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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
イラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)には選択中のレイヤーに様々な効果を与える「フィルター機能」があります。
今回はその中でも画像やイラストを球面や円柱面に貼り付けたような形状に変換できる「曲面投影フィルター」の使い方・設定項目の意味を紹介させていただきます。
それではよろしくお願いしたします
( `・∀・´)ノ!
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CLIP STUDIO PAINT EXCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のフィルター機能とは
クリスタのフィルター機能の基本的な使い方・仕様は以下の記事で紹介していますので参考にしていただければと思います。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の曲面投影フィルターとは
クリスタで画像を球面・円柱面の形状に湾曲させるフィルター機能!
クリスタの「曲面投影」フィルターは画像や絵を湾曲させて球や円柱の面に貼り付けたような表示に変形させる機能です。
また、その変換具合も各設定項目の入力値によって調整することができます。
正面の画像や絵を用意するだけでお手軽に曲面の表現ができるわけですね。
魚眼レンズフィルターとの違い
クリスタのフィルターには似たような機能として「魚眼レンズ」フィルターがあります。
こちらも球面に貼り付けたような表現が可能ですが、
「曲面投影」フィルターでは球面に加え、円柱面の表現も可能ですし、盛り上がった表現だけでなく凹んだ表現も可能なのです。
ただし球面の場合、「曲面投影」フィルターはキャンバス全体に効果を反映させる設定をしてもキャンバスの内接円の範囲内しか適用されませんが、「魚眼レンズ」フィルターはキャンバス全体に効果を適用させることができます。
クリスタで曲面投影フィルターの利用方法!
困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!
「曲面投影」フィルターの利用条件
●ラスターレイヤー・レイヤーマスク共に利用可能
「曲面投影」はラスターレイヤー・レイヤーマスク両方で利用可能です。
●「表現色」はどれでも利用可能
「曲面投影」はレイヤーの表現色がどれであっても利用可能です。
クリスタのフィルターメニューから「曲面投影」を選択しよう!
変換したいラスターレイヤーを選択している状態でCLIP STUDIO PAINT画面上部「フィルター」から「変形」→「曲面投影」と選択しましょう。
すると以下のような設定ウィンドウが開きますのでここで目的の表現に合うように各項目の数値を入力・調整して「OK」を押すことで選択中のレイヤーを変換・変形することができます。
※キャンバスサイズ・解像度によっては変換に数秒かかる場合があります。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)曲面投影フィルターの設定項目の意味
クリスタ曲面投影フィルター設定:キャンバス上の「×」印
クリスタの「曲面投影」フィルターの設定ウィンドウが開きますとキャンバス上に「×」印が表示されます。
これは球面・円柱面表現の中心点(※)を表しています。
※膨らみ表現の場合は1番手前に飛び出している位置、凹み表現の場合は1番奥に凹んでいる位置になります。
この「×」印はドラッグによって移動することが可能です。
「×」印を移動することで球面・円柱面表現で強調させたい箇所を自由に指定することができます。
※ただし、[Shift]を利用した垂直・水平方向への移動はできないようです。
この時、注意しなければいけないのは「×」印によって指定する位置は「元の画像」に対しての位置であることです。
プレビュー表示の位置は元の画像の位置と異なるので、プレビュー表示を目安に「×」印を移動させますと狙っていた位置とズレてしまいます。
「曲面投影」フィルターの「×」印の移動は「プレビュー」のチェックを外して行うとやりやすいでしょう。
※「×」印は「プレビュー」のチェックを外しても表示してくれます。
クリスタ曲面投影フィルター設定:量
変形させる強さを設定します。
「-100.00」~「100.00」で設定し、数値が大きいほど湾曲が強くなります。
この時、「+(プラス)」の数値ですと膨らんだ表現になり、「-(マイナス)」の数値ですと凹んだ表現になります。
●「球面」の場合
●「円柱」の場合
また、「0」にしますと全く変化がない状態になります。
クリスタ曲面投影フィルター設定:方式
変形の種類を「球面」「円柱」の2つから選択します。
その名の通り、それぞれ球・円柱に貼り付けた表現に変形されます。
●「球面」
「量」が+値の場合↓
「量」が-値の場合↓
●「円柱」
「量」が+値の場合は「×」印部分が広くなり、端が狭くなります↓
「量」が―値の場合は「×」印部分が狭くなり、端が広くなります↓
クリスタ曲面投影フィルター設定:向き
※「方式」にて「円柱」を選択している場合に効果のある項目です。
円柱表現の際の傾き(角度)を設定します。
「-180.00(度)」~「180.00(度)」で設定します。
「0(度)」がキャンバスに対して垂直の向きになります。
「+(プラス)」の数値を入力しますと数値の角度分だけ右回りに傾きます。
「-(マイナス)」の数値を入力しますと数値の角度分だけ左回りに傾きます。
縦横比の異なるキャンバス(選択範囲)の場合
「曲面投影」フィルターの「向き」は入力した数値分だけ円柱表現の傾きが変わるのですが、縦横比が異なるキャンバス(選択範囲)で設定した場合、入力した数値と実際に変形される角度が合いません。
そこで手元のクリスタでこの変形後のレイヤーを縦横比が合うように引き延ばしたところ、入力した「向き」の数値の角度と合うようになりました。
