※記事内に広告を含みます
皆さん、閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
今回はイラスト・漫画描画ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)でコマ枠からはみ出す絵の描き方を紹介させていただきます。
こんな感じのコマですね↓
こういったコマをクリスタの機能を駆使して作成することができます◎
作成方法は色々なパターンがあるのですが、その中で私個人が便利と思った作成方法を述べていきたいと思います。
それではよろしくお願いいたします( `・∀・´)ノ!
▼イラスト・簡単な漫画なら【CLIP STUDIO PAINT PRO】
CLIP STUDIO PAINT PRO▼本格的な漫画・アニメーション制作なら【CLIP STUDIO PAINT EX】
CLIP STUDIO PAINT EX目次
- アナログ制作とCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)制作との違い
- まずはCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で基本的なコマ枠を作成しよう!
- (コマ枠からはみ出す絵も含めて)ペン入れまで進めよう!
- CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のレイヤーパレットでコマ枠の配置を変えよう!
- CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の機能で絵に重なる箇所を非表示にしてコマ枠からはみ出す絵を完成させよう!!
- CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)でのその他のコマ枠からはみ出す絵の作成方法
- CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)コマ枠を使いこなして漫画制作を楽しもう!
アナログ制作とCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)制作との違い
アナログでコマ枠からはみ出す絵を表現する場合、はみ出す絵と重なるコマ枠、別のコマの絵などはこのはみ出す絵に注意しながら描かないといけなくなります。
線が途切れる絵を描こうとすると線に勢いが出せなかったり、全体を描いてから不要な箇所を修正液で消すという方法をとっても原稿が凸凹になったり余計に汚れてしまう可能性だってあります。
こういった不安をクリスタで作業を行うことで解消することができます!
これから紹介する作業はクリスタEXはもちろん、少しお安いクリスタROでもできますよ◎
※「見開きページ」の作成は「EX版」でしかできませんのでご注意を。
CLIP STUDIO PAINTダウンロード版のご購入は以下のリンクから行うことができます。
CLIP STUDIO PAINT PRO
CLIP STUDIO PAINT EX
次項からその具体的な作成方法を紹介していきます。よろしければ参考にしてみて下さい◎
まずはCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で基本的なコマ枠を作成しよう!
最初にクリスタの機能を使い、基本的なコマ枠を作成していきましょう。
作成方法は以下の記事を参考にして下さい◎
クリスタの漫画コマ枠作成&コマ割り方法!2ステップ+αで簡単!!
(コマ枠からはみ出す絵も含めて)ペン入れまで進めよう!
ここで紹介する方法は、クリスタでコマからはみ出す絵をペン入れまで進めた後に、その絵をコマ枠の外にはみ出させ、さらにその絵に重なるコマ枠や他のコマを非表示にするという方法です。
ですので絵がはみ出す範囲や非表示にする範囲を決める為にまず全ての絵をペン入れまで進めましょう。
この時、他のコマ枠の絵もペン入れしてもらっても大丈夫です◎
コマからはみ出す絵の描画は、コマ枠フォルダー内で行うとコマ枠外の線が見えないので一時的にどのコマ枠フォルダーにも入らない位置にレイヤーを配置して行いましょう。
その際に、絵に重なるコマ枠を非表示にすれば描画もやりやすいですね。
描画が終われば、絵が描かれたレイヤーをドラッグして配置したいコマのコマ枠フォルダーに移動させましょう。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のレイヤーパレットでコマ枠の配置を変えよう!
クリスタを含め、デジタルの描画ソフトはレイヤーという透明な紙の上に絵を描き、それを何枚も重ねることで1枚のイラストや漫画原稿になります。
ここで大事なのがレイヤーの上下関係です。
CLIP STUDIO PAINT画面右下にあるレイヤーパレットでは以下のように表示されています。↓
このレイヤーパレットの並びがそのままレイヤーの上下関係を表しています。
つまりコマ枠をはみ出す絵が入るコマ枠フォルダーは、はみ出す絵と重なるコマのコマ枠フォルダーより上に配置する必要があります。
この配置がしっかりできていないと、次項の工程を行ってもうまく表示してくれなくなります。
クリ↓のコマ枠フォルダーの移動はドラッグで簡単に行えますよ。
ちなみにレイヤーパレット内のコマ枠レイヤーの配置を変更して変わるのは上下関係だけです。コマ枠の配置が動くわけではないのでご安心を◎
今回例として出している漫画でしたら、2コマ目が1コマ目より上に配置しなければいけませんね。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の機能で絵に重なる箇所を非表示にしてコマ枠からはみ出す絵を完成させよう!!
