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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
イラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)の上位グレードである「EX」では画像や3D素材を線画とトーン表示に変換する「レイヤーのLT変換」という機能があります。
【Ver.3以前】クリスタLT変換の設定項目の意味を紹介します!!(EXのみ)
このLT変換の設定内容や方法がVer.3.1から変更されたので今回は各設定項目の意味や使い方を紹介させていただきますのでよろしくお願いします
( `・∀・´)ノ!
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※今回紹介する機能はこちらでは利用できません。
参考記事:クリスタPRO購入後からEXに損せず買い替える方法(アップグレード)!!
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)EXの「レイヤーのLT変換」機能とは
クリスタEXの「レイヤーのLT変換」機能とは、3D素材や画像・イラストといった1枚のレイヤーを線画(輪郭線)とトーンレイヤーの組み合わせといった複数のレイヤーに変換し、モノクロ作品に適した表示に変換してくれる機能のことです。
変換後に作成された複数のレイヤーはレイヤーフォルダーの中にまとめられています。
この時、以下の画像のように元のレイヤーも非表示になって残ります。
ちなみにLT変換を利用できるレイヤーは以下の通りです。
ラスターレイヤー、ベクターレイヤー、フキダシレイヤー、テキストレイヤー、画像素材レイヤー、3Dレイヤー、集中線レイヤー、流線レイヤー
参考記事
【Ver.3以前】クリスタLT変換の設定項目の意味を紹介します!!(EXのみ)
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)LT変換の使い方
困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!
クリスタで「レイヤーのLT変換」を行うにはレイヤーパレットにてLT変換をさせたいレイヤーを選択している状態で、
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「レイヤーのLT変換」と選択しましょう。
するとLT変換の内容を設定するウィンドウが開きます。
※以前にLT変換を利用した場合は前回の設定が残っています。
※選択中のレイヤーが非表示になっていてもLT変換が可能です。
各タブを選択することで設定画面を切り替えることができます。
●「3D線画」
3Dレイヤーを選択している際に表示されるタブです。
●「(テクスチャ)線画」
どのレイヤーでも共通して表示されるタブです。
3Dレイヤーを選択時は「テクスチャ線画」、それ以外は「線画」と表記されますが、設定内容は同じです。
●「トーン」
どのレイヤーでも共通して表示されるタブです。
ここで設定して最後に「OK」を押すことでLT変換を実行することができます。
各設定項目の詳細は次項にて紹介します。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)EX「レイヤーのLT変換」の設定項目の意味!
レイヤーLT変換設定項目【共通】
「プリセット」
クリスタEX:Ver.3.1以降のLT変換設定ウィンドウでは初期状態から予め設定がされたプリセットが容易されており、こちらを選択するだけでプリセット名に合った内容に自動で設定されます。
(自分で設定する場合は「カスタム」になります)
また、ご自身で任意の設定をした後に右側の「プリセットに登録」アイコンを選択して名前を入力し、「確定して戻る」と選択することでオリジナルのプリセットの登録が可能になり、今後何回でもそのプリセット設定を利用することができるようになります。
↓
※プリセットを登録しないで終わる場合は「破棄して戻る」を選択しましょう。
ちなみに、右端の「プリセットを編集」アイコンを選択することでプリセットの並び替え・名前の変更・削除が行えます。
※「削除」は「はい・いいえ」の選択肢なく、すぐに削除されます。
↓
この時、編集内容を保存して終了したい場合は「確定して戻る」を、編集内容を取り消して終了したい場合は「破棄して戻る」を選択しましょう。
(右上の「X」で閉じた場合は「破棄して戻る」と同じ動作になります)
ちなみに、初期状態で保存されているプリセットは削除や名前の変更ができません。