このことから、「曲面投影」フィルターの「向き」は正方形のキャンバス(選択範囲)に対しての数値であり、縦横比が異なる場合はさらにそこから縦横比を変換させたものになるということですね。
クリスタ曲面投影フィルター設定:範囲
「曲面投影」フィルターの効果を適用させる範囲を設定します。
「全体に適用」と「サイズを指定(半径、扁平率を使用)」の2種類から選択します。
「全体に適用」
その名の通り、キャンバス(選択範囲)全体に「曲面投影」フィルターの効果が適用されます。
ただし、「球面」の場合はキャンバス(選択範囲)の内接円の範囲になり、それより外側は適用されません。
また、「円柱」の場合も「×」印からキャンバス(選択範囲)までの距離が効果範囲になります。
「向き」によって傾いていた場合、効果範囲も傾きます。
そのため、適用されない範囲も出てきます。
この時、「×」印からの距離は(縦横比が同じ場合)どの角度でも同じになります。
「サイズを指定(半径、扁平率を使用)」
曲面投影を適用する範囲や比率を下部の「半径」「扁平率」の数値で指定します。
こちらは「全体に適用」とは違い、「×」印を移動しても効果範囲は「×」印を中心としたキレイな円・方形になります。
「半径」「扁平率」の詳しい内容は次項で紹介します。
クリスタ曲面投影フィルター設定:半径
※「範囲」にて「サイズを指定(半径、扁平率を使用)」を選択した場合に反映される設定項目です。
曲面投影を適用する範囲を設定します。
「0.10」~「100.00」で設定し、数値が大きいほど広い範囲に適用されます。
また「円柱」の場合は範囲が正方形になり、「向き」によって傾いたとしても範囲は傾きません。
曲面投影フィルター「半径」の数値の意味
クリスタ公式ページには表記がないのですが、手元のクリスタで試したところ、
キャンバスの短い方の長さ×「半径の数値(%)」
Ⅱ
「×」印からの効果範囲となる半径
であることが分かりました。
※選択している画像のサイズではなくキャンバスのサイズで計算するようです。
※選択範囲を作成している場合は選択範囲のサイズで計算します。
例えば「幅:1000px」「高さ:1500px」のキャンバスの場合、「曲面投影」フィルターの「半径」に「30.00」と入力しますと、
キャンバスの短い方の長さ「1000px」×30%=300px
となり、「×」印から300pxの範囲に曲面投影の表現が適用されるようになります。
また、「円柱」の場合はこの半径の内接円が入る正方形になりますので、途切れた円柱のような表示になります。
クリスタ曲面投影フィルター設定:扁平率
※「範囲」にて「サイズを指定(半径、扁平率を使用)」を選択した場合に反映される設定項目です。
曲面投影を適用する範囲の縦横比を設定します。
「-0.90」~「0.90」で設定し、「0」の場合は縦横比が同じ(正円・正方形)に、「+」の数値では横幅が狭くなり、「-」の数値では縦幅が狭くなります。
また、数値が大きいほど狭くなる割合は大きくなります。
曲面投影フィルター「扁平率」の数値の意味
クリスタ公式ページには表記がないのですが、手元のクリスタで試したところ、
◆「+」の数値の場合
適用範囲の横幅=「半径」×「1-(扁平率の数値)」
◆「-」の数値の場合
適用範囲の縦幅=「半径」×「1-(扁平率の数値)」
※扁平率の「-」は式に含まない
であることが分かりました。
数値が1より下なので幅が狭くなるというわけですね。
例えば曲面投影の適用範囲の半径が「400px」の場合、
「扁平率」を「0.5」にしますと
「400px」×「1-(0.5)」=200px
となり、適用範囲の横幅の半径が200pxになります。
「半径」で設定した範囲から1辺の長さを短くする設定ですので最大効果範囲は「扁平率」が「0」の時の範囲になります。
【補足】計算不能な変形結果になることもある…!?
クリスタの「曲面投影フィルター」は基本的に上記の内容で変形を行うのですが、たまに設定内容と合わない変形結果が現れることがあります。
以下の画像はグリッドに合わせて描画した格子状の柄に対して「量:100」「方向:円柱」「範囲:全体に適用」「向き:45」で「×」印を中央以外の位置に移動させた時の変形結果なのですが、
変形範囲が円柱ではなく扇状になり、右側もいびつな形状になっています。
こちら、クリスタに問い合わせしたのですが「不具合ではなく仕様」のようです。
しかし、どういった計算でこのような変形結果になるのかの説明は難しいとの回答でした。
「方向:円柱」での変形を行う場合は「×」印は中央に設置しておいた方がいいのかもしれません。
【補足】CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の他機能を使った曲面投影表現
メッシュ変形
クリスタの変形機能には「メッシュ変形」というものがあります。
参考記事
1箇所ずつ「□」を操作したり、上下左右の位置を目で見て合わせるなどの手間もありますが、このメッシュ変形を使って曲面投影の表現をすることもできます。
※メッシュ変形を使用した場合、隙間が生じる場合があります。
●球面表現
●円柱表現
ゆがみツール
クリスタには描画部分を歪ませることができる「ゆがみツール」があります。
参考記事
このゆがみツールの機能の中に「膨張」「収縮」というものがあり、これを利用することでブラシサイズという小さな範囲になりますが、球面に近い表現を作成することができます。
●「膨張」
●「収縮」
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の曲面投影フィルターを活用してみよう!
クリスタの「曲面投影」フィルターは平面の画像やイラストを立体的な曲面表現に変形することができる機能です。
自身の作品の印象を変えるだけでなく、漫画作品の背景にある柱や球体の表面に貼り付けるといった場面でも活用することができます。
曲面の表現に困った時はこの「曲面投影」フィルターを試してみてください◎
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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