クリスタで凸面凹面表現!歪曲収差補正フィルターの使い方!!

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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。

イラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)には選択中のレイヤーに様々な効果を与える「フィルター機能」があります。

今回はその中でもVer.2.0から追加された画像や絵を膨らみ、もしくは凹み表現に変換できる「歪曲収差補正フィルター」の使い方・設定項目の意味を紹介させていただきます。

それではよろしくお願いしたします
( `・∀・´)ノ!


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参考記事:クリスタを購入する3つの方法と手順紹介!!

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の歪曲収差補正フィルターとは

クリスタで画像を膨らんだ・凹んだ表現に変換できるフィルター機能!

クリスタの「歪曲収差補正」フィルターは、画像や絵を膨らんだ、もしくは凹んだ表現に変換できる機能になります。

クリスタの歪曲収差補正フィルター
注意

使用する画像やイラストは自身が著作権を所有しているもの、もしくは著作権を所有している方から許諾を得ているものにしましょう。

無断で他人の画像やイラストを使用・加工するのは著作権違反です。

そもそも「歪曲収差(わいきょくしゅうさ)補正」とは

「歪曲収差補正」というのは本来、カメラの機能になります。

平面のものを撮ってもレンズの特性によって画像が歪んで映ってしまう現象の一種を「歪曲収差」と呼び、その歪みを補正するのが「歪曲収差補正」というわけですね。

歪曲収差補正


つまり「歪曲収差補正」とは本来は画像や絵を歪ませるのではなく、画像や絵の歪みをなくすように補正する機能なのです。

クリスタでの「歪曲収差補正」フィルター

「歪曲収差補正」とは本来前項で述べた機能ですので、クリスタに読み込んだ画像の歪みを修正するといった作業も行えるわけですが、その機能を利用して逆に画像や絵に歪みを加えて膨らんだ・凹んだ表現に変換するといった使い方もできるわけですね。

クリスタの歪曲収差補正フィルター(膨らみ・凹み)

歪曲収差補正フィルターが使えるのはクリスタVer.2.0以降

クリスタの「歪曲収差補正フィルター」を使用するにはクリスタをVer.2.0以降にアップデートする、もしくはVer.2.0かVer.3.0のクリスタを購入する必要があります。

【クリスタVer.3】アップデートプランの契約方法を紹介します!!

クリスタを無期限Ver.2・Ver.3に!優待バージョンアップ購入方法!

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の歪曲収差補正フィルターの利用手順!

困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!

クリスタの「歪曲収差補正フィルター」を利用できるレイヤーを用意する

キャンバス上に歪曲収差補正フィルターを使用するレイヤーを用意する

クリスタのフィルター機能は1枚のラスターレイヤーに対して使用する形になります。
このレイヤーを用意する方法はいくつかあります。

画像を読み込む

クリスタで画像を読み込む方法は以下の記事を参考にしていただければと思います。

クリスタで画像を読み込み・挿入させる4つの方法!!

絵や柄を描画する

クリスタのキャンバス上に自身で絵や柄・模様を直接描画します。

フィルター機能を使用できるのは1枚のラスターレイヤーですので複数枚のレイヤーで作成されている場合は結合させて1枚のレイヤーにしておきましょう

クリスタでレイヤーを1つにする結合方法とその仕様を紹介!!

必要であればラスタライズしよう

クリスタのフィルター機能を使用できるのはラスターレイヤーです。

そのため、それ以外のレイヤーにフィルター機能を使用したい場合はラスターレイヤーに変換(ラスタライズ)する必要があります。

※元のレイヤー機能はなくなりますので注意しましょう。


ラスタライズは変換したいレイヤーを選択している状態でCLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「ラスタライズ」と選択することで実行できます。

クリスタ「ラスタライズ」

【補足】クリスタの選択範囲機能でフィルター効果範囲を指定することも可能

クリスタでは、キャンバス上に選択範囲を作成して編集可能範囲を指定することができます。

クリスタの選択範囲

クリスタ4つの「選択範囲」作成方法とその機能!!


この選択範囲を作成している状態でフィルター機能を使用しますと、その選択範囲内だけにフィルター効果を与えることができます。

クリスタの歪曲収差補正フィルター(選択範囲)

クリスタのフィルターメニューから「歪曲収差補正」を選択!

