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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
イラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)では、制作した作品を画像データに書き出ししせずに制作データから直接印刷を行うことができます。
今回はその印刷の際に行う「印刷設定」での各項目の意味を説明させていただきますのでよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!
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CLIP STUDIO PAINT EX事前準備
クリスタ経由で印刷を行うには、クリスタを使用するデバイスと印刷を行うプリンターが有線もしくは無線で繋がっている必要があります。
繋げ方は各プリンター(複合機)の説明書等をご確認ください。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で印刷設定を行う手順
クリスタで印刷設定を行うには、印刷したい作品の制作データを開いている状態で
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「ファイル」→「印刷設定」と選択することで印刷設定ウィンドウを開くことができます。
↓
この印刷設定ウィンドウにて印刷に関する各設定を行います。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)印刷設定の各項目の意味
クリスタ印刷設定「出力時にレンダリング結果をプレビューする」
チェックを入れますと、印刷を実行する直線にプレビューウィンドウが開くようになります。
こちらでズームイン・アウトなどの操作で印刷される内容を確認することができ、
「OK」を選択しますと印刷が実行されます。
このプレビューウィンドウでの画質は荒いですが、あくまでプレビューですので印刷される内容は元の制作データの画質になりますのでご安心を。
画質よりも印刷位置や大きさなどを確認するために利用しましょう。
クリスタ印刷設定「印刷サイズ」
印刷する際の大きさや位置・向きなどを5種類の選択肢から選択します。
「実寸」
キャンバスサイズの単位が「mm」や「cm」などで表す実際のサイズでの印刷サイズになります。
※「px」はデジタルデータにおけるサイズになります。
キャンバスの単位はキャンバスサイズの変更ウィンドウにて切り替えることができますので、ここで実際のサイズを確認することができます。
参考記事
「用紙に合わせて拡大縮小する」
印刷する用紙のサイズに合うように作品のサイズを拡大縮小して印刷されるようになります。
家庭用のプリンターの多くはA4サイズですので、B4サイズの漫画を制作した場合でも縮小して全体を印刷することができるわけですね。
「ピクセル等倍」
クリスタ公式のリファレンスガイドでは
「画像のピクセルと画面のピクセルを、1対1のサイズになるようにして印刷します。」
と表記があるのですが、いまいちよく分かりません。
手元のクリスタで試したところ、私の環境では解像度が600 dpi が基準になっており、解像度600 dpi のキャンバスだと100%のサイズで印刷されますが、解像度72 dpi のキャンバスですと[72 ÷ 600=0.12]となり12%のサイズまで縮小されました。
このようにキャンバスの解像度によって印刷サイズが変わるものと思われます。
それぞれの印刷環境によって変わるかもしれませんが、こういった計算をしなければならないのでこの「ピクセル等倍」は少々ややこしい設定になりますね。
「袋とじ」(EXのみ)
こちらは主に複数ページ作品を印刷する際に利用しますが、1枚のイラストでも利用できます。
例えば以下のような見開きページを印刷する場合、2枚に分かれて印刷されます。
↓
この時のサイズは元のサイズに関わらず印刷用紙のサイズに拡大縮小されます。
この印刷された用紙を山折りで束ねることで本の形状にすることができます。
↓
制作データではトンボ(裁ち落とし線)より外側に描画していても、印刷したものには外側に余白ができるようですね。
ちなみに1枚イラストの場合は右側(左ページ)に印刷されます。
