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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
イラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)に「自動で色塗りをしてくれる機能」があることをご存じでしょうか。
それが「自動彩色機能」です。
線画だけ描けば後は自動で塗ってくれることもできれば、自分でヒントとなる色を少し塗ってそれを基に色を塗ってもらうこともできるのです!
今回はこのクリスタの自動彩色機能の使い方を紹介させていただきますのでよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!
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CLIP STUDIO PAINT EXCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)自動彩色の特徴
クリスタのサーバーにてAIが彩色処理を行う!
クリスタの自動彩色機能は、自分が描いた線画をクリスタのサーバーに一時的にアップロードし、AIが判断して自動で彩色処理を行ってくれる機能です。
そのため、ネットワーク環境が必要となります。
ちなみに、クリスタのリファレンスガイドにはサーバーに画像がアップロードされることに関して以下のように書かれています。
●この機能を使用しても、シリアルナンバーやCLIP STUDIOアカウントなどの個人情報がアップロードされることはありません。
●サーバーにアップロードされた画像とサーバーで生成されたデータは、処理が終了したあと、サーバーからすべて削除され、保持されません。
●サーバーにアップロードされた画像と生成されたデータのいずれも、処理が終了しサーバーから削除するまで、一時的にサーバーへ保持されますが、この間もこれらの画像に関する知的財産権を、株式会社セルシスは保有いたしません。また、画像データが、外部に公開されることはありません。
クリスタの自動彩色には3種類ある!
クリスタの自動彩色機能は3種類あり、準備や操作も少し変わってきます。
●「全自動彩色」
線画のみを用意して実行する完全な自動彩色機能です。
●「ヒント画像を使って彩色」
線画に加え、AIが彩色を行う際のヒントとしてある程度色を塗っておいたレイヤーを用意してから自動彩色を実行する機能です。
●「より高度な設定を使用」
用意するものは「ヒント画像を使って彩色」と同じですが、自動彩色を実行する際にある程度彩色の調整ができる機能です。
選択範囲で自動彩色範囲の指定が可能!
クリスタにて自動選択ツールなどで選択範囲を作成した状態で自動彩色を実行しますと、作成した選択範囲内のみに彩色処理を行うことができます。
クリスタPRO・EXどちらでも利用可能!
クリスタの自動彩色機能は、最上位グレードのクリスタEXはもちろん、機能制限のあるクリスタPROでも利用することができます。
クリスタの自動彩色はまだ先行プレビュー
クリスタで利用できる自動彩色機能は2021年10月現在、まだ先行プレビューであり、正式リリースではないお試し状態です。
正式リリースとなりますとさらに性能が上がる可能性もあるわけですね。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で自動彩色を行う手順
困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!
①:クリスタで線画を描いて1枚の「参照レイヤー」にしよう!
まずはクリスタで線画までの描画作業を行いましょう。
そして線画が完成しましたら、レイヤーパレットにて線画を描いたレイヤーを全て選択し、
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「選択中のレイヤを結合」と選択しましょう。
これで線画用のレイヤーが1枚になります。
※レイヤー名は編集中のレイヤー名になります。気になる場合は任意で変更しましょう。
クリスタの自動彩色は1枚のレイヤーの線画を基に彩色処理を行いますので必ず1枚のレイヤーにする必要があります。
この時、レイヤーの種類はラスターレイヤー・ベクターレイヤーどちらでも大丈夫です。
線画を描いたレイヤーを1枚にまとめましたら、そのレイヤーを選択している状態でレイヤーパレット上部の「参照レイヤーに設定」のアイコンを押しましょう。
※CLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「レイヤー設定」→「参照レイヤーに設定」と選択しても同じ操作が行えます。
これで線画を描画したレイヤーが参照レイヤーになり、自動彩色の際にはこの参照レイヤーを基に彩色処理が行われます。
線画を参照レイヤーにしましたら3種類の自動彩色の中からどれを実行するかで次の手順が変わりますので、実行したい自動彩色の項目を参考にしていただければと思います。
②-1:「全自動彩色」を実行しよう!