レイヤーの準備ができましたら、歪曲収差補正フィルターを実行しましょう。

歪曲収差補正フィルターを使用するレイヤーを選択した状態で
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「フィルター」→「変形」→「歪曲収差補正」と選択しましょう。

クリスタのフィルター「歪曲収差補正」


すると以下のような設定ウィンドウが開きますのでここで目的の表現に合うように各項目の数値を入力・調整して「OK」を押すことで選択中のレイヤーを変換・変形することができます。

※キャンバスサイズ・解像度によっては変換に数秒かかる場合があります。

クリスタの歪曲収差補正フィルター設定ウィンドウ


クリスタのフィルター機能は実行後に再設定ができませんので、変換前に戻したい場合はクリスタの「取り消し」機能を利用しましょう。

ポイント

CLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「レイヤーを複製」と選択することで選択中のレイヤーを複製できます。

この機能で元のレイヤーを残しておくこともできます。


「歪曲収差補正」フィルターの各設定項目の意味は次項で紹介します。

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)歪曲収差補正フィルターの設定項目の意味

ポイント

歪曲収差補正フィルターの設定ウィンドウにて「プレビュー」にチェックを入れておけば設定内容を変更した際にすぐその変化を画面上で確認できるようになります。

※初期状態で既にチェックが入っています。

クリスタの歪曲収差補正フィルター「プレビュー」


プレビュー表示は数値を変更するだけで反映されますので直接数値を入力した際には[Enter]を押す必要はありません。
[Enter]を押すとフィルターの変換が実行されますので注意しましょう。

クリスタ歪曲収差補正フィルター設定:キャンバス上の「×」印

クリスタの「歪曲収差補正」フィルターの設定ウィンドウが開きますとキャンバス上に「×」印が表示されます。
これは膨らみ・凹み表現の頂点を表しています。

クリスタの歪曲収差補正フィルター「×」印


この「×」印はドラッグによって移動が可能です。
「×」印の位置によって変形具合も変わります。

※[Shift]を利用した垂直・水平方向への移動はできないようです。

クリスタの歪曲収差補正フィルター「×」印の移動
MEMO

この「×」印の初期位置は必ずしもキャンバスや選択範囲の中心点に表示されるわけではありません

キャンバスの中心点を確認したい場合は「グリッド表示」を利用するといいでしょう。

クリスタサポート機能グリッド・ルーラーのおすすめ設定!!

「×」印が示す位置に関して

「×」印は変換前の画像・絵の位置を示しています。

そのため、プレビュー表示されている状態で「×」印を移動させますと思った位置にならない場合もあります。

クリスタの歪曲収差補正フィルター「×」印の移動失敗例


「×」印の移動は「プレビュー」のチェックを外して行うとやりやすいでしょう。

※「×」印は「プレビュー」のチェックを外しても表示してくれます。

クリスタの歪曲収差補正フィルター「×」印(プレビューなし)

クリスタ歪曲収差補正フィルター設定:歪み

歪曲収差補正によって変形させる方向と強さを「-1.00」~「1.00」で設定します。

クリスタの歪曲収差補正フィルター「歪み」

「+」数値の場合

「歪み」の数値が「+」の場合は「×」印を頂点に膨らんだ表現になります。
変形としては外側から「×」印方向に圧縮する形になりますので、「1.00」に近付くほど元の画像より小さく、丸みを帯びた形状になります。

クリスタの歪曲収差補正フィルター「歪み」(+数値)


最大値になりますと円に近い状態になりますね。

※円形になるわけではありません。

「-」数値の場合

「歪み」の数値が「-」の場合は「×」印を頂点に凹んだ表現になります。
変形としては外側に向かって引き伸ばす形になりますので、「-1.00」に近付くほど外側の部分が伸ばされていきます。

クリスタの歪曲収差補正フィルター「歪み」(-数値)


ただし、凹み表現ですので端が直線の場合は「×」印に向かって凹んだ形になります。

クリスタの歪曲収差補正フィルターの凹み表現

「0」の場合

「歪み」の数値が「0」の場合は全く変化がない状態になります。

【補足】「歪み」の数値と変換結果の関係性

歪曲収差補正フィルターにて、「歪み」の数値をどのくらいにしたらどのくらい画像が変形するのかを手元のクリスタで検証してみたのですが、はっきりとした計算式を割り出すことができませんでした…。

