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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
イラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)には線や描画部分に「フチ」を簡単に付けることができる「境界効果」機能があります。
今回はこの「境界効果」の使用・設定方法とその使用例を紹介させていただきますのでよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!
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CLIP STUDIO PAINT EXCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)でフチを作れる「境界効果」とは
「境界効果」はクリスタのレイヤー効果の1つ!
クリスタでフチを作ることができる「境界効果」は1枚のレイヤーに対して設定するレイヤー効果の1つになり、レイヤーパレットにて各レイヤーごとに設定する形になります。
そのため、そのレイヤーの全ての描画部分に効果が出ます。
レイヤー効果を出したくない部分がある場合はレイヤーを分けましょう。
●ラスターレイヤー●ベクターレイヤー●レイヤーフォルダー●テキストレイヤー●フキダシレイヤー●集中線レイヤー●画像素材レイヤー●3Dレイヤー
クリスタの「境界効果」では2種類のフチを作れる!
クリスタの「境界効果」には「フチ」と「水彩境界」の2種類から選択することができます。
「フチ」
描画部分の外側にくっきりとしたフチを付けてくれます。色も自由に設定できます。
「水彩境界」
水彩絵の具で描いたようなにじむフチを付けてくれます。色味は描画部分の影響を受けます。
こちらは描画部分の外側にも効果が出るのですが、描画部分の内側により強く効果が出ます。
「境界効果」はクリスタPRO・EXどちらでも利用できる!
「境界効果」はクリスタEXはもちろん、下位グレードのクリスタPROでも利用することができます。
参考記事:クリスタPROとEXの機能の違い全29項目を紹介します!!
CLIP STUDIO PAINT PRO
CLIP STUDIO PAINT EX
ただし、簡易版のクリスタDEBUTでは利用できませんので注意しましょう。
参考記事:クリスタDEBUTのできる・できない機能全て紹介!-製品版との違い-
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)「境界効果」でフチを作る方法と設定
困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!
「境界効果」はクリスタのレイヤープロパティで設定する!
クリスタの「境界効果」はレイヤープロパティにてアイコンをタッチすることで使用することができます。
「境界効果」のアイコンをタッチしますとレイヤープロパティ内に細かい設定項目が表示されるようになります。
まずは「境界効果」の項目で「フチ」か「水彩境界」かを選択しましょう。
選択した境界効果によって設定内容も変わります。
境界効果【フチ】の設定内容
レイヤープロパティ「境界効果」の項目で「フチ」のアイコンを選択しますと設定できます。
●「フチの太さ」
その名の通りフチの幅を設定できます。
単位はクリスタ環境設定「定規・単位」カテゴリーの「長さの単位」項目にて設定した単位になります。
●「フチの色」
その名の通りフチの色を設定できます。
設定方法は2パターンあり、カラー表示部分をタッチして開く「色の設定」ウィンドウにて色を指定してから「OK」を押す方法と
カラーパレットで色を指定した状態でバケツアイコンをタッチする方法があります。
●「フチのアンチエイリアス」
チェックを入れることでフチをぼかしてく滑らかな表示にしてれるようになります。ぼかしの強さは調整できません。
境界効果【水彩境界】の設定内容
レイヤープロパティ「境界効果」の項目で「水彩境界」のアイコンを選択しますと設定できます。
●「範囲」
水彩境界が表示される範囲を設定します。数値が大きいほど内側に広がっていきます。
単位はクリスタ環境設定「定規・単位」カテゴリーの「長さの単位」項目にて設定した単位になります。
●「透明度影響」
水彩境界の表示部分の不透明度を設定します。
数値が大きいほど濃く表示されます。(表示範囲も多少変動します。)
●「明度影響」
水彩境界の表示部分の明るさを設定します。
数値が大きいほど暗く(黒っぽく)表示されます。
●「ぼかし幅」
水彩境界の表示部分のぼかし具合を設定します。
数値が大きいほどぼやけが強くなります。
単位はクリスタ環境設定「定規・単位」カテゴリーの「長さの単位」項目にて設定した単位になります
【補足】クリスタのブラシにも「水彩境界」の設定がある
この記事で紹介している「境界効果」では選択中のレイヤー全体に効果を与えるものですが、クリスタではブラシ系ツールにて描画部分に水彩境界の効果を付ける設定項目があります。
詳しくは以下の記事を参考にしていただければと思います。
CLIP STUDIO PAINT「境界効果」の仕様に関して
「境界効果」のフチはレイヤーマスクの影響を受ける
クリスタには描画部分を部分的に非表示にできるレイヤーマスク機能があります。
このレイヤーマスクを作成した状態で「境界効果」を設定しますとレイヤープロパティに「効果範囲」という項目が追加され、「画像」と「マスクした画像」の2つから選択できるようになります。
ここでで「画像」を選択していますと「境界効果」で表示させたフチも部分的に非表示にすることができます。
「マスクした画像」にしますとレイヤーマスクで非表示にした描画部分に合わせてフチを作成してくれます。
クリスタの「境界効果」を描画部分として変換したい場合
クリスタの「境界効果」はレイヤー効果の機能ですのでフチの表示部分は「描画部分」とはみなされません。
例えば、「ガウスぼかしフィルター」で描画部分をぼかした場合でもぼやけるのは描画部分のみで境界効果部分はぼやけません。
しかし、「境界効果」を設定しているレイヤーを「ラスタライズ(ラスターレイヤーに変換)」することで「境界効果」によって表示されているフチ部分を描画部分に変換することができます。
こうすることでこのフチ部分をツールや編集機能で編集することができるようになります。
先ほどの「ガウスぼかし」もちゃんと反映されるようになりますよ。
ただし、「境界効果」の設定変更などは当然できなくなりますので注意しましょう。
複数のレイヤーにまとめて「境界効果」を利用したい場合
「線画」「カラー」「陰影」など複数のレイヤーを使って描いた絵に対してまとめて「境界効果」を使用したい場合は、レイヤーをまとめてレイヤーフォルダーに入れ、そのレイヤーフォルダーに境界効果を設定します。
こうすることで「レイヤーフォルダー内にあるレイヤー全てをまとめた上での外側」のみにフチを表示させることができます。
「境界効果」を利用した描画にさらにフチを付けたい場合
クリスタの「境界効果」によって表現した絵にさらにフチを付けたい場合は、その絵が描画されているレイヤーをレイヤーフォルダーに入れ、そのレイヤーフォルダーに「境界効果」で「フチ」の設定を行いましょう。
こうすることで「境界効果」を二重に設定することができます。
関連記事
クリスタ「境界効果」の注意点…!
