皆さん、閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
今回はイラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)で利用できる機能の1つである「下描きレイヤー」を紹介させていただきます。
これは下描き専用で使うレイヤーです。
下描き特有の性質を持っており、なかなか便利なのです◎
それではよろしくお願いいたします( `・∀・´)ノ!
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目次
アナログ制作CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)制作との違い
クリスタではカラーで下描きが描ける!
クリスタでは「表現色」を「カラー」に変更すればカラーで下描きを描くことができるようになります。

これで何が便利になるかといいますとキャラや背景で色分けすることができ、線の判別がつきやすくなるのです◎

また、同じキャラを描く場合でもラフ・アタリを薄めの色、メインの線を濃いめの色で描くことでペン入れもやりやすくなります!

アナログの鉛筆書描きですとグレー1色ですからね…。

クリスタでは「レイヤー」で分けることができる!
アナログ制作になりますと、1枚の原稿用紙で下描きを行います。
1人のキャラを描くだけでしたら問題ありませんが、複数のキャラ達が1つのコマ内に入っている場合、どの線がどのキャラのどの部分なのかが分からなくなることもあります。

しかしCLIP STUDIO PAINTなどのデジタル制作は「レイヤー」という透明な紙に絵を描き、それを重ねることで1枚の絵・原稿を成り立たせます。

ですので下描きの段階でキャラや背景別にレイヤーを分けて描くことができます。

こうすることで他の線に邪魔されることなく各キャラ・背景を描くことができるのです!
1人のキャラクターにおいても、顔と目などパーツ別にレイヤー分けして描いても作業がしやすいですね◎
描く作業、消す作業共にそのレイヤー上にある絵にしか反映されませんし

他の絵を非表示にすればさらに作業がしやすくなります◎

これを利用すれば、別のコマまで届くような線も気にせず描くことができます!
例えば、
「目のアップがコマ内に入ればいいけれどバランスをとる為に顔全体を描きたい」
といった場合も

↑このように下描きした後、他のコマの下描きをする際はこの下描きを非表示にすれば邪魔になりませんね◎
クリスタでは下描きの表示を薄くしてペン入れをやりすくできる!
クリスタの下描きでカラーなどで色分けできたり、レイヤー分けで不要な下描きを非表示にしたりできたとしても、その下描きの線自体が黒に近い色になるとペン入れの線が見にくくなってしまいます。

しかし、下描きの「不透明度」を下げることで表示を薄くし、ペン入れ作業をやりやすくすることができるのです!

クリスタでは消しゴムかけが一切不要!
アナログ制作の場合、ペン入れが終われば下描きの線を消さなければいけません。
この作業もなかなか大変で、少し気を抜くと原稿を汚したり破いてしまう危険性だってあります…!

これがデジタル制作ですと、下描きのレイヤーを非表示にするだけで一瞬で消すことができます!
この作業時間の差は圧倒的です!

また、非表示にしただけですのでいつでも確認の為などで再び表示させることもできます。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)「PRO」「EX」どちらでも利用可能!
今回紹介する「下描きレイヤー」はCLIP STUDIO PAINT EXはもちろん、少しお安いCLIP STUDIO PAINT PROでも利用できますよ◎











CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の「下描きレイヤー」の特徴!
上記の利点だけでしたら、わざわざ「下描きレイヤー」を使わなくても普通のレイヤーを下描き用として使えばいいと思うかもしれません。
しかし、この「下描きレイヤー」にはデジタルで作業する上でとても便利な性質を持っているのです!
「塗りつぶしツール」に干渉しない!
「塗りつぶしツール」で「他のレイヤーを参照」を選択していると、レイヤー分けに関係なく全ての線を認識して線で囲まれた部分を塗りつぶしてくれます。

しかし、「下描きレイヤー」の線は無視して塗りつぶしをしてくれるのです!

普通のレイヤーを下描き用として使っていた場合、その下描きの線も認識されて思うように塗りつぶししてくれなくなってしまいます。

「下描きレイヤー」を利用するだけでこのような問題を回避することができます◎
「自動選択ツール」にも干渉しない!
「自動選択ツール」で任意の箇所をタッチすると線で囲まれた部分を範囲選択してくれます。

範囲選択をすることでその部分しか描画などの作業をできなくさせることができるのです。

この「自動選択ツール」も「他のレイヤーを参照選択」を選択することで別のレイヤーに描いた線も認識して範囲選択してくれるようになります。
しかし、ここでも「下描きレイヤー」は無視して範囲選択してくれるのです。
※画像の点線で囲まれた部分(髪の毛部分)が範囲選択されている↓

「下描きレイヤー」を非表示にすることなくこういった作業ができるので非常に効率がよくなるということですね◎
例えば、顔を描く時に髪の毛部分に線がはみ出ないように顔の部分に選択範囲を作成する時などにもとても便利です。◎
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)での「下描きレイヤー」の作り方
「下描きレイヤー」の作り方もとても簡単です◎
以下の説明で紹介するウィンドウや項目が見当たらない場合は以下の記事を参考にしていただければと思います。