「見開きページ」(EXのみ)
こちらは主に複数ページ作品を印刷する際に利用しますが、1枚のイラストでも利用できます。
例えば以下のような見開きページを印刷する場合、1枚の用紙に2ページ分印刷されます。
↓
この時のサイズは元のサイズに関わらず印刷用紙のサイズに拡大縮小されます。
ただし、元の見開きページが「トンボを合わせる」設定で内側(ノド部分)を繋げていたとしても印刷される内容は内側のカットされていた部分(重複部分)も表示されるようになります。
これは、用紙を谷折りにして本の形状にする際の「綴じしろ」にするためだと思われます。
クリスタ印刷設定「用紙を90度回転する」
チェックを入れますと、絵の向きはそのままで用紙だけ90度回転されて印刷されるようになります。
クリスタでは縦長が基本になるため、横長のキャンバスの場合でもそのままでは縦長のキャンバスの向きで印刷されてしまいます。
こういった場合に「用紙を90度回転する」にチェックを入れることで横長のキャンバス全体を印刷することができるようになります。
クリスタ印刷設定「出力イメージ」
印刷する内容にクリスタのキャンバスで表示している「下描き(レイヤー)」「トンボ」「基本枠」「テキスト(レイヤー)」「作品情報」「ノンブル」「軌跡」「セーフライン」を表示するかをチェックで選択できます。
※キャンバスに表示されていないものはチェックを入れることができなくなっています。
特に「テキスト」は、チェックを入れておかないとテキストツールで入れたセリフなどの文字が印刷したデータに表示されなくなるので注意しましょう。
また、印刷した用紙から製本作業を行いたい場合は「トンボ」の表示が必要になってきますね。
クリスタ印刷設定「出力範囲」(EXのみ)
基本的に漫画原稿用紙を印刷する際に設定します。
印刷する範囲を「ページ全体」「トンボの裁ち落としまで」「トンボの内側まで」の3つから選択できます。
※「印刷サイズ」にて「袋とじ」を選択している場合は設定できません。
作品部分のみ印刷したい場合は「トンボの裁ち落としまで」か「トンボの内側まで」のいずれかを選択しましょう。
クリスタ印刷設定「表現色」
どんな色で印刷するかを「最適な色深度を自動判別」「モノクロ2階調(閾値)」「モノクロ2階調(トーン化)」「グレースケール」「RGBカラー」の5つから選択できます。
●「最適な色深度を自動判別」
こちらを選択した場合、元データの各レイヤーの表現色の設定から表現色を自動で決めてくれるのですが、自分の思っている表現色にならない可能性がありますのでこちらは選択せず、しっかり指定した方が確実です。
●「モノクロ2階調(閾値)」※閾値=いきち
モノクロ(白黒)の漫画原稿やイラストとして印刷したい場合に選択します。
「閾値」の方を選択すると、絵の中にカラーやグレーの部分があった場合に色の濃さや明るさ(輝度)によって「黒」か「白」のどちらかに変換されます。
また、元データがカラーの場合でもこちらを選択することでモノクロデータとして印刷することもできます。
こちらで実験したところ、ちょうど中間の濃さで黒か白に分かれるようです。
●「モノクロ2階調(トーン化)」
モノクロ(白黒)の漫画原稿やイラストとして印刷したい場合に選択します。
「トーン化」の方を選択すると、絵の中にカラーやグレーの部分があった場合に色の濃さや明るさによってそれに合わせた網点トーンに変換されます。
※トーンの線数はキャンバスに設定された「基本線数」の値になります。
また、元データがカラーの場合でもこちらを選択することでモノクロデータとして印刷することもできます。
※「トーンレイヤー」に関する設定ではないので注意して下さい。
※「トーンレイヤー」に関する設定は後述の「色の詳細設定」で行います。
●「グレースケール」
白黒とグレーの濃淡で表現された絵として印刷したい場合に選択します。
また、元データがカラーの場合でもこちらを選択することでグレースケールデータとして印刷することもできます。
●「RGBカラー」
モニターやデジタル画面で表現するカラーの漫画原稿やイラストとして印刷したい場合に選択します。
※元データがモノクロやグレースケールの場合にこちらを選択してもカラーになるわけではありません。
クリスタ印刷設定「色の詳細設定」
こちらを選択しますとさらにウィンドウが1つ開き、そこでさらに細かい設定ができます。
「トンボ・基本枠・セーフライン」