レイヤーLT変換の設定項目【3D線画】
3D素材から線画を抽出するための設定項目です。
基本的に3D素材の輪郭部分を基準に線画が抽出されます。
※3D素材の画像部分の線画抽出は後述の『レイヤーLT変換(Ver.3.1)設定項目【(テクスチャ)線画】』にて設定します。
レイヤーの種類
抽出した線画を表示させるレイヤーを「ラスターレイヤー」にするか「ベクターレイヤー」にするかを選択できます。
↓
ベクターレイヤーにしますと様々な修正が行えますので便利ではありますが、線がギザギザになる可能性もありますので、そちらが気になる場合はラスターレイヤーを選択しましょう。
3D線の検出「線幅」
抽出する線画の太さを設定します。
単位はクリスタの環境設定「長さの単位」で設定した単位になります。
※数値の最小・最大値は単位によって変わります。
参考記事
3D線の検出「線の検出量」
「0」~「100」で設定できます。
数値が高いほど抽出する線が多くなります。
※「0」にすると最低限の線のみ表示されます。
3D線の検出「ブラシの種類」
チェックを入れ、右端の「V」から展開される線やブラシの種類を選択することで抽出した線の種類を変更することができます。
↓
線幅修正「3Dの大きさで精度を調整」
※クリスタVer.1.5までしか対応できない3D素材ではこの項目は設定できません。
チェックを入れることで「3D素材」の大きさに応じて輪郭線の検出精度を自動的に調整してくれるようになります。
具体的に言いますと、この項目にチェックを入れますと細かい線を消してくれます。
3D素材を拡大表示している場合に細かい線が出てきてしまうことを避けるための設定になりますね。
線幅修正「アウトラインの強調度」
「0」~「100」で設定でき、数値が大きいほど3D素材の外側の線の表示が強くなります。
線幅修正「線の奥行き」
チェックを入れることで3D素材の奥側にある線ほど細くなるようになります。
また、「+」を押すとグラフを表示させることができます。
このグラフは「線の奥行き」にチェックを入れることで編集できるようになり、線の細くなり具合を調整できます。
縦幅が線の太さ、横幅が手前~奥となっています。
基本的には「手前」側の線の方が太くなりますので右下がりのグラフになりますね。
また、グラフが急なほど手前と奥の線の太さの差が大きくなります。
※そこまで大差があるわけではありませんが…
グラフは直接編集するのではなく、グラフと繋がっている制御点「■」で引っ張るようにして編集します。
グラフの両端にある制御点「■」はグラフに直接繋がっていますのでそのまま上下に移動させることができます。
※左右への移動はできません。
グラフ上をタッチしますと制御点「■」をその場所に追加し、グラフを変えることができます。
※手元のクリスタで試したところ、20個以上も追加できました。
制御点「■」をグラフの外にドラッグすることで削除ができます。
また、下部の「リセット」を押すことでグラフを初期状態に戻すこともできます。
※ただし、画像のように「リセット」を実行すると「手前」の位置の「線幅」が中央の高さに移動してしまいます。
(初期位置は1番上)
線幅修正「アウトラインのみ適用」
チェックを入れますと、3D素材の輪郭線にのみ「線の奥行き」の設定を適用(反映)されるようになります。
スムーズ「レベル」
「スムーズ」の項目にチェックを入れますと3D素材から検出した線をなめらかに(スムージング)することができます。
そしてこの「スムーズ」にチェックを入れると「レベル」の設定が可能になります。
「スムーズ」によるなめらか表現の強さを「1」~「10」の数値で設定できます。
数値が大きいほどなめらかさが強くなります。
また、手元のクリスタで確認したところ、「レベル」の数値を変更することで線の表示や繋がり具合も変化しました。
※これは数値が大きい・小さいとの関連はバラバラでした。
レイヤーLT変換の設定項目【(テクスチャ)線画】
クリスタのLT変換を3Dレイヤーで行う場合は「テクスチャ線画」という表記になり、それ以外のレイヤーで行う場合は「線画」という表記になります。
3Dレイヤーの場合は3D素材の表面の絵(テクスチャ)から、それ以外のレイヤーの場合は描画部分から線画を抽出します。
●3Dレイヤーの場合
●3Dレイヤー以外の場合
また、「(テクスチャ)線画」で抽出した線画はラスターレイヤーに描画されます。
3D素材をLT変換した場合は「3D線画」で3D素材の輪郭部分を線画として表示したレイヤーと「テクスチャ線画」で表面の画像部分を線画として表示したレイヤーの2つが作成されます。
チェックボックス(3Dレイヤー時のみ)
3Dレイヤーに対してLT変換を行う場合、「テクスチャ線画」のタブにチェックボックスが表示され、チェックを入れることで「テクスチャ線画」を実行してくれるようになります。