「境界効果」の表示範囲に注意…!
クリスタの「境界効果」はそのレイヤーの描画部分のフチに表示されるものです。
つまり、描画部分が繋がっている場合はフチも繋がってしまいます。
それぞれにフチを作成したい場合はレイヤーを分けてそれぞれに「境界効果」の設定を行いましょう。
線画にフチを作る場合の注意点…!
クリスタの「境界効果」で線画にフチを作る場合、線画の内側にもフチが作られてしまいます。
色塗り用のレイヤーを線画用レイヤーより下に配置している場合は内側のフチが邪魔になってしまいます。
これを防ぐために、先述の『複数のレイヤーにまとめて「境界効果」を利用したい場合』で紹介したようにレイヤーフォルダーでまとめ、そのレイヤーフォルダーに対して境界効果を設定するわけです。
「境界効果」は表現色の影響を受けない…!
レイヤーの表現色が「モノクロ」になっているとしても、「境界効果」でカラーの「フチの色」やぼかし表現がある「水彩境界」を設定した場合はそのまま設定通りに表示されます。
他の描画ツールでは表現色通りに表示されますので混乱しないように注意しましょう。
もちろん書き出し時に設定した表現色の影響は受けますのでそこはご安心を。
【補足】クリスタで「境界効果」以外でフチを作成する方法
補足として紹介させていただきます。
まず「シュリンク選択ツール」や「自動選択ツール」、レイヤーメニューの「レイヤーから選択範囲」→「選択範囲を作成」などでフチを作成したい描画部分の内側に選択範囲を作成しましょう。
そしてCLIP STUDIO PAINT画面上部から「選択範囲」→「選択範囲を拡張」と選択し、「拡張幅」と「拡張タイプ」を設定して「OK」を押しましょう。
↓
この「拡張幅」がフチの幅(太さ)になります。
選択範囲が描画部分より広めに拡張しましたらフチを作成したい部分が描画されているレイヤーより下に新しくラスタレイヤーを作成し、お好みの色で塗りつぶしを行いましょう。
これでフチの表現ができます。
この方法でしたら合成モードを利用した表現もできますね。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)「境界効果」の使用例
キャラクターのフチ取り
キャラクターにフチ取りして目立たせることができます。
描き文字やテキストのフチ取り
クリスタで漫画制作を行う際に描き文字をフチ取りして背景などに埋もれないようにできます。
こちらも内側を塗りつぶしたりトーンを貼る場合は内側のフチに注意しましょう。
ただしモノクロ漫画の場合は塗りつぶしやトーンのレイヤーを上に配置するだけで解決できます◎
※トーンの場合は内側を別レイヤーで白く塗りつぶす必要はありますが。
また、文字だけでなく笑っている時の記号など(漫符)にも使用できますね。
さらにクリスタの「境界効果」はテキストレイヤーにも使用できますので、フキダシのないセリフの表現にも利用できます。
棒や紐といった枠線の描画
フチに黒などの色を設定し、白色で描画することで棒や紐などの枠線(外枠)が必要となる描画を簡単にできるようになります。
こちらを利用すれば「柵」「フェンス」「靴紐」といった少々面倒な描画も簡単に描くことができます◎
ただし、紐の結び目などフチが繋がっては困る部分はレイヤーを分けましょう。
また、この方法で枠線を作成した場合、すでに「境界効果」を使用しているためフチの作成ができなくなります。
ここからさらにフチを作成したい場合は先述の通り、レイヤーフォルダーに入れて「境界効果」を使用しましょう。
線画なしでフチを表現
色塗り部分のみで絵を表現したい場合、「水彩境界」を利用することで柔らかいフチを表現することができます。
こちらも表示させたいフチの位置や設定によってレイヤー分けをしっかり行いましょう。
フチの内側を透明にしたい(フチのみ表示させたい)場合
クリスタの「境界効果」は描画部分のフチに表示されるものですので「透明色」で描画してもそれは「描画していない」と同じ意味になりますのでフチも表示されません。
つまり、何かしらの色で描画する必要があります。しかしそうなりますとフチの内側を透明にすることができなくなってしまいます。
この「境界効果」によって表示されたフチの内側を透明にしたい場合は内側をレイヤーマスクで非表示にしましょう。
※「効果範囲」が「画像」になっていることを確認しましょう。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の「境界効果」でフチ表現を使いこなそう!
クリスタの「境界効果」を利用すればあっという間にフチを作成することができます。
このフチがあるとないとで絵や文字の印象や見えやすさも変わってきます。
※逆にあえてフチを付けない表現をするという場合もありますが。
設定も難しいものではありませんのでお気軽にフチ表現としてご利用ください◎
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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