ここからがこの記事のメインとなります。
クリスタのコマ枠を「ラスタライズ」しよう!
「ラスタライズ」とはラスターレイヤーに変換することです。
クリスタのコマ枠は「コマ枠フォルダー」で形成されるのですが、そのコマ枠は太さや形の修正はできますが、枠線を一部消すということができません。
関連記事
しかしラスタライズをしてコマ枠をラスターレイヤー上に引いたただの線に変えることでコマ枠の線の一部だけを非表示にすることが可能になります。
ただし、コマ枠フォルダーの機能は失われてしまうので注意して下さい。
ではやり方です。
レイヤーパレット内にあるコマからはみ出す絵が入ったコマ枠フォルダーをタッチして選択状態にします。
そしてCLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「ラスタライズ」と選択していきます。
すると、「コマ枠の形に線を引いたラスターレイヤー」と、「コマ枠の範囲からはみ出さない機能(マスク)を残したレイヤーフォルダー」の2つに分かれます。
参考記事
描画したレイヤーはこのレイヤーフォルダーの中に残っている状態です。
はみ出す絵があるコマに白背景のレイヤーを作成しよう!
※これ以降の工程はどの順番でやってもらっても問題ありません。
はみ出す絵があるコマ、つまり「コマ枠の範囲からはみ出さない機能(マスク)を残したレイヤーフォルダー」の中に白背景のレイヤーを作成することで、下に重なるコマ枠や絵を隠すことができます。
作り方は2パターンあります。どちらでも大丈夫です。
「べた塗りレイヤー」を作成する方法
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「新規レイヤー」→「べた塗り」と選択します。
すると「色の設定ウィンドウ」が出ますので「白」を選択しましょう。どの方法で「白」を選択してもらっても大丈夫です。
白を選択すると左上の表示の下半分が白色になります。
白を選択したら「OK」を選択しましょう。
全体を白色で塗りつぶしたレイヤーが作成されます。
最後に、作成した白背景のレイヤーをレイヤーフォルダーの最下層に移動させます。
こうしないと、このレイヤーより下にあるレイヤーが隠れてしまいます。
同様に、ベタやトーンのレイヤーもこのべた塗りレイヤーより上に配置しないと表示されなくなりますのでご注意を。
ラスターレイヤーを白で塗りつぶす方法
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「新規ラスターレイヤー」と選択してラスターレイヤーを作成します。
そして「カラーパレット」で「白」を選択した状態でCLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「塗りつぶし」と選択します。
※初期設定では[Alt(Option)]+[Delete]を入力することでも塗りつぶしが実行できます
するとラスターレイヤー全体が白色で塗りつぶしされます。
最後に、作成した白背景のレイヤーをレイヤーフォルダーの最下層に移動させます。
こうしないと、このレイヤーより下にあるレイヤーが隠れてしまいます。
同様に、ベタやトーンのレイヤーもこのラスターレイヤーより上に配置しないと表示されなくなりますのでご注意を。
クリスタでコマからはみ出す部分を表示させよう!
