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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
今回はイラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)でテキスト(文字)を円形に表示させる方法を紹介させていただきます。
こういった感じのものですね↓
今までもテキストをラスタライズしてフィルターの「極座標変換」を利用して円形に変形させるなどといった方法もあったのですが、どうしてもテキストがゆがんでしまい、理想的とは言えません。
しかし、今回紹介する方法はテキストをラスタライズするのは同じなのですが円形にしてもテキストのゆがみが起きません!
しかも色や角度、テキストの間隔の調整もできちゃいます◎
それではよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!
クリスタVer.3.0より、クリスタのテキスト機能で円形表示ができる「円形配置」機能が追加されました。
詳しくは以下の記事を参考にしていただければと思います。
▼イラスト・簡単な漫画なら【CLIP STUDIO PAINT PRO】
CLIP STUDIO PAINT PRO▼本格的な漫画・アニメーション制作なら【CLIP STUDIO PAINT EX】
CLIP STUDIO PAINT EXCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のテキストを円形にする方法!
困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!
今回紹介するクリスタのテキストを円形にする方法の特徴
残念ながら、2021年6月現在クリスタではテキストの機能を残したまま円形に変形する方法はありません。
今回紹介する方法もテキストをラスタライズして素材登録を行い、画像として扱います。
そのため円形にしたいテキストの画像データと素材登録が必要になり、テキストのフォントを後から変更することはできませんのでご了承ください。
ただしテキストの色やサイズ、字間は調整が可能です。現在のクリスタの機能を利用した方法となります。
具体的に申しますと、
テキストの画像素材を1文字ずつブラシ形状として設定し、それを円形に描画することで円形テキストを作成する
といった方法になります。
クリスタPRO・EXどちらでも制作可能!
今回紹介する円形テキストは最上位グレードのクリスタEX特有の機能は使用しませんのでクリスタPRO・EXどちらでも制作可能です◎
【手順1】クリスタで円形にしたいテキストを1文字ずつ素材登録しよう!
今回は「山本電卓」というテキストを円形にしていきたいと思います。
クリスタでテキストの作成
まずはクリスタで「基本表現色」が「モノクロ」(グレーでも可)のキャンバスを新規作成します。他の設定は自由に決めていただいて大丈夫ですが、最終的に円形のテキストを作成するキャンバスの設定に近い方が都合がいいかなと思います。
※表現色が「カラー」のテキストを素材登録しますと描画色が反映されなくなります。
キャンバスを作成しましたらテキストツールを使用して作成したいテキストのフォント設定して黒色で1文字目のテキストを入力します。
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テキストのサイズは任意で決めていいですが、こちらもキャンバスと同様に最終的に円形のテキストを作成する時に近いサイズが都合がいいでしょう。あまり小さすぎますと文字がぼやける可能性があります。
1文字目のテキストを作成しましたらCLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「レイヤーを複製」と選択してテキストレイヤーを複製します。
※テキストを複製をすることで同じ設定・サイズのテキストを作成することができます。また、今回の方法では1文字ずつ素材登録しますので複製をしてレイヤーを分ける必要があります。
テキストを複製しますとクリスタのキャンバス上では同じ場所にテキストが重なりますので見やすいように位置を移動させて2文字目を入力します。
