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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
皆さんはデジタル制作で絵を描く時に「毎回行う複数の作業工程」というものはありますでしょうか。
1つ1つの作業は大したことはないのですが、頻繁に繰り返すと少し面倒に感じてきてしまいます。
イラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)ではこういった複数の作業を記録し、1回の操作でまとめて実行してくれる「オートアクション」という機能があります。
今回はこのクリスタのオートアクション機能の使い方を紹介させていただきます。
それではよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!
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CLIP STUDIO PAINT EXCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のオートアクションとは
クリスタのオートアクションとはどういった機能なのかをもう1度、具体的に紹介させていただきます。
例えばクリスタで下描き用のレイヤーを作成する場合、
ラスターレイヤーを作成
↓
作成したレイヤーを下描きレイヤーに設定
↓
(基本表現色がモノクロの場合、
下描きレイヤーの表現色を「カラー」に設定)
↓
レイヤー名を「下描き」に変更
というような作業を行いますね。
下描き用のレイヤーは必ずといっていいほど毎回作成しますし、1回の制作で何枚も作成することだってあります。
そうなりますと下描き用レイヤーを作成する度に上記の作業を行う必要があるわけです。
クリスタのオートアクションはこういった複数の作業工程を記録させることで、それ以降は選択するだけで記録した作業を自動で実行してくれる機能なのです!
クリスタでオートアクションを活用すれば作業効率が上がり、時間短縮にもなるわけです◎
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)オートアクションの使い方!
困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!
クリスタでオートアクションを記録する方法!
オートアクションを記録するための事前準備をしよう
クリスタのオートアクションは実際に自分で作業を行うことで記録させることができます。
そのため、オートアクションに記録させたい作業ができる状態を予め用意しておく必要があります。
例えばレイヤーの描画部分に選択範囲を作成したい場合はキャンバスを新規作成して何か選択対象となる線を描画しておく必要があります。
クリスタのオートアクションパレットでセットを選択しよう
クリスタでオートアクションを新しく記録させるためにまずは「オートアクションパレット」を開きます。
オートアクションパレットは(初期設定では)クリスタ画面右下のレイヤーパレットのある位置でオートアクションパレットのタブを選択することで開くことができます。
※CLIP STUDIO PAINT画面上部から「ウィンドウ」→「オートアクション」と選択することでも開くことができます。
オートアクションパレットが開きましたら、上部で新しく記録させるオートアクションを保存する「セット」を選択します。
とは言え、最初は「デフォルト」という名前のセットしかありません。
この「デフォルト」のセットの中には初期設定でいくつかのオートアクションが入っています。
この「デフォルト」のセットの中に新しくオートアクションを追加したい場合はそのままでいいでしょう。
新しくセットを作成し、その中に新しいオートアクションを入れたい場合はセットの新規作成アイコンをタッチし、表示されるセット名入力ウィンドウでお好みの名前を入力して「OK」を押すと新しいセットが作成されます。
※オートアクションパレット左上のメニューアイコン(≡)→「セットの新規作成」と選択することでも同じ操作が行えます。
セットを新規作成するとオートアクションも1つ自動で追加されることもある
クリスタでオートアクションのセットを新規で作成しますとそのセットの中に自動で新規のオートアクションが作成され、名前が入力できるようになっている場合があります。
こういった場合はそのまま新しく作成(記録)したいオートアクションの名前を入力しましょう。
オートアクションを記録しよう
事前準備、セットの選択ができましたらいよいよクリスタにオートアクションを記録させていきます。
オートアクションパレット左上のメニューアイコン(≡)→「オートアクションの追加」と選択、もしくはオートアクションパレット下部にあるオートアクション追加アイコンをタッチしましょう。
※オートアクションセットを新規作成した際に自動で1つオートアクションが作成された場合はこの操作は省略して下さい。
するとセット内に新しいオートアクションの項目が追加されますのでお好みの名前を入力しましょう。
次に記録させたいオートアクションを選択している状態でオートアクションパレット下部にある「●」を押しましょう。
これで記録状態になります。
※オートアクションパレット左上メニュー(≡)→「オートアクションの記録開始」と選択することでも記録状態にすることができます。
この状態でオートアクションとして記録させたい作業・操作をクリスタのキャンバス上で行いましょう。
記録されるたびに1つ1つの作業(コマンド)がオートアクションパレットに追加されていきます。
画像では下描きレイヤーの作成を記録しています。
※「デフォルト」のオートアクションにも「下描きレイヤー作成」のオートアクションがありますが、こちらはレイヤーカラーを利用しており、個人的に好みではないので新しく表現色を変更する方法で記録しています。
この時、レイヤーパレットのタブを選択するなどしてオートアクションパレットを閉じても記録状態は保たれますのでご安心を。
一部クリスタのオートアクションには記録されない作業もありますのでしっかりオートアクションに記録されているか確認しながら行いましょう。
【ツールを使用した不特定作業】
ペンツールでどこにどう描画するかなど、その時その時で変わってくるツール作業はオートアクションに記録されません。
※「塗りつぶし」「レイヤーから選択範囲作成」「パース定規の作成」など、メニュー項目から実行できる作業は記録可能です。
【設定の変更】
ツールの変更やツールプロパティでの設定変更など制作中の作品に変化が起きない作業はオートアクションに記録できません。
※「レイヤーの並べ替え」や「下描きレイヤーに設定」など、メニュー項目から実行できる作業は記録可能です。
オートアクションに記録したい作業を全部記録できましたらオートアクションパレット下部の「■」を押しましょう。
これで記録完了です◎
※オートアクションパレット左上のメニューアイコン(≡)→「オートアクションの記録開始」を再び選択することでも記録を完了させることができます。
オートアクションは編集が可能!
