皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
イラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)には選択中のレイヤーに様々な効果を与える「フィルター機能」があります。
今回はその中でも画像を波紋状に波打った表現に変換できる「ジグザグフィルター」の使い方・設定項目の意味を紹介させていただきます。
それではよろしくお願いしたします
( `・∀・´)ノ!
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CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のジグザグフィルターとは
クリスタで画像を波紋状の揺らぎに変換できるフィルター機能!
クリスタの「ジグザグ」フィルターは画像や絵を内側から外側に向けて左右に揺れる波形に変換できる機能になります。
「ジグザグ」という名称ですが折れ線ではなく、波の曲線表現になります。
この波表現は360度全ての方向で行われるため「波紋状」という表現をしていますが、実際の波紋のように同心円の形状になるわけではないのでそこはご了承ください。
波形フィルターとの違い
クリスタのフィルターには似たような機能として「波形」フィルターがあります。
この「波形」フィルターの場合はキャンバスの中心点から垂直・水平方向に同じ幅で波状変換するものですが、
「ジグザグ」フィルターは中心点を自分で決めることができ、さらに360度どの方向に対しても波状変換することができます。
クリスタでジグザグフィルターを使用する手順
困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!
クリスタで変換するものを用意する
画像を読み込む
クリスタで画像を読み込む方法は以下の記事を参考にしていただければと思います。
絵や柄を描画する
クリスタのキャンバス上に自身で絵や柄・模様を直接描画します。
必要であればラスタライズしよう
クリスタのフィルター機能を使用できるのはラスターレイヤーです。
そのため、それ以外のレイヤーにフィルター機能を使用したい場合はラスターレイヤーに変換(ラスタライズ)する必要があります。
※元のレイヤー機能はなくなりますので注意しましょう。
ラスタライズは変換したいレイヤーを選択している状態でCLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「ラスタライズ」と選択することで実行できます。
クリスタのジグザグフィルター機能を実行しよう
変換したいラスターレイヤーを選択している状態でCLIP STUDIO PAINT画面上部「フィルター」から「変形」→「ジグザグ」と選択しましょう。
すると以下のような設定ウィンドウが開きますのでここで目的の表現に合うように各項目の数値を入力・調整して「OK」を押すことで選択中のレイヤーを変換・変形することができます。
※キャンバスサイズ・解像度によっては変換に数秒かかる場合があります。
クリスタのフィルター機能は再設定ができませんので、変換前に戻したい場合はクリスタの「取り消し」機能を利用しましょう。
「ジグザグ」フィルターの各設定項目の意味は後述の『CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)ジグザグフィルターの設定項目の意味』の項目で紹介します。
【補足】クリスタの選択範囲機能でフィルター効果範囲を指定することも可能
クリスタでは、キャンバス上に選択範囲を作成して編集可能範囲を指定することができます。
この選択範囲を作成している状態でフィルター機能を使用しますと、その選択範囲内だけにフィルター効果を与えることができます。
※フィルター機能の変換によって選択範囲の境目に隙間ができたり、線が途切れてしまう場合があります。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)ジグザグフィルターの設定項目の意味
クリスタ ジグザグフィルター設定:キャンバス上の「×」印
クリスタの「ジグザグ」フィルターの設定ウィンドウが開きますとキャンバス上に「×」印が表示されます。
これはジグザグ変換の中心点を表しており、この「×」印から外側に向けて波状の変形が行われます。
また、この「×」印はドラッグによって移動が可能です。
「×」印の位置によって変形具合も変わります。
※[Shift]を利用した垂直・水平方向への移動はできないようです。
「×」印が示す位置に関して
「×」印は変換前の画像・絵の位置を示しています。
そのため、プレビュー表示されている状態で「×」印を移動させますと思った位置にならない場合もあります。
「ジグザグ」フィルターの「×」印の移動は「プレビュー」のチェックを外して行うとやりやすいでしょう。
※「×」印は「プレビュー」のチェックを外しても表示してくれます。
クリスタ ジグザグフィルター設定:回転
波表現の最大振幅(角度)を設定します。
「0」~「180」で設定し、数値が大きいほど強い揺れになります。
例えば「×」印から垂直上方に延びた線の場合、「回転」に「45」と入力しますと左右に45度分の範囲内で波状変形が行われます。
※変形する対象や位置によっては多少範囲からはみ出す場合もあります。
また、この時の波の振幅は「×」印から外側に向けて徐々に大きくなり、中間地点で最大になるとそこからは外側に向けて徐々に小さくなる形状になります。
※恐らく変形が行われる範囲とそうでない範囲をキレイに繋げるためだと思われます。
この変形が「×」印から360度全ての方向で行われているわけです。