※テキストツールで移動が可能です。
※キャンバス上でのテキストの位置は気にしなくて大丈夫です。自分が見やすい、編集しやすい位置に配置しましょう。
上記の作業を繰り返し、必要な文字分のテキストを1文字ずつ作成していきます。
テキストをラスタライズ
必要な文字数分のテキストを作成しましたら各テキストをラスタライズ(ラスターレイヤーに変換)します。
レイヤーパレットで作成したテキストレイヤーを複数選択した状態でCLIP STUDIO PAINT画面上部から「レイヤー」→「ラスタライズ」と選択しましょう。
※1つずつ選択してラスタライズしても大丈夫です。
これで選択したテキストレイヤーがラスターレイヤー(画像データ)に変換されました。
テキストレイヤーでも素材登録はできるのですが、ブラシ先端に使用するにはラスターレイヤーでないといけません。
ラスタライズしたテキストをクリスタに素材登録
テキストをラスタライズしましたら複数選択を解き、文字のレイヤーを1つ選択し、CLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「素材登録」→「画像」と選択します。
※レイヤーの表現色が「モノクロ」か「グレー」であることを確認しましょう。
すると素材登録用のウィンドウ(素材のプロパティ)が開きます。
ここで必要事項を設定していきます。以下の4点が設定できればOKです。
●「素材名」
テキストの文字が自動で入力されています。必要であれば変更しましょう。
●「ブラシ先端形状として使用」にチェック
こちらにチェックを入れておかないと後の作業を進めることができませんので必ずチェックを入れましょう。
※素材元がテキストレイヤーのままではこの項目にチェックができません。
●「素材保存先」を指定
登録する素材の保存先(素材パレット)を選択します。保存先を指定しないと素材登録を完了できませんので必ず任意の保存先を選択しましょう。保存先はどこでも大丈夫です。
最初は「すべての素材」しか表示されていませんが左端の「>」を押していくことで細かい保存先を展開・選択することができます。
●「検索用タグ」を入力
右下のアイコンを選択することで検索用のタグを入力することができるようになります。任意の言葉を入力しましょう。
こちらは必須事項ではありませんが、検索用タグを設定しておくことで多くの素材の中から探しやすくなります。
最後に右上の「OK」を選択すれば素材登録完了です。
同じ手順で残りの文字も素材登録を行いましょう。
【手順2】テキスト描画用のブラシをクリスタで作成しよう!
素材登録が終わりましたらテキストを描画するためのブラシツールを作成していきます。
クリスタにある任意のブラシツールを複製
テキスト描画用のブラシツールはクリスタ既存のブラシツールをカスタマイズして作成していきます。
そのため、設定を大幅に変更してもいいようにツールを複製し、その複製したツールをカスタマイズしていきます。
では複製したい任意のブラシツールを選択しましょう。
今回は変更項目が少なそうな「サインペンツール」を複製していきます。
複製させたいブラシツールを選択しましたらサブツールパレット右下にある四角が重なったアイコンをタッチします。
※サブツールパレット左上のメニューアイコン「≡」→「サブツールの複製」と選択しても同じ操作になります。
するとサブツールの複製ウィンドウが開きますので任意の名前を入力して「OK」と選択しましょう。
するとサブツールパレットの1番下に複製したツールが表示されます。
ブラシツールにテキスト素材を設定
複製したブラシツールを選択しましたらツールプロパティ右下にあるスパナのマークをタッチして「サブツール詳細ウィンドウ」を開きます。
※CLIP STUDIO PAINT画面上部から「ウィンドウ」→「サブツール詳細」と選択することでも同じ操作になります。
サブツール詳細ウィンドウが開きましたら「ブラシ先端」を選択し、「先端形状」の項目で「素材」に切り替えます。
次に表示されている空欄をタッチもしくは右側の+の付いたアイコンをタッチして素材一覧のウィンドウを開きましょう。
開いた素材一覧の中から先ほど登録した素材を見つけます。