クリスタのオートアクションパレット左上のメニューアイコン(≡)から「セット」「オートアクション」「コマンド」の削除や名前の変更などの編集や別のセットへの移動ができます。
2022年12月6日にVer.1.13.0にアップデートされたされたことにより、オートアクションのセットに関する設定項目が「セットの編集」に統一され、こちらを選択して開くウィンドウにて編集ができるようになりました。
また、コマンドをドラッグすることで並べ替えも可能です。
さらに、任意のコマンドを選択した状態で「●」を押して記録すると選択した箇所から作業(コマンド)を追加させることもできます。
オートアクションはセット内での並び替えも可能
同じセット内に複数のオートアクションを作成した場合は作成した順に上から並ぶのですが、各オートアクションはドラッグでの並べ替えが可能です。
ご自身が操作しやすい位置に移動させましょう。
クリスタでオートアクションを実行(再生)する方法!
オートアクションを再生させるための事前作業をしよう!
クリスタでオートアクションを実行(再生)する際に内容によっては条件を満たしておく必要がある場合があります。
例えばレイヤーから選択範囲を作成するコマンドがオートアクションに含まれている場合は選択範囲を作成したいレイヤーを選択している状態でオートアクションを実行(再生)する必要があります。
オートアクションを選択して再生アイコンを押すだけ!
クリスタでオートアクションを実行(再生)する準備ができましたら、オートアクションパレットから実行(再生)させたいオートアクションを選択して下部にある「▶」を押しましょう。
これだけでオートアクションが実行(再生)されます。
また、オートアクションをダブルクリックすることでも実行(再生)させることができます。
「ボタンモード」で1発再生!
クリスタのオートアクションパレット左上のメニューアイコン(≡)→「ボタンモード」と選択することでオートアクションパレットをボタンモードにすることができます。
ボタンモードの場合、オートアクションを選択するだけですぐに実行(再生)させることができます。
ただし、ボタンモード中はオートアクションの追加などの編集はできませんので編集をしたい場合はボタンモードをOFFにしましょう。
クリスタのショートカットにも設定可能!
クリスタにはキーボード入力によって設定した機能を実行させるショートカットが利用できます。
クリスタのショートカットはオートアクションも設定することができます。
新しくオートアクションを記録させた場合でもしっかりショートカット設定の選択肢に表示されます。
※ショートカットはオートアクション自体に設定されるのでショートカット設定後にセットを移動しても問題ありません。
ショートカットキーを入力し、「OK」を押して設定を完了させれば後はそのショートカットキーを入力するだけでオートアクションを実行(再生)させることができます。
オートアクションの実行(再生)内容も編集できる!
一部の作業(コマンド)を実行しないようにする
オートアクションパレットのコマンド表示の左端にあるチェックを外しますとそのコマンドを実行しないようにすることができます。
設定ウィンドウを毎回表示させる
クリスタのオートアクションパレットのコマンドには2つ目のチェック項目があるものがあります。
これは設定ウィンドウの表示が可能なコマンドです。
「レイヤー名の変更」や「フィルター」「パース定規の作成」など、毎回設定ウィンドウが表示されるものがありますよね。
ここにチェックを入れますとオートアクションを実行(再生)するたびに設定ウィンドウを表示させることができるようになります。
※1つでもチェックを入れるとオートアクション名横のチェックも自動で入ります。
また、オートアクション名の横にある2つ目のチェックを入れますとそのオートアクションに含まれる(設定ウィンドウを表示させることができる)全ての項目にチェックが入ります。
チェックが外れている状態ですと記録の時に設定した内容になります。
途中から実行させる
オートアクションの途中のコマンドを選択した状態で「▶」を押す、もしくはそのコマンドをダブルクリックしますとその選択したコマンド以降の作業を実行(再生)してくれます。
【注意】クリスタの「取り消し」はオートアクション内にも適応される
クリスタでオートアクションを実行した後に「取り消し」を行うと、オートアクションを実行する前に戻るのではなく、オートアクションに記録したコマンドから1項目ずつ戻っていきます。
オートアクション実行前に戻したい場合はオートアクション内にあるコマンドの数だけ取り消し作業を行う必要があります。
クリスタのオートアクションセットは書き出し・読み込みが可能!
