて書き出しする場合もあります。
特に印刷所に見開きページを分割して出す場合は左右のページで絵が重複している箇所が必要な場合もありますね。
クリスタEXの場合は書き出し時の設定でチェックを入れるだけなのですが、
本来見開きページの作成機能がないクリスタPROでの書き出しではいくつかの手順が必要です。
まずはクリスタPROで作成した見開きデータを複製!
今回紹介する方法では、書き出しを行う際にデータの各サイズを変更する為、クリスタPROで制作した見開きページのデータは複製して元のデータを残しておいた方が安全でしょう。
パソコンのフォルダからは見開きの.clipデータ上で右クリック→「コピー」と選択し、フォルダの空いている箇所で右クリック→「貼り付け」と選択することで複製ができます。
※見開きの.clipデータ上で[Ctrl(command)]+[C]でコピー、[Ctrl(command)]+[V]で貼り付けという方法でも複製ができます。
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クリスタで見開きページを開いている場合は
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「別名で保存」もしくは「複製を保存」を選択し、同じ.clipデータで保存すれば現在開いているデータとは別で同じ内容のデータを保存できます。
※データ名は元データと全く同じにならないようにしましょう。
見開きページを1枚分のページサイズに変更しよう!
複製ができましたら、そのデータをクリスタで開きましょう。
そしてCLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「キャンバスサイズを変更」と選択しましょう。
すると以下のウィンドウが表示されます。
ここで「中心を固定」のチェックを外しましょう。
すると以下の注意ウィンドウが表示されます。
ここで「OK」を選択します。
※この作業で基本枠などのガイド線は消えてしまいますが、後で作成しますのでご安心を。
すると「基準点」の項目を変更できるようになりました。
ここで左ページ分を書き出ししたい場合は「基準点」を左のポイントに、右ページ分を書き出ししたい場合は「基準点」を右のポイントに変更します。
「基準点」を変更しましたら、「幅」の数値を1ページ分の原稿用紙サイズに変更します。
今回の場合はB4原稿用紙ですので「257 mm」ですね。
数値を変更しましたら「OK」を選択します。
これで指定した「基準点」を基に原稿サイズが変更されました。(画像は右ページ)
その代わり、「注意ウィンドウ」の表記通り「基本枠」や「トンボ」などのガイド線が消えてしまっています。
そこでCLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「キャンバス基本設定を変更」を選択します。
すると以下のようなウィンドウが開きます。
※お手元の画面サイズによっては横並びでなく縦並びになっている場合もあります。
ここで「漫画原稿設定」の項目にチェックを入れます。
すると「製本(仕上がり)サイズ」や「基本枠」などを入力する項目が表示されるようになります。
ここで改めて1ページ分の数値を入力していきます。
今回の場合はB4原稿用紙ですので
●「製本(仕上がり)サイズ」
幅:220 mm
高さ:310 mm
裁ち落とし幅:6 mm
●「基本枠(内枠)」
幅:180 mm
高さ:270 mm
横オフセット:0 mm
縦オフセット:0 mm
となりますね。
入力が終わりましたら「OK」を選択しましょう。
これで1ページ分の「基本枠」や「トンボ」などのガイド線を表示させることができます!
設定前の見開きページのガイド線の位置を比較しても同じ場所に配置されています。
また、本来切り取っていた範囲も存在するので隣りのページと重複している部分もできてます。
これはクリスタEXで作成した見開きページを左右別で書き出しした場合に作成されるデータと同じ形になります。
これで片側のページのみのデータが作成できました◎
見開きの1ページ分のデータを書き出ししよう!
クリスタPROで作成した見開きを1ページ分のデータに変更しましたら書き出しを行いましょう。
CLIP STUDIO PAINT画面上部の「ファイル」→「画像を統合して書き出し」→任意のデータ形式を選択すれば書き出し作業を行うことができます。
詳しくは以下の記事を参考にしていただければと思います。
クリスタで書き出し!作品を画像ファイルで保存する方法と補足説明!!
作成した1ページ分のデータをそのまま上書き保存する場合は、元の見開きページデータを再び複製して同じように反対側のページデータも作成しましょう。
(書き出しをしたため)作成した1ページ分のデータを上書き保存しない場合は、そのままデータを閉じれば元の見開きページのデータに戻りますので、そこから反対側のページデータを作成しましょう。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)PROで制作した作品を製本印刷するにはもう一手間必要
クリスタPROで制作した漫画作品を製本するために印刷所で印刷する場合は「ノンブル」などの作品情報を原稿に記載する必要があります。
※どこにどの情報を記載するかは各印刷所で確認しましょう。
クリスタEXではこれらを新規作成時に1回入力するだけで全ページに記載させる機能があるのですが、
クリスタPROの場合はご自身で「テキストツール」を使用して入力・配置しなければなりません。
1度作品情報を記載したものを作成すればそれを元データとして残しておき、複製したデータで制作を行えば毎回入力するといった手間は省けますね。
参考記事
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ) PROでの見開きページ作成方法紹介まとめ
クリスタPROかクリスタEXかを選ぶ基準としてよく「イラストを描くならPRO」「漫画を描くならEX」という言葉を聞くと思いますし実際そうだと思うのですが、それはあくまで性能ではなく機能の話です。
クリスタEXには漫画制作において便利な機能がたくさんありますが、漫画を描く性能としてはクリスタPROもクリスタEXも同じです。
手間をかければクリスタPROでも漫画は描けるのです◎
漫画制作はデジタル化するだけでも制作効率は格段に上がります!
費用を抑え、効率も上げたいのであればクリスタPROのご購入も検討されてはいかがでしょうか◎
また、クリスタPROを購入すれば、後から差額分を支払うだけでクリスタEXにアップグレードさせることも可能ですよ!
クリスタPRO購入後からEXに損せず買い替える方法(アップグレード)!!
クリスタEXとクリスタPROは値段が大きく違うのでご自身の環境・ご都合、そしてクリスタを使用して表現したいものをよく検討した上で選んでいただけらばなと思います。
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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