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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
2023年3月14日にイラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)のVer.2.0がリリースされたことにより、「魚眼パース定規」機能が追加されました。
この機能によって魚眼レンズで見た時のような曲線表現をフリーハンドでキレイに描くことができるようになります。
今回はこの魚眼パース定規の使い方を紹介させていただきますのでよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!
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CLIP STUDIO PAINT EXCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)魚眼パース定規とは
クリスタで魚眼レンズ表現を描ける定規機能!
魚眼レンズ(魚眼パース)表現とは
元々はカメラなどで魚眼レンズを使用することで被写体を大きく曲げる表現方法です。
この表現方法を行うことで約180度もの広い視野を画面内に収めることができます。
特殊な表現をしたい時に利用することが多い表現方法ですね。
クリスタの定規機能とは
クリスタではキャンバスに「定規」を設置することで描画ツールの動きを指定・固定することができます。
中でも「パース定規」は背景を描画するのにとても便利な機能になります。
クリスタの魚眼パース定規で曲線背景が描ける!
クリスタの魚眼パース定規は定規機能の中でも魚眼レンズ表現を描画ツールで描くことができる機能になります。
基本的には先述のパース定規と同じような使い方になりますが、描画できる線が曲線になるわけですね。
パース定規の曲線版といったイメージです。
この魚眼パース定規によって指定できる描画方向は「垂直方向」「水平(アイレベル)方向」「消失点方向」の3種類になります。
3つの方向の内「消失点」は魚眼パース定規内に複数設置することができますので、その分指定できる描画方法も増やすことができます。
クリスタEX・PROどちらでも利用可能!
クリスタの魚眼パース定規はVer.2.0以降であればクリスタEXはもちろん、下位グレードのクリスタPROでも利用することができます。
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CLIP STUDIO PAINT EX
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で魚眼パース定規を設置する方法
クリスタのキャンバス上に魚眼パース定規を設置する方法は3つあります。
いずれにしても先にキャンバスを新規作成している必要があります。
困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!
クリスタのレイヤーメニューから魚眼パース定規を設置する
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「定規・コマ枠」→「パース定規の作成」と選択します。
すると以下のウィンドウが開きますので3種類の透視図法から目的に合うものを選び、「魚眼パース」にチェックを入れましょう。
最後に「OK」を押せばキャンバス上に魚眼パース定規が設置されます。
設定ウィンドウにて「レイヤーを新規作成」にチェックを入れていない場合は選択していたレイヤーに定規が設置され、アイコンも表示されます。
クリスタのパース定規ツールから魚眼パース定規を設置する
クリスタの定規ツールのサブツールウィンドウから「パース定規」を選択します。
そしてツールプロパティもしくはサブツール詳細ウィンドウにて「処理内容」を「消失点の追加」にし、「魚眼を追加する」にチェックを入れましょう。
また、「編集レイヤーに作成」にチェックを入れていますと選択中のレイヤーに魚眼パース定規を設置してくれるようになります。
チェックを外すと魚眼パース定規を設置したラスターレイヤーが新規作成されます。
上記の設定が終わりましたら、キャンバス上で1回ドラッグして1本のガイド線を表示させます。
このドラッグ距離が長いほど大きい範囲の魚眼パース定規を設置しやすくなります。
そしてもう1度キャンバス上(作業画面上)をドラッグしますと、先ほどのガイド線が曲がっていきます。
それと同時にガイド線の周囲に円が表示され、ドラッグの距離が長くなるほどこの円が小さくなっていきます。
(この曲げたガイド線が「アイレベル」となります)
最後にもう1度キャンバス上をドラッグして最初のガイド線と交差するガイド線を追加します。
(交差した点が「消失点」になります)
※Ver.2.0.1以降ではここでも[Shift]を利用したドラッグが可能です。
以上の3回のドラッグが完了しますと魚眼パース定規が設置されます。
クリスタのパース定規から魚眼パース定規に変換する
まずは通常のパース定規を設置します。
参考記事
そしてオブジェクトツールを使ってキャンバス上のパース定規を直接タッチ、もしくはレイヤーパレットの定規アイコンをタッチして選択状態にします。
そしてツールプロパティもしくはサブツール詳細ウィンドウにて「魚眼パース」の項目にチェックを入れます。
するとパース定規が魚眼パース定規に変換されます。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)魚眼パース定規の操作・設定・編集
クリスタの魚眼パース定規は設置後にオブジェクトツールで直接操作したり、設定の変更や追加編集することができます。
困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!