まずは普通のレイヤーを新規作成
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「新規レイヤー」と選択し、「ラスターレイヤー」か「ベクターレイヤー」お好きな方を選んで作成しましょう。

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「レイヤーパレット」の上部にあるアイコンをタッチすることでもレイヤーを作成することができます。
レイヤーを「下描きレイヤー」に変換しよう!
新しく作成したレイヤーを選択している状態で、「レイヤーパレット」の上部にある鉛筆のアイコンをタッチしましょう。

はい。
これだけで「下描きレイヤー」に変換することができました◎
レイヤーにはサムネイルの横に水色ラインが表示され、鉛筆のアイコンも端に表示されるようになります。

※CLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「レイヤー設定」→「下描きレイヤーに設定」と選択することでも「下描きレイヤー」に変換することができます。
また、再び同じ作業を行うと普通のレイヤーに戻すことができます。
必要なら「表現色」をカラーに変えよう!
新規でレイヤーを作成した場合、「表現色」(そのレイヤーで使用できる色)は新規作成時の「基本表現色」と同じ表現色になります。
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「基本表現色」を「グレー」や「モノクロ」で新規作成したキャンバスで「下描きレイヤー」をカラーで描画したい場合はその「下描きレイヤー」の「表現色」だけをカラーに変更する必要があります。
「下描きレイヤー」を選択した状態で「レイヤープロパティ」の「表現色」の項目で「カラー」を選択しましょう。

これで下描きをカラーで描くことができるようになります◎
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で「下描きレイヤー」を使用する時の注意点
「下描きレイヤー」にペン入れしてしまうと厄介…!
「下描きレイヤー」を使用する上で注意しなければならないのが
間違えて「下描きレイヤー」にペン入れをしてしまうこと
です。
すぐ気付けば大きな問題にはなりませんが、かなりペン入れを進めてしまった後に気付いた場合、下描きだけを消すのはなかなか難しいです。
これだけがデジタルで下描きをする上での弱点といえますね…。
ですのでそうならないように注意しましょう。
もし「下描きレイヤー」にかなりの量をペン入れをしてしまった場合は、応急処置として下描きだけを消す方法もあります。
参考までに↓



また、以下に下描きレイヤーにペン入れをしてしまわない為の「対処法」も書かせていただきます。
<対策法1>下描きレイヤーの不透明度を下げておく
「下描きレイヤー」の「不透明度」を予め下げておく対策法です。
忘れないように、下描きをする前に(下描き作業がやりにくくない程度に)不透明度を下げた方がいいかと思います。

そうすることでいざペン入れするとなった時に「下描きレイヤー」上で描いてしまったとしたら、ペン入れの線も指定した色より薄い色で描画されてしまうので
「下描きレイヤーに描いてしまっている!」
と気付くことができます。

<対策法2>下描き描画後に下描きレイヤーをロックしておく
下描きを描き終えましたら、「下描きレイヤー」を選択した状態で「レイヤーパレット」上部の「錠のアイコン」をタッチしましょう。

すると下描きレイヤーに「錠のマーク」が表示されます。
これはレイヤーをロックする機能で、この状態にするとこのレイヤーでは描画などの作業ができなくなります。
このロック機能で下描きレイヤー上にペン入れしてしまうことを防ぐことができます。
※もう1度「錠のアイコン」をタッチすればロックを解除することもできます。
下描きレイヤーが干渉してしまう場合は「複数参照」を確認しよう!
先述の通り、クリスタの下描きレイヤーは塗りつぶしツールや自動選択ツールに干渉しないという特徴を持っていますが、設定によっては干渉してしまうことがあります。
確認する場所は各ツールのツールプロパティもしくはサブツール詳細の「複数参照」という項目です。



「複数参照」の項目内に「参照しないレイヤー」というものがあります。
ここで「下描きレイヤー」が選択されていることでそのツールは下描きレイヤーの線を無視して使用できるという訳なのです。
※初期設定で下描きレイヤーは選択されている状態になっています。

※ツールプロパティの場合、「複数参照」項目の左にある「+」を選択することで「参照しないレイヤー」の項目が現れます。

塗りつぶしツールや自動選択ツールが下描きレイヤーの線に反応してしまう場合はここで下描きレイヤーの選択が外れてしまっている可能性があります。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の下描きレイヤー紹介まとめ
クリスタの「下描きレイヤー」の紹介は以上になります。
最後に注意点を述べましたが、それさえ気を付ければかなり快適に下描き作業ができると思います◎
下描きは漫画やイラスト制作においてもペン入れの出来を左右する重要な工程です。
クリスタで自由度の高い、効率の良い下描きを制作することで完成までの道のりがグンッと近くなりますよ!
ぜひ利用してみて下さい!
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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