線画の参照レイヤーが用意できましたら、その参照レイヤーを選択した状態でCLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「自動彩色」→「全自動彩色」と選択します。
※線画の参照レイヤーを選択していないと「全自動彩色」は実行できません。
↓
すると以下のウィンドウが表示されますので「OK」を選択しますと自動彩色が実行されます。しばらく待ちましょう。
自動彩色が完了しますと線画に色が付きます!これだけで色塗り完了です◎
レイヤーパレットには、線画のレイヤーの上に色が塗られたレイヤーが「乗算」の合成モードで作成されています。
※レイヤー名は参照レイヤーと同じになっています。
クリスタの「全自動彩色」は暗めの印象?
手元のクリスタにて、様々な線画で「全自動彩色」を利用してみたのですが、どのイラストでも少し暗めの色に彩色される印象でした。
目的の雰囲気に合っていればいいですが、明るめの彩色をしたい場合は「ヒント画像を使って彩色」もしくは「より高度な設定を使用」を利用する方がいいかもしれません。
②-2:「ヒント画像を使って彩色」を実行しよう!
線画の参照レイヤーが用意できましたら、 次に自動彩色のヒントとなる色を塗るためのレイヤーを新規作成し、自動彩色のヒントとなるようにおおよそで色を塗っていきましょう。
※作成するレイヤーは「ラスターレイヤー」「ベクターレイヤー」どちらでも構いません。
※ヒントのレイヤーの配置は線画のレイヤーの上でも下でもどちらでも構いませんが、線画のレイヤーより下に配置した方が塗った色で線画が隠れませんので作業しやすいかなと思います。
この時、色を塗る範囲が小さいと色が薄く表示されたり周りの色の影響を受けやすくなりますので注意しましょう。
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次にヒントとなる色を塗ったレイヤーを選択した状態でCLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「自動彩色」→「ヒント画像を使って彩色」と選択しましょう。
※ヒントとなるレイヤーを選択していないと「ヒント画像を使って彩色」は実行されません。
↓
すると以下のウィンドウが表示されますので「OK」を選択しますと自動彩色が実行されます。しばらく待ちましょう。
自動彩色が完了しますと、ヒントとなる色を参考にした色塗りが出来上がります◎
レイヤーパレットには、線画のレイヤーの上に色が塗られたレイヤーが「乗算」の合成モードで作成されており、ヒント用レイヤーは非表示になっています。
※レイヤー名はヒント用レイヤーと同じになっています。
②-3:「 より高度な設定を使用 」を実行しよう!
線画の参照レイヤーが用意できましたら、 「ヒント画像を使って彩色」の時と同様に自動彩色のヒントとなる色を塗るためのレイヤーを新規作成し、自動彩色のヒントとなるようにおおよそで色を塗っていきましょう。
※作成するレイヤーは「ラスターレイヤー」「ベクターレイヤー」どちらでも構いません。
※ヒントのレイヤーの配置は線画のレイヤーの上でも下でもどちらでも構いませんが、線画のレイヤーより下に配置した方が塗った色で線画が隠れませんので作業しやすいかなと思います。
この時、色を塗る範囲が小さいと色が薄く表示されたり周りの色の影響を受けやすくなったり、設定対象の色に選ばれないこともありますので注意しましょう。
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次にヒントとなる色を塗ったレイヤーを選択した状態 でCLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「自動彩色」→「より高度な設定を使用」と選択しましょう。
※ヒントとなるレイヤーを選択していないと「より高度な設定を使用」」は実行されません。
↓
すると以下のウィンドウが表示されますので「OK」を選択しましょう。
先ほどのウィンドウにて「OK」を選択しますと以下の設定ウィンドウが開き、ここで色表示の調整ができます。
グラフを操作して色の表示を調整しよう!