登録の際に「検索用タグ」を設定していれば「ユーザータグ」の箇所にそのタグが表示されていますので入力した検索用タグを選択すれば素材が絞り込み表示され、見つけやすくなります。
※素材登録の際に「ブラシ先端形状として使用」にチェックを入れていないとこの一覧には表示されません。
素材登録したテキストの1文字目を見つけましたら選択し、「OK」を押しましょう。
これで1文字目がブラシの先端形状として設定されました。
次に表示されている文字以外の空欄を選択した状態で右側の+の付いたアイコンをタッチして2文字目以降を設定していきましょう。
全ての文字を設定でき、文字の順番も正しく配置できましたら設定完了です。
テキストをきれいに表示させるための設定をする
文字をブラシの先端形状に設定できましたら残りの設定をサブツール詳細ウィンドウで行います。
設定を変更すると上部の「ストロークプレビュー」に今の設定でできる描画結果が表示されるので確認しながら設定することができます。
※ストロークプレビューの表示が小さい時はブラシサイズを大きくすればストロークプレビューの表示も大きくなります。
●[アンチエイリアス]
設定時に選択中のレイヤーの表現色が「モノクロ」ですとこの項目は設定できませんので設定したい場合は「グレー」か「カラー」に変更しましょう。
テキストのフチをぼやけさせたい場合は任意で設定します。くっきり表示させたい場合は「無し」を選択します。
●[ブラシ先端]
「厚さ」は水平・垂直共に「100」にして元の厚さ(縦横比)をそのまま表示させます。
「ブラシ濃度」はくっきり表示させたい場合は最大値(100)でいいでしょう。濃度を変更させたい場合は任意で設定しましょう。
「向き」は横書きの場合は「0」に、縦書きの場合は「270」にすることで文字がうまく表示されるようになります。
さらに「向き」項目の右端のアイコンをタッチして「向き影響元設定」を開き、「線の方向」にチェックを入れます。この設定により、描画方向によって文字が傾いてくれるようになります。
●[ストローク]
「間隔」で固定のアイコンを選択しますと下部で間隔を数値入力することができます。上部のストロークプレビューで文字が重ならない間隔になるように数値を調整しましょう。
この文字の間隔は先述の通り後から調整も可能ですのでここではとりあえす文字が重ならないようになれば大丈夫です。
「リボン」はチェックを外しましょう。チェックが入ってますと「間隔」の設定ができなくなります。
「繰り返し方法」では「一巡のみ」のアイコンを選択しましょう。これでどれだけの長さを描画してもテキストは1行分しか表示されないようになります。
●[補正]
「角をとがらせる」にチェックが入っていますと同じ文字が2つ表示されてしまうなど表示がおかしくなる場合があるのでチェックは外している状態にしましょう。
「スナップ可能」はチェックを入れておきましょう。これによって定規ツールの形に沿って描画することができ、円形描画も可能になります。
●[入り抜き]
チェックが入っていると文字の端が小さくなってしまいますのでチェックを外しましょう。
●[影響元設定]
サブツール詳細ウィンドウの一部の設定項目にある、右端のアイコンをタッチすることで開く「〇〇影響元設定」には筆圧や傾きの設定があるものがあります。
このウィンドウの「〇〇に影響させる入力」という箇所の各項目にチェックが入っていますと筆圧やペンの傾きなどによってその設定項目の数値が変化してしまいます。
※筆圧や傾き検知のタブレットを使用している場合に限ります。
今回の目的であればそういった変化は不要ですのでチェックを外しましょう。
また、ブラシを使用した際に一部の文字のサイズなどが変化する場合はこの設定のどこかにチェックが入っていないか確認してみて下さい。
●その他の設定
テキストを描画する目的でしたら上記以外の設定はなしで大丈夫かと思います。
複製元のツールの初期設定がある場合は各自で変更をお願いいたします。
テキスト描画用ブラシツールの完成!
これでテキスト描画用のブラシツールが完成しました!
他のテキストを描画したい場合はそのテキストを同じように1文字ずつ素材登録し、このツールの先端形状の項目で文字を変更させましょう。
アルファベットであれば26字分を素材登録しておけば自由に変更できますね◎
【手順3】クリスタで作成したブラシツールを使って円形テキストを描画しよう!