「出力イメージ」の項目で「トンボ」「基本枠」「セーフライン」にチェックを入れている場合、それらの線をどの色で表示するかを設定できます。
「表示色で出力」「シアンで出力」「黒で出力」の3つから選択します。
※「基本枠」「セーフライン」の線は絵の上に入る可能性があるので注意して下さい。
※ここで設定しても、「表現色」の設定が優先されますので、カラー表示にしたい場合は「表現色」で「RGBカラー」を選択している必要があります。
「表示色で出力」を選択した場合はクリスタ上で表示されている色で表示されます。
「トーン線数」
漫画原稿やイラストでトーン(トーンレイヤー)を使用している場合に設定します。2つの選択肢から1つを選択して下さい。
●「出力倍率に依存する」
元データのサイズからの拡大・縮小に合わせてトーンの線数も同じ比率で拡大・縮小します。
つまり、元データと同じ見え方で出力されます。
●「レイヤー設定に従う」
サイズの拡大・縮小関係なく、元のデータで設定してある線数で印刷されます。
ですので印刷サイズが元データより小さくなれば、トーンの隙間が大きくなり、印刷サイズが元データより大きくなればトーンの隙間は小さくなるということです。
「レイヤーに付与されたトーン効果を有効にする」
チェックボックスにチェックを入れることでトーンレイヤーの「レイヤープロパティ」内の「効果」の項目にある設定を印刷に反映させることができます。
ここにチェックを入れないとトーンレイヤー部分の設定が印刷内容に反映されません。
逆を言えば、ここのチェックを外し、「表現色」を「グレースケール」にすればトーンレイヤー部分をグレーにして印刷することができます。
「軌跡の出力設定」
どちらもアニメーションで扱う「軌跡」に関する設定ですのでイラストや漫画を印刷する場合は気にしなくて大丈夫です。
こちらでの内容の説明も割愛させていただきます。
詳しく知りたい方はクリスタ公式のリファレンスガイドを参考にしていただければと思います。
クリスタ印刷設定「拡大縮小時の処理」
印刷サイズが元データのサイズと異なり、拡大・縮小する場合の処理方法を「イラスト向き」と「コミック向き」の2つから選択できます。
その名の通り「イラスト向き」は普通のイラストを印刷する時に、「コミック向き」は漫画原稿を印刷する時に選択しましょう。横にも説明が書いていますが、それぞれに適した処理を行ってくれます。
※イラストを印刷する時に「コミック向き」を選択するなど、異なる項目を選択しても印刷は可能です。
また、「コミック向き」を選択した場合はさらに「品質優先」か「高速」のどちらかを選択できます。
※「イラスト向き」の場合は自動で「品質優先」になります。
処理を画質か速度、どちらを優先するかの選択です。個人的にはどちらでも画質は大きく違いを見つけられなかったのですが、やはりせっかく制作したものですから「品質優先」にしたいところですね。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で印刷設定を終えたら
印刷設定を完了する場合
クリスタの印刷設定で各設定を行い「OK」を押せばウィンドウが閉じて設定完了となります。
以降、CLIP STUDIO PAINT画面上部から「ファイル」→「印刷」と選択して印刷をする時はこの設定が適用されます。
↓
そのまま印刷を行う場合
「印刷実行」を選択すればクリスタのファイルメニューで「印刷」を選択した時と同じ動作になります。
そのまま操作を続ければ印刷が開始されます。
※「印刷実行」を押すとすぐに印刷が開始されるわけではないのでご安心を。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)から印刷してみよう!
クリスタでは、制作データを画像データとして書き出し、そのデータを印刷するという方法もあります。
クリスタで書き出し!作品を画像ファイルで保存する方法と補足説明!!
しかし、「印刷設定」を行い、制作データから直接印刷することで書き出しを行わずに作品を印刷することもできます。
印刷所に依頼する場合は書き出しデータを提出、ご自身で製本などの作業を行う場合は直接印刷など、用途に応じて使い分けましょう◎
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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