クリスタ魚眼パースの操作方法
クリスタの魚眼パース定規をオブジェクトツールで選択状態にしますと、操作点となる「ハンドル」が表示されます。
各ハンドルをオブジェクトツールでタッチもしくはドラッグすることで魚眼パース定規を操作することができます。
魚眼パース定規全体の操作
「十字矢印」をドラッグすることで魚眼パース全体の位置を移動させることができます。
「十字矢印」の左上にあるハンドルをドラッグしますと、「十字矢印」周辺のハンドルの表示位置を移動できます。
「十字矢印」の右下にあるハンドルをタッチしますと魚眼パース定規全体のスナップ機能をのON・OFFを切り替えます。
スナップをONにしますと魚眼パース定規の影響を受けた描画ができるようになり、OFFにしますと魚眼パース定規を無視した描画ができるようになります。
また、魚眼パース定規の円の中心にあるハンドルをドラッグすることでも魚眼パース定規全体を移動させることができます。
アイレベルの操作
アイレベル上にある「◒」のハンドルをドラッグすることでアイレベルの位置と曲がり具合を変更することができます。
アイレベル(目線)より上に描画するのか下に描画するのかで表現内容(俯瞰・アオリ)も変わってきます。
ただし、移動できる範囲には限度があるようです。
また、「◒」の両端にある「●」のハンドルをドラッグしますとアイレベルの角度を変更することができます。
消失点の操作
消失点「◎」のハンドルをドラッグすることで消失点の位置を変更できます。
アイレベル上にある消失点の場合はアイレベル上の移動になります。
また、消失点から伸びたガイド線上のハンドル「〇」をドラッグすることでガイド線を移動させることができます。
この移動によって描画内容が変わるわけではありませんが、ガイド線の形からどういった曲線が描画できるかを確認することができます。
さらに、「〇」の両端にある「●」をドラッグすることで「〇」を支点にガイド線の角度を変更でき、それに合わせて消失点も移動します。
スナップ操作
「スナップ」とは定規やガイド線の影響によってツールの動きを特定の方向に固定・指定する機能です。
ONにすれば定規の影響を受け、OFFにすれば定規の影響を受けずに描画することができます。
水平・垂直方向へのスナップ
魚眼パース定規ではアイレベルが水平方向、中央のハンドル「◎」から伸びたガイド線が垂直方向を指します。
魚眼パース定規では消失点方向だけでなく、この水平・垂直方向に合わせた描画(スナップ)もできます。
(魚眼パースですので曲線になります)
このアイレベルや垂直方向のガイド線の横にあるハンドルをタッチすることでスナップのON・OFFを切り替えることができます。
消失点へのスナップ
消失点のガイドを動かすハンドル「〇」の右下にあるハンドル「◇」をタッチすることでスナップのON・OFFを切り替えることができます。
消失点のスナップがONになっていることでその消失点方向へ向かう固定描画ができるようになるわけですね。
【Ver.2.1.0~】外側の円(視野円)の操作
こちらはクリスタVer.2.1.0から追加されたハンドルです。
クリスタをVer.2.1.0以上にするには「アップデートプラン」の契約か、Ver.3.0の購入が必要になります。
魚眼パースの外側にある「斜めの十字矢印ハンドル」をドラッグすることで魚眼パースの外側の円(視野円)のサイズを変更することができます。
こちらは後述する『クリスタ魚眼パース定規の設定変更』の項目で紹介する「視野円半径」の数値と連動しています。
クリスタ魚眼パース定規の設定変更
まずはオブジェクトツールで魚眼パース定規を直接選択、もしくはレイヤーパレットの定規アイコンを選択します。
この状態になりますと、ツールプロパティもしくはサブツール詳細ウィンドウ「パース定規」カテゴリーにて魚眼パース定規の設定項目が表示されます。
この項目を変更することで選択中の魚眼パース定規の内容を変更することができます。
「スナップ」
「スナップ」にチェックを入れることでスナップがONになり、魚眼パース定規の影響を受けた描画ができるようになります。
※先述の魚眼パース定規の「十字矢印」の右下のハンドルでのスナップON・OFFと同じ設定です。
逆にチェックを外すことで魚眼パース定規を無視した描画ができるようになります。
「ガイドの存在する消失点にのみスナップ」
「スナップ」にチェックを入れている場合に設定できます。
チェックを入れますとガイド線がない消失点の方向にはスナップしなくなります。
「アイレベルを固定」
先述の通り、クリスタのパース定規はオブジェクトツールで消失点を動かすとアイレベルも合わせて動いてしまいます。
しかし、「アイレベルを固定」にチェックを入れることで消失点を動かしてもアイレベルは固定されるようになります。
ただし、「アイレベルを固定」にチェックを入れた状態でもオブジェクトツールでのハンドル操作によってアイレベルを直接動かすことはできます。
「アイレベルを水平にする」
「アイレベルを水平にする」のボタンを押すことでアイレベルを水平状態にしてくれます。
ただし、アイレベルが直線になるわけではなく、アイレベルと円の交点が水平になる形になります。
「魚眼パース」
魚眼パース定規を選択している場合は必ずチェックが入っている状態になっています。
チェックを外しますと通常のパース定規になります。
この切り替えは何度でも自由にできます。
「ゆがみの強さ」
「魚眼パース」にチェックが入っている時に設定できます。
「0」~「100」で設定し、数値が大きいほど魚眼パース定規の円が小さくなり、ゆがみ(曲線)が強くなります。
また、数値を「0」にしますと、アイレベルが直線になります。
「視野円半径」