3Dレイヤーでは「3D線画」にて3D素材の輪郭部分を線画抽出できますので、テクスチャ(絵)からの線画抽出が不要の場合はチェックを外しましょう。
線の検出方法
テクスチャや絵から抽出する線画の表示色を「グレー」と「モノクロ」の2つから選択できます。選んだ表現色によって下部にある「線の検出」の設定項目が変わります。
【グレー】を選択した場合の「線の検出」の設定項目
●「線幅調整」
線の太さを「0」~「5」の数値で調整できます。
数値が「0」でも線画は表示されるので線の太さの実数値を設定するものではありません。
●「線の検出量」
「0」~「255」の数値で調整します。
数値が大きいほど抽出される線の数が増えます。
※数値が「0」の場合は線が検出されません。
●「線の検出方向」
矢印をタッチすることでON・OFFの切り替えができます。
ONにした矢印の方向側の輪郭線が強調(太く表示)されるようになります。
【モノクロ】を選択した場合の「線の検出」の設定項目
●「線幅調整」
線の太さを「0」~「5」の数値で調整できます。
数値が「0」でも線画は表示されるので線の太さの字数値を設定するものではありません。
●「線の密度」
「0.00」~「10.00」の数値で調整します。
数値が大きいほど抽出される線の数が増えます。
※数値が「0」の場合は線が検出されません。
●「ごみの除去量」
「0.00」~「10.00」の数値で調整します。
数値が大きいほど多くの細かい線をごみとして消してくれます。
ただし、先述の「線の密度」の数値が高い場合などではうまく細かい線が消えてくれない場合もあります。
階調化「階調化してから抽出」
チェックを入れることで3D素材のテクスチャや絵・画像の色を階調化し、そこから線画を検出されるようになります。
※そのため、「線の検出量」や「線の密度」で調整した線の数からまた変化します。
「階調化」とはグラデーションといったなめらかな色の変化部分を単色が並んだ段階的な表示に変えることを指します。
LT変換するレイヤーの描画部分をグレー表示にし、その色の変化を段階的な表示に変換した後に「その色を表示している面積の外枠部分(フチ)」を線画として表示させるのです。
また、変換するグレー濃度の種類(数)と範囲をスライダー(階調化のコントロール)で調整することができます。
スライダー上部の数字は階調化する色のグレー濃度、スライダーは各グレー濃度の割合を表しています。
グレー濃度の数字部分をタッチしますと数値を変更することができます。
ただし、左側の濃度より大きい数値・右側の濃度より小さい数値は設定できません。
グレー濃度表示の下部にある「Λ」を「ノード」と呼び、左右にスライドさせることでそのグレー濃度の割合を変化させ、線の表示範囲を変えることができます。
※左右のノードを越える移動はできません。
スライダーの下部をタッチしますとノードを追加することができます。
※追加するノードのグレー濃度はタッチした位置によって自動で決まりますので追加後に自身で任意の数値に変更しましょう。
また、ノードを下方向にドラッグすることで削除も可能です。
※正確に言えばスライダーの外側や左右のノードより外側にドラッグできればどの方向でもよいのですが、下方向が1番やりやすいでしょう。
ただし、階調化・グレー化の作業はクリスタが裏で行っているものなのでノードをどの位置に移動させればどういった線表示になるかはプレビューを見ながら確認するしかありません。
また、また、ノードの位置を変更すると今まで表示(抽出)されていた線が消えたり、逆に別の箇所に線が出てきたりといったことも起こるためなかなか調整が難しいです。
あくまで個人的な感想ですが、
1つのグレー濃度の割合を大きくするよりかはノードをバランスよく配置した方がより多くの線を表示(抽出)できる印象です。
薄い色で表示されている部分の線を表示(抽出)したい場合はグレー濃度の低い位置のノードを追加する、といった感じですね。
階調化「黒ベタ閾値」
チェックを入れることで色の濃い部分を黒で塗りつぶしてくれるようになります。
「0」から「255」までの数値で調整し、数値が大きいほど黒の塗りつぶし範囲が大きくなります。
※数値はどの濃さの色までを黒に変換するかという境目を設定するわけです。
また、この黒ベタは「(テクスチャ)線画」で表示(抽出)される線画と同じレイヤー上に塗りつぶしされます。
レイヤーLT変換の設定項目【トーン】
3D素材のテクスチャや画像などの色が付いている部分をトーン表示に変換してくれます。
ただし、こちらは「プレビュー」にチェックを入れてもキャンバス上ではグレー表示でしか確認できず、「OK」を押して実行した後にしかトーン表示を確認することができませんのでそこだけ注意です。