クリスタで記録したオートアクションはデータ(.laf形式)として書き出しすることができます。
こちらは1つのオートアクションではなく、オートアクションセットの内容を書き出しする形になります。
書き出し方法はオートアクションパレット左上のメニューアイコン(≡)→「セットの書き出し」と選択し保存先を選択することで書き出しすることができます。
特別な書き出し設定はありません。
読み込み方法はオートアクションパレット左上のメニューアイコン(≡)→「セットの読み込み」と選択し、デバイス内にある「.laf形式」のデータを選択することでオートアクションパレットに読み込むことができます。
CLIP STUDIO ASSETSから素材としてダウンロードもできる!
クリスタはCLIP STUDIO ASSETSからクリエイター様が作ってくれたツールや画像など様々な「素材」をダウンロードして使用することができます。(有償・無償あり)
その中にはオートアクションもたくさんあります。
この素材のオートアクションをダウンロードしますと記録作業を行わなくてもそのオートアクションを使用することができます。
素材のダウンロード方法は以下の記事を参考にしていただければと思います。
【クリスタ】無料素材でもこんなに便利!ダウンロード方法と使い方を紹介します!
オートアクション素材をダウンロードしましたら、オートアクションパレット右上の素材読み込みのアイコンをタッチします。
※オートアクションパレット左上のメニューアイコン(≡)→「セット素材を読み込み」と選択しても同じ操作が行えます。
するとダウンロードしたオートアクション素材の一覧が表示されますので読み込みしたいオートアクション素材を選択して「OK」を押しましょう。
これでオートアクションパレットに選択したオートアクション素材が入ったセットが読み込まれます。
自分で作成したセット内に入れたい場合はオートアクションパレット左上のメニューアイコン(≡)→「オートアクションを別のセットに移動」→任意のセットを選択という手順で移動させましょう。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)オートアクションの使用例
個人的なものになりますが、クリスタでオートアクションを記録・使用する例を紹介させていただきます。
トーンレイヤーセット
クリスタでトーンを使用する場合はレイヤーメニューや選択範囲ランチャーから濃度別にトーンレイヤーを作成します。
これらのトーンレイヤーの中からよく使用する濃度のトーンレイヤーを作成する作業をオートアクションに記録させていれば、あっという間にトーンレイヤーのセットを作成することができます。
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「新規レイヤー」→「トーン」と選択し、簡易トーン設定ウィンドウにて任意の濃度・線数などを設定して「OK」を選択
↓
キャンバス全体にトーンが貼られるので「消去」でトーン表示を消す
↓
必要な濃度の数だけ繰り返す
↓
レイヤーフォルダーを作成し、トーンレイヤーを入れる
完成した絵の加工
以下の記事で紹介しているような、クリスタで完成した絵の複製を重ねて合成モードやぼかしを入れて表現を変える方法も、手順が毎回ほぼ同じならオートアクションに記録することで一瞬で行うことができるようになります。
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「表示レイヤーのコピーを結合」と選択
↓
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「並べ替え」→「最前面へ」を選択
↓
合成モード設定・ガウスぼかし設定・色調補正・不透明度変更などのお好みの設定を行う
※設定ウィンドウが表示されるようにチェックを入れて毎回調整するということもできます。
別レイヤーの線画に重ならないレイヤーマスクの作成
以下の記事の『絵と絵の「隙間」を作る』で紹介した、別のレイヤーの線画から少し拡張した範囲のレイヤーマスクを作成して絵が重なるのを防ぐという方法もオートアクションに記録して手間を省くことができます。
(予め適当に描画しておいたレイヤーを選択した状態で記録開始)
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「レイヤーから選択範囲」→「選択範囲を作成」と選択
↓
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「選択範囲」→「選択範囲を拡張」と選択し、拡張幅・拡張タイプを設定して「OK」を選択
↓
新規で線画用レイヤー(ベクターレイヤーなど)を作成
↓
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「レイヤーマスク」→「選択範囲をマスク」と選択
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のオートアクションを利用して作業を効率化しよう!
クリスタで制作をしていると自分なりの描き方も決まってきて何度も同じ作業を繰り返すようなことも増えてくるかと思います。
そういった時に今回紹介したオートアクションを利用すれば時間の短縮になりますし、操作ミスもないので効率化にもなります。
今回紹介した使用例もほんの一部ですので、ご自身の制作に合ったオートアクションをどんどん記録させていきましょう!
また、オートアクション素材で新しい表現にも出会えるかもしれません◎
クリスタの便利な機能の1つですのでぜひ利用してみて下さい。
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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