参考記事
はみ出させる絵が入っているレイヤーフォルダーの「マスクのサムネイル」を選択状態にします。
そして「ペンツール」などの描画ツールを使ってはみ出す部分を塗っていけば、絵がコマ枠を超えて表示されるようになります。
この時点ではまだコマ枠の線は残ったままですがちゃんと後で消せますのでご安心を◎
また、このマスクを利用したコマ枠の表示範囲を広げる作業は普通のマスク作業とは違い、非表示部分が別の色(↑画像では水色)になっているのでとても分かりやすいですね◎
関連記事
コマからはみ出す絵のフチをキレイに表示させる方法
上記のように「ペンツール」などを使い手作業で表示範囲を広げてもいいのですが、そうすると表示部分のフチがキレイにならない場合があります。
これを解消する方法もあります◎
まず、線画が描かれているレイヤーのサムネイルを[Ctrl(command)]を押しながらタッチしましょう。
するとそのレイヤー内の描画部分を範囲選択することができます。
この状態でCLIP STUDIO PAINT画面上部から「選択範囲」→「選択範囲を拡張」と選択していきます。
すると設定ウィンドウが表示され、「拡張幅」と「拡張タイプ」を設定することができるようになります。
●「拡張幅」
現在選択している範囲からどれだけ広げるかを数値で設定します。
入力した数値が大きい程、選択範囲を拡張する(広げる)ことができます。
●「拡張タイプ」
拡張するにあたり、角を付けるか丸くするかを選択できます。
今回の使用用途でしたら丸くする方がキレイかもしれませんね。
設定を入力し終えましたら「OK」を押しましょう。
すると入力した数値分、選択範囲が広がります。
元々線画部分を範囲選択したので線から入力した数値分広げた範囲を選択した状態です。
クリスタの選択範囲は、指定した範囲のみ描画などの作業を反映させる機能です。
ですので、この状態で(マスクのサムネイルを選択していることを確認し)描画ツールで表示部分を広げることで線画からフチまでの距離を均一にしたゆがみのないキレイな表示範囲にするできるのです◎
はみ出す絵の表示範囲の指定が終われば、CLIP STUDIO PAINT画面上部から「選択範囲」→「選択範囲を解除」と選択し、選択範囲を消しましょう。
そして、このままでは「線画から広げた範囲」しか表示してませんのでそれ以外でまだ非表示になっている部分は描画ツールを使って手動で表示させていきましょう。
「投げなわ選択ツール」などで範囲選択してから「塗りつぶし」で一気に表示させるのも1つの手ですね。
これでフチがキレイな状態でコマ枠からはみ出させることができました◎
コマからはみ出す絵のフチをぼかすのもアリ(グレー・カラー漫画の場合)
選択範囲を広げた後、選択範囲を残したままCLIP STUDIO PAINT画面上部から「選択範囲」→「境界をぼかす」と選択し、表示される設定ウィンドウで「ぼかす範囲」を入力してから「OK」を押すことで選択範囲のフチをぼかすことができます。
↓
この作業をしてから、描画ツールで表示させると表示部分のフチをぼかすことができますよ◎
↓
ただし、こういったぼかし効果はモノクロ制作では表現できませんので注意しましょう。
はみ出す絵と重なるコマ枠を消そう!
ラスタライズによってラスターレイヤーに変換されたコマ枠が引かれたレイヤーを選択し、はみ出す絵と重なる部分のコマ枠を消していきましょう。
「消しゴムツール」で完全に消してしまってもいいですし、「マスク」を作成して非表示にするのも1つの手ですね。
参考記事
個人的には「マスク」で非表示にする方が後で変更や調整も容易にできますのでおすすめです◎
また、絵との境目は先程のように「選択範囲」を利用してもいいですね。
クリスタでのコマからはみ出す絵の完成!!!
これでコマ枠からはみ出す絵ができました☆
あとはベタ塗り、トーンなどの仕上げ作業をして完成ですね!
文章だけでは長く感じるかもしれませんが工程を把握していればあっという間にできますよ◎
しかもデジタルですから修正が容易なのも助かる点ですね!
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)でのその他のコマ枠からはみ出す絵の作成方法
今回紹介させていただいた方法の他に、「コマ作成ツール」を利用する方法もあります。
詳しくは以下の記事で紹介していますので参考にしていただければなと思います。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)コマ枠を使いこなして漫画制作を楽しもう!
クリスタでのはみ出す絵があるコマ枠の作成方法の紹介は以上になります。
細かく紹介した為説明は長くなりましたが、クリスタのコマ枠の仕様と機能を知っていれば簡単に作成できますよ!
また、この紹介した方法を応用してご自身でさらに便利な作成方法を見つけるのもいいですね。
まだクリスタを持っていない方はこれを機に使用を検討してみてはいかがでしょうか◎
制作作業が快適になりますよ◎
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
▼イラスト・簡単な漫画なら【CLIP STUDIO PAINT PRO】
CLIP STUDIO PAINT PRO▼本格的な漫画・アニメーション制作なら【CLIP STUDIO PAINT EX】
CLIP STUDIO PAINT EX▼動画視聴型お絵描き講座【Palmie(パルミー)】