「歪曲収差」で検索してみると複雑な計算式も出てきましたので簡単に割り出せるものではないのかもしれません。

ちなみに1000px × 1000pxの正方形に歪曲収差補正フィルターを使用し、「歪み」を「1.00」にしたところ、約35%の大きさまで収縮されました。

クリスタの歪曲収差補正フィルター「歪み:1.00」

クリスタ歪曲収差補正フィルター設定:拡大率

クリスタの歪曲収差補正フィルター「拡大率」


その名の通り、変形対象の大きさを「10」~「500」で設定します。
単位は「%」になります。

クリスタの歪曲収差補正フィルター「拡大率」


「100%」が等倍(×1)というわけですね。

ただし前項で述べたように、「歪み」の数値を変更させますと元の画像が縮小・拡大されますので数値が「100」の場合でも元の画像と同じサイズになるわけではありません。

クリスタの歪曲収差補正フィルター「拡大率:100」


「歪み」の数値によって変わった全体的な大きさを調整するのに利用すればいいでしょう。

【補足】クリスタ歪曲収差補正フィルターの効果範囲

クリスタの歪曲収差補正フィルターは(選択範囲を作成していない場合は)キャンバス全体が効果範囲になります。

クリスタの歪曲収差補正フィルターの効果範囲


キャンバスの外側にも描画部分があるレイヤーで歪曲収差補正フィルターを実行した場合、キャンバスの外側にあった部分は歪曲収差補正フィルターの効果が反映されていません。

クリスタの歪曲収差補正フィルター(キャンバスの外側)

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で歪曲収差補正フィルターを使用した後に編集も可能

クリスタのフィルター機能はラスターレイヤーに対して行うものです。

そのため、歪曲収差補正フィルターを使用したレイヤーも後からクリスタの様々なツールで加筆・変形などの編集が行えます

クリスタの歪曲収差補正フィルター使用後に編集


フィルターだけでうまく表現できなかった場合は追加で編集しましょう。

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)歪曲収差補正フィルターの使用例

私が思いつく範囲ではありますが紹介させていただきます。

歪み表現

イラストや画像を歪ませた表現に変換します。

クリスタの歪曲収差補正フィルター(イラストの歪み表現)

圧縮表現

「歪み」の数値を「+」にすることで変換対象を球状に圧縮したような表現にできます。

クリスタの歪曲収差補正フィルター(圧縮表現)

アイコン・ロゴ制作

抽象的な模様や図形を歪ませることでアイコンやロゴを作成することができます。

クリスタの歪曲収差補正フィルターでロゴ作成

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のその他の似たフィルターとその違い

つまむフィルター

「つまむ」フィルターも「×」印に向かって突き出した・押し込んだ表現が可能ですが変形具合に関しては「歪曲収差補正」の方が丸みがあり、「つまむ」の方は鋭い印象です。
また、「歪曲収差補正」は全体が変形されますが、「つまむ」は四隅部分が変形されません

クリスタの歪曲収差補正フィルターとつまむフィルター

クリスタで押し込み・突き出し表現!つまむフィルターの使い方!!

曲面投影フィルター

「曲面投影」フィルターも曲線的な膨らみ・凹みを表現することが可能ですが、こちらも「つまむ」同様四隅部分が変形されません

クリスタの歪曲収差補正フィルターと曲面投影フィルター

クリスタで球面・円柱変換!曲面投影フィルターの使い方!!

魚眼レンズフィルター

「魚眼レンズ」フィルターは「歪曲収差補正」と同じように全体を変形させることができ、さらに歪ませる度合いも「魚眼レンズ」の方が強いです。

クリスタの歪曲収差補正フィルターと魚眼レンズフィルター


しかし「魚眼レンズ」では凹み表現ができず、「歪曲収差補正」のように拡大・縮小の設定がありません
(フィルター使用後に変形機能を使って拡大・縮小することができますが)

クリスタで魚眼表現!魚眼レンズフィルターの使い方!!

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の歪曲収差補正フィルターを活用してみよう!

クリスタVer.2.0から追加された歪曲収差補正フィルターは項目が2つだけのシンプルなフィルターになっており、扱いやすいかと思います。

また、その内の1つは他のフィルターにはなかった拡大・縮小の設定となっております。

歪み系のフィルターを軽く使用してみたい方はこの歪曲収差補正フィルターから始めてみるのもいいかもしれませんね◎


それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!


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