テキストを設定したブラシツールが完成しましたら実際に描画していきましょう。
キャンバスをお好みの設定で開きます。
テキストを円形に描画するレイヤーを作成【おすすめはベクターレイヤー】
クリスタでキャンバスを作成しましたらテキストを円形に描画するためのレイヤーを作成しましょう。
描画後にテキストの位置や角度、字間を調整したいのでしたらベクターレイヤーを作成しましょう。
「曲線定規」「図形定規」を設置
レイヤーを作成しましたら「曲線定規」もしくは「図形定規」で曲線もしくは円形の定規をレイヤー上に設置しましょう。
※「オブジェクトツール」で定規を配置後に位置変更や変形もできます。
今回は「図形定規」で円形の定規を設置します。
※[Shift]を押しながら操作することで正円を作れます。
定規を設置しましたら先ほど作成したテキスト描画用のブラシツールでお好みの色をカラーパレットで選択し、定規に沿って描画していきましょう。
クリスタの定規機能でフリーハンドでも設置した定規の形に描画することができます。
これでクリスタの機能を使用した円形テキストを描画することができました◎
※書き出しデータに定規は表示されませんのでご安心を。
クリスタのグリッド表示や別レイヤーで補助線を引いておくとバランスがとりやすいかもしれませんね。
参考記事
曲線定規でしたらS字にもできますね。
ベクターレイヤーでテキストを調整・変更したい場合
クリスタで円形テキストをベクターレイヤー上に描画した場合、様々な調整・変更が可能です。
●円形テキストの色を変更
オブジェクトツールで描画した円形テキストをタッチし、カラーパレットの色を変更しますとテキストの色を変更させることができます。
●円形テキストの字間を調整
オブジェクトツールで描画した円形テキストをタッチし、ツールプロパティもしくはサブツール詳細ウィンドウにて「ストローク」の「間隔」の数値を変更しますとテキストの字間を調整することができます。
この字間の調整は1文字目が基準(支点)になりますので1文字目の位置は変更されません。
●円形テキストの変形
※変形はラスターレイヤーでも可能ですが、その場合はぼやけが出てしまいます。
描画した円形テキストはクリスタの変形機能も利用できます。
正円のテキストを描画した場合は回転によってテキスト全体の配置を調整できますし、正円から楕円への変更やゆがんだ円への変形もできますね。
※「回転」の際の中心点は(文字部分の面積があるため)円形定規の中心とは異なりますので気を付けて下さい。
●制御点による調整
ベクターレイヤーに描画した場合、オブジェクトツールもしくは制御点ツールを使用して制御点を移動させるなどでの調整が可能です。
制御点を移動させると文字の表示位置も変更されます。
クリスタは便利!ベクター制御点ツールでこんなことができる!!
ただし制御点は定規を無視して動かすことができ、調整が難しいのであまりおすすめはしませんね…。
また、「サブツール詳細ウィンドウ」の「補正」にて「後補正」にチェックを入れ、さらに「ベジェ曲線」にもチェックを入れることでベクターレイヤーに描画したテキストの制御点を曲線用の制御点(ベジェ曲線)にすることもできます。
※「後補正」の値を大きくするほど、制御点の数は減ります。
円形テキストのアレンジ
作成した円形テキスト用のブラシツールは基本的に1色でしか描画できませんが、この円形テキストを描画したレイヤーの上にクリッピングしたレイヤーを配置してカラフルに仕上げることも可能ですよ◎
現在のCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で円形テキストを作成できればロゴ制作も可能に!
クリスタは基本的に絵を描くデジタルペイントソフトですのであまり円形テキストを作成する機会は少ないかもしれませんが、イラストに出てくるお店のロゴや漫画タイトルロゴなど、意外と円形テキストが必要となることもありますので知っておいて損はないかと思います◎
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)での円形テキスト作成まとめ
以上が2021年6月現在のクリスタの機能でできる円形テキストの作成方法です。
1文字ずつ素材登録するのがそこそこ手間ですがゆがみのない円形テキストを作成することができます。
ロゴ制作などでクリスタを使った円形テキストが必要という方は参考にしていただければと思います。
また、ブラシツールの設定を変更することでさらに新しい円形テキストの表現方法が見つかるかもしれませんね◎
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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