「魚眼パース」にチェックが入っている時に設定できます。
数値が大きいほど魚眼パース定規の円が大きくなり、曲線が緩やかになります。
こちらも「ゆがみの強さ」と同じく魚眼パース定規の曲線に対する設定になるのですが、基本的には「ゆがみの強さ」で設定を行い、「もっと円を大きくしたい」など追加で調整したい場合にこの項目の数値を変更するといった使い方をします。
「グリッド」
3つのアイコンをタッチしますと、アイコンに表示されている面のグリッド(格子状のガイド線)が表示されます。
※魚眼パースの形状によってアイコンに表示されている面と上下左右が反対になる場合があります。
このグリッド表示によって、全体的にどのような曲線が描けるかを確認したり、(魚眼パース表現上で)等間隔の線を描きたい時に利用したりできますね
ちなみにこのグリッド表示アイコンは複数選択が可能です。
また、下部の「グリッドサイズ」でグリッドの幅が変化します。
※手元のクリスタで確認してみたのですが、「グリッドサイズ」の数値とグリッドの幅のサイズとの関係性は分かりませんでした…
クリスタ魚眼パース定規の追加編集
クリスタの魚眼パース定規は設置後でもパース定規ツールで追加編集が可能です。
編集結果はパース定規ツールのツールプロパティ「処理内容」の選択肢によって変わります。
各編集方法は以下の記事の『クリスタの「パース定規ツール」でガイド線を増やす・減らす・設定する』の項目を参考にしていただければと思います。
クリスタで定規を削除する方法
クリスタの定規を削除したい場合は定規のアイコンを「レイヤーパレット」上部にあるゴミ箱のマークにドラッグするか、定規のアイコンを選択した状態でゴミ箱のアイコンを選択し、表示されるウィンドウで「削除」を選択することで定規を削除することができます。
※定規のアイコン上で右クリック→「定規を削除」と選択することでも定規を消すことができます。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)魚眼パース定規を使って描画していこう!
クリスタで魚眼パース定規を利用する条件
スナップ設定
クリスタではスナップ設定をONにすることで定規の影響を受けた描画(スナップ)ができるようになります。
クリスタのスナップ設定は「クリスタ側」「定規側」「ツール側」の3か所にあり、定規を利用した描画を行うには全てのスナップ設定がONになっている必要があります。
詳しくは以下の記事の『クリスタ定規の「スナップ」設定』の項目をご確認ください。
定規アイコンの設定
クリスタで定規を設置した際にレイヤーパレットに表示される定規アイコンには3種類あり、それぞれ効果範囲が異なります。
各硬貨範囲に関しては以下の記事の『クリスタにおける定規とレイヤーの関係』の項目にある「定規とレイヤーの影響範囲」をご確認ください。
クリスタの描画ツールで描いていこう!
魚眼パース定規の設置・設定などの準備が整いましたら、いよいよ描画していきましょう!
魚眼パース定規は図形ツールも対応
魚眼パース定規はペンツールだけでなく、図形ツールも対応してくれます。図形の線もちゃんと曲線の描画になります。
図形ツールを使用する場合、1度図形作成のドラッグをしてペンを離してから上下左右にペンを動かすと様々な方向へスナップした図形に切り替わります。
お好みの形状になりましたらキャンバス上を1回タッチして図形作成を確定しましょう。
円の外側は魚眼パース定規の影響を受けない
魚眼パース定規の円の内側から描画した場合、円のフチで描画が止まってしまいます。
逆に魚眼パース定規の円の外側から描画した場合は、スナップ設定がONでも定規の影響を受けずに自由に描画ができます。
スナップのON・OFFを駆使しよう
クリスタのパース定規は描画位置・描画方向によってどの方向にスナップするかが決まるので、思い通りの方向に描画できない場合があります。
こういった事を防ぐために、自分が描きたい方向への消失点やガイド線のスナップのみONにして描画するとやりやすくなるでしょう。
※ちなみに、スナップがOFFになっているガイド線が表示色が変わります。
人物は直方体を描画して目安にしよう
魚眼パースの中に人物を描きたい場合は魚眼パース定規を利用して直方体を描画し、それを目安にすると描きやすいかなと思います。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)魚眼パース定規の使用例
私が思いつく範囲ではありますが紹介させていただきます。
魚眼背景
一般的な使い方かと思います。
印象的な表現や、通常の描画では映らない部分を画面内に収めたい場合などに利用します。
俯瞰・アオリ表現
上から見下ろした構図の「俯瞰」や、下から見上げた構図の「アオリ」表現を描画する時に、背景を曲線で表現したい場合に利用できます。
曲線集中線
アクションシーンなどで利用できます。
球面の背景
球面上に建つ建物などを表現する際に利用できます。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の魚眼パース定規を使ってみよう!
魚眼パース表現はそこまで頻繁に利用するものではありませんが、絵を描いていますとちょくちょく描きたくなる表現です。
本格的に魚眼レンズ表現を描画しようと思うとそれなりの知識が必要になってきますが、シンプルな使い方でしたらパース定規の曲線版のような感覚で利用できるかと思います◎
「難しそう」と敬遠せずに試しに1度触れてみてください◎
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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