クリスタ ジグザグフィルター設定:波の数
「×」印からキャンバス(選択範囲)外側までの間に入る波の数を設定します。
「0.10」~「30.00」で入力でき、こちらも360度全ての方向で適用されます。
「回転」の数値が低い場合、「×」印からの1つ目の波の振幅はかなり小さいので分かりづらくなります。
「波の数」の数値が大きいほど波長(波の間隔)が短くなるので細かい揺らぎになります。
クリスタ ジグザグフィルター設定:範囲
「ジグザグ」フィルターの効果を適用させる範囲を設定します。
「全体に適用」と「サイズを指定(半径、扁平率を使用)」の2種類から選択します。
「全体に適用」
「全体」という名称ですが、実際はキャンバス(選択範囲)の内接円の範囲内で「ジグザグ」フィルターの効果が適用されます。
そのため、四隅部分(内接円の外側)は変形されません。
「×」印がキャンバス(選択範囲)の中心点でない場合はその位置に合わせた形状の円(弧)になります。
「サイズを指定(半径、扁平率を使用)」
曲面投影を適用する範囲や比率を下部の「半径」「扁平率」の数値で指定します。
こちらは「全体に適用」とは違い、「×」印を移動しても効果範囲は「×」印を中心としたキレイな円になります。
「半径」「扁平率」の詳しい内容は次項で紹介します。
クリスタ ジグザグフィルター設定:半径
※「範囲」にて「サイズを指定(半径、扁平率を使用)」を選択した場合に反映される設定項目です。
ジグザグ変形を適用する範囲を設定します。
「0.10」~「100.00」で設定し、数値が大きいほど広い範囲に適用されます。
ジグザグフィルター「半径」の数値の意味
クリスタ公式ページには表記がないのですが、手元のクリスタで試したところ、
キャンバスの短い方の長さ×「半径の数値(%)」
Ⅱ
「×」印からの効果範囲となる半径
であることが分かりました。
※選択している画像のサイズではなくキャンバスのサイズで計算するようです。
※選択範囲を作成している場合は選択範囲のサイズで計算します。
例えば「幅:1000px」「高さ:1500px」のキャンバスの場合、「ジグザグ」フィルターの「半径」に「30.00」と入力しますと、
キャンバスの短い方の長さ「1000px」×30%=300px
となり、「×」印から300pxの範囲にジグザグ変形が適用されるようになります。
クリスタ ジグザグフィルター設定:扁平率
※「範囲」にて「サイズを指定(半径、扁平率を使用)」を選択した場合に反映される設定項目です。
ジグザグ変形を適用する範囲の縦横比を設定します。
「-0.90」~「0.90」で設定し、「0」の場合は縦横比が同じ(正方形)に、「+」の数値では横幅が狭くなり、「-」の数値では縦幅が狭くなります。
また、数値が大きいほど狭くなる割合は大きくなります。
ジグザグフィルター「扁平率」の数値の意味
クリスタ公式ページには表記がないのですが、手元のクリスタで試したところ、
◆「+」の数値の場合
適用範囲の横幅=「半径」×「1-(扁平率の数値)」
◆「-」の数値の場合
適用範囲の縦幅=「半径」×「1-(扁平率の数値)」
※扁平率の「-」は式に含まない
であることが分かりました。
数値が1より下なので幅が狭くなるというわけですね。
例えば曲面投影の適用範囲の半径が「400px」の場合、
「扁平率」を「-0.5」にしますと
「400px」×「1-(0.5)」=200px
となり、適用範囲の縦幅の半径が200pxになります。
「半径」で設定した範囲から1辺の長さを短くする設定ですので最大効果範囲は「扁平率」が「0」の時の範囲になります。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)でジグザグフィルターを使用した後に編集も可能
クリスタのフィルター機能はラスターレイヤーに対して行うものです。
つまり、「ジグザグ」フィルターを使用したレイヤーも後からクリスタの様々なツールで加筆・変形などの編集が行えます。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)ジグザグフィルターの使用例
私が思いつく範囲ではありますが紹介させていただきます。
絵や柄の波紋状表現
あくまで「波紋」ではなく「波紋状」にはなりますが、「回転」の数値を小さめにして揺れの幅を抑えることで「×」印を中心に円形に揺らいだ表現を加えることができます。
回転・揺れの表現
「回転」の数値を小さく、「波の数」を大きく設定することで「×」印を中心に回転してブレている表現を作成することができます。
また、変形対象や「×」印の位置を工夫することで弧の形に揺れてブレている表現を作成することもできます。
柄・模様の作成
「回転」や「波の数」の数値を大きくすることで元の柄や模様から大きく歪ませた形状の柄・模様を作成することができます。
また、「×」印を端に移動させることで半円や扇の形状にすることもできます。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のジグザグフィルターを活用してみよう!
波といった規則性のある曲線を手描きで作成するのはなかなか難しいですが、クリスタの「ジグザグ」フィルターを利用すればお手軽に作成することができます。
波紋状の揺れ表現を作成するというシンプルな機能が故に汎用性はそこまで高くありませんが、その機能・変形内容を知っておけば自分なりの使い道も見つかるかもしれませんね◎
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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