チェックボックス
チェックを入れることでトーン表示を実行・変換してくれるようになります。
トーン表示が不要な場合はチェックを外しましょう。
トーンワーク「階調化」
チェックを入れることで3D素材のテクスチャや絵・画像の色を階調化し、そこからトーンに変換してくれるようになります。
「階調化」とはグラデーションといったなめらかな色の変化部分を単色が並んだ段階的な変化に変えることを指します。
「階調化」のチェックを入れますと、様々な色の表示を数種類のグレー表示に分類し、それを各グレー濃度に合わせたトーン濃度で表示してくれるようになります。
変換するトーン濃度の種類と範囲はスライダー(階調化のコントロール)で調整することができます。
スライダー上部の数字は階調化するトーン濃度、スライダーは各トーン濃度の割合を表しています。
トーン濃度の数字部分をタッチしますと数値を変更することができます。
ただし、左側の濃度より大きい数値・右側の濃度より小さい数値は設定できません。
トーン濃度表示の下部にある「Λ」を「ノード」と呼び、左右にスライドさせることでそのトーン濃度の割合を変化させ、トーンの表示範囲を変更することができます。
※左右のノードを越える移動はできません。
スライダーの下部をタッチしますとノードを追加することができます。
※追加したノードのトーン濃度はタッチした位置によって自動で決まりますので追加後に自身で表示させたいトーン濃度に変更しましょう。
また、ノードを下方向にドラッグすることで削除も可能です。
※正確に言えばスライダーの外側や左右のノードより外側にドラッグできればどの方向でもよいのですが、下方向が1番やりやすいでしょう。
この階調化のスライダーにて表示させたいトーン濃度の数(種類)を設定できます。
また、階調化のスライダーにてトーン濃度の割合を大きくしますとその表示範囲を広くすることができます。
この「階調化」を利用してトーンを作成した場合、LT変換実行後には各トーン濃度ごとにトーンレイヤーが作成されます。
逆に「トーン」タブにチェックは入れ、「階調化」のチェックを外した状態でLT変換を実行しますとクリスタ側が自動でレイヤー上の色からトーン変換をしてくれます。
この場合、作成されるトーン表示レイヤーは1枚だけになります。
※これは「レイヤープロパティ」にて「トーン」をONにした時と同じ設定です。
トーンワーク「グレースケール」
チェックを入れますと、トーンではなくグレーで表示されるようになります。
トーンワーク「種類」「角度」「線数」
※「グレースケール」にチェックを入れた場合は設定できません。
表示させるトーンの内容を設定します。
※プレビューでは表示されません。
●「種類」
トーン表示となる点や線の種類を設定できます。
●「角度」
トーンの点や線の並びの角度を設定できます。
●「線数」
数値が高い程、トーンの点や線の数が多くなります。
※「V」から特定の数値を選択することもできます。
「種類:丸」「角度:45」「線数:60.0」に設定するのが一般的ですが、絶対的な決まりはありません。
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【補足】LT変換のトーンは「階調:あり」が初期設定になる
クリスタのLT変換によって作成されたトーンレイヤーでは、レイヤープロパティの「階調」が「あり」の状態が初期設定になっています。
LT変換の表現そのままにしておくのでしたら特に違いはありませんが、ここからレイヤーマスクによる表示範囲を調整する場合は
「階調:あり」ですと半透明部分も表示され、
「階調:なし」ですと表示・非表示部分がくっきり分かれます。
参考記事
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)最新版のLT変換を作品に利用してみよう!
クリスタVer3.1より、LT変換に「プリセット」「ブラシの種類」「グレースケール」など新しい設定項目が追加され、設定名もより分かりやすい名称に変更されました。
LT変換を利用すれば3D素材もお手軽に線画抽出にトーン作成まで一気にできますので、ご自身のモノクロ漫画にも利用することができます。
うまく制作作業の効率化として利用しましょう◎
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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※今回紹介する機能はこちらでは利用できません。
参考記事:クリスタPRO購入後からEXに損せず買い替える方法(アップグレード)!!
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