設定ウィンドウが開きましたらまずは「色分解して彩色する」にチェックを入れて色の設定が可能な状態にしましょう。
ウィンドウの中央にグラフ(トーンカーブ)が表示されます。
そして設定ウィンドウ左上部にあるRGB表記の部分をタッチしますと設定対象となる色の一覧が表示されますのでこの中から設定したい色を選択します。
この一覧の最大数が先ほど説明した10色となるのです。
色を選択しましたらその下にあるグラフ(トーンカーブ)を操作して色の表示を調整します。初期状態のグラフは以下のようになっています。
このグラフ(トーンカーブ)に関してはクリスタの公式サイトでは詳しく表記されていませんので、私が実際に触ってみたり調べてみて得た特徴を紹介させていただきます。
●グラフは「■(ポイント)」をドラッグ移動することで調整する。
●グラフの横軸(入力)は選択した色で自動彩色した色(元の色)を、縦軸(出力)は自動彩色した元の色をこのグラフで変更した後の色を表している。
つまり、このグラフが直線だと全く変更がない自動彩色となります。
●「0=白色部分」、「255=選択した色の部分」、その間の数値は白~選択した色の間の色となり、255近いほど選択した色に近い色になります。
つまり、縦:横=0:0を縦:横=255:0にすると自動彩色した元の色の中で白色の部分が選択した色になる。
●左上よりになるほど色が濃くなり、表示範囲も広がる
↓
●右下よりになるほど色は薄くなり、表示範囲も狭くなる。
↓
●グラフの角度が急なほど色の差(コントラスト)が強くなる。
そのため、色のはみ出しが気になる場合はグラフの角度を急にするとある程度解消できる。
↓
●グラフ上をタッチすると「■(ポイント)」を追加できる。
※最大32個
●「■(ポイント)」はグラフ外にドラックすることで削除できる。
●グラフ下部にある「リセット」を押すと選択中のグラフを初期状態に戻すことができ、「全てリセット」を押すと全ての色のグラフを初期状態に戻すことができる。
その他の設定をしよう!
●「ヒントの無い領域も彩色する」
この項目にチェックを入れますと、ヒントとして色を塗らなかった部分も自動彩色されるようになります。
ヒントの無い領域は「全自動彩色」の処理が行われます。
●「ぼかし強度」
数値が大きいほど自動彩色された色の境界にぼかしが入ります。
初期値は「100」で、「1」~「200」の間で入力できます。
●「ぼかし制度」
ぼかし処理の回数を設定します。初期値は「1」。
「1」~「7」の間で入力でき、回数が多いほどキレイなぼかしになります。
※拡大表示にしないと違いは分かりにくいかもしれません。
●「主線除去」
数値が大きいほど色が明るくなります。初期値は「1」
「1」~「5」の間で入力できます。
色を明るくすることで主線を目立たなくするという効果のようです。
確かに色は明るくなりましたが、主線が目立たなくなったかと言われたら個人的には微妙なところです。主線を目立たなくするのでしたらこの設定を利用するより、自動彩色実行後に各レイヤーの色味を直接調整した方が効果的かもしれません。
「OK」を押して実行!
自動彩色の設定・調整が完了しましたら設定ウィンドウ右上の「OK」を押しましょう。
しばらく待ちますとプレビュー通りの自動彩色が完了します◎
レイヤーパレットには「ヒント画像を使って彩色」と同様に 線画のレイヤーの上に色が塗られたレイヤーが「乗算」の合成モードで作成されており、ヒントとなるレイヤーは非表示になっています。
※レイヤー名はヒント用レイヤーと同じになっています。
自動彩色の「より高度な設定を使用」は少し複雑?
クリスタ自動彩色の「より高度な設定を使用」では、特にグラフ(トーンカーブ)の操作が難しいかと思いますので「お手軽に色塗りができる」という意味からは遠くなるかもしれません。
お手軽に色塗りを行いたい場合は「全自動彩色」か「ヒント画像を使って彩色」を選択する方がいいでしょう。
【補足】③:自動彩色レイヤーを他のクリスタ機能で編集しよう!
クリスタの自動彩色機能での色塗りは前項で完了なのですが、自動彩色によって作成されたレイヤーは普通のラスターレイヤーですので追加で編集も可能です。
自動彩色だけでは満足できない場合は自分でも少し手を加えてみましょう。
消しゴムツールやレイヤーマスクで部分的に消すこともできれば
追加で描画もできますし
不透明度の変更や色調補正で色味を変えることもできます。
さらに自動彩色レイヤーを複製して合成モードを変更することでも印象を変えることができるでしょう。
また、線画のレイヤーを非表示にすることでまた違った印象のイラストにもできますよ◎
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の自動彩色でお手軽にカラーイラストを仕上げてみよう!
あくまでクリスタ側のAIが彩色するので完璧な色塗りとはなりませんが、時間をかけずに雰囲気を出すのにはいい機能だと思います。
この自動彩色から少しずつ手を加える箇所を増やして徐々に色塗りを学んでいくのも1つの手ではないかと思います。
色塗りが分からない方、時間がない方は1度試してみてはいかがでしょうか◎
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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