クリスタで漫画原稿サイズを間違えた時の対処法!!

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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。

今回はイラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)で漫画を制作した後に原稿サイズが間違ったことに気付いた時に本来の目的のサイズに変更する方法を紹介させていただきます。

それではよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!


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参考記事:クリスタを購入する3つの方法と手順紹介!!

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で原稿サイズを変更する手順

ポイント

今回紹介する原稿サイズ変更方法は「A4からA3に変更する」など、規定サイズから規定サイズに変更する方法です。

オリジナルのサイズから変更する場合はご自身で「変更する倍率」を算出する必要があります。


また、原稿サイズを拡大する場合は絵のぼやけが、縮小する場合は細かい絵がつぶれてしまう可能性がありますのでご了承ください。


さらに、線画をベクターレイヤーで描いていた場合は拡大・縮小による劣化は発生しませんが、ラスターレイヤーで描いていた場合は劣化(ぼやけ)が発生してしまう場合があります。

これぞクリスタの特徴!ベクターレイヤーが便利すぎる!!

【準備】念のために漫画原稿データを複製(バックアップ)しておこう!

今回行う内容は漫画原稿データの設定を変更するものですので、万が一の時のために漫画原稿データを複製して元のデータが残るようにしておきましょう。

クリスタデータを複製


パソコンであればフォルダーから右クリックメニューやコピー&ペーストのショートカットで簡単に複製ができます。

他にもクリスタで複製したい原稿データ(もしくはページ管理データ.cmc)を開き、
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「ファイル」→「別名で保存」と選択して複製する方法もあります。

クリスタ「別名で保存」
MEMO

必要であればファイル名も自分が管理しやすい名前に変更しておきましょう。

今の原稿サイズと目的の原稿サイズを確認しよう!

今の原稿サイズの確認方法

準備ができましたら、今現在の原稿データのサイズと変更したい目的のサイズを確認しましょう。

今回紹介する方法は「製本(仕上がり)サイズ」を基準に考えますので、
「原稿全体(キャンバス)のサイズ」と「製本(仕上がり)サイズ」とを間違えないように注意してください。

漫画原稿のキャンバスサイズと製本(仕上がり)サイズ


お手元の漫画原稿データのサイズを調べるにはまずクリスタで対象の漫画原稿データを開き、CLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「キャンバス基本設定を変更」と選択することで開く設定ウィンドウにて確認できます。

クリスタ「キャンバス基本設定を変更」


ここの「キャンバス」と「製本(仕上がり)サイズ」の数値を確認しておきましょう。

クリスタ「キャンバス基本設定を変更」(キャンバス・製本(仕上がり)サイズ)
MEMO

クリスタEXのページ管理機能を利用して制作した複数ページ作品の場合はページ管理ウィンドウから
CLIP STUDIO PAINT画面上部「ページ管理」→「作品基本設定を変更」と選択することで設定ウィンドウを開くことでも確認ができます。

クリスタのページ管理ウィンドウ
クリスタ「作品基本設定を変更」

クリスタ「作品基本設定を変更」(キャンバス・製本(仕上がり)サイズ)

目的の原稿サイズの確認

次に目的の原稿サイズを確認します。

漫画原稿ではキャンバス全体のサイズより製本(仕上がり)サイズの方が重要ですのでそちらを基準に考えます。

MEMO

「製本(仕上がり)サイズ」とは、印刷・製本した際に実際にページに載る範囲を指します。


一般的な漫画原稿の製本(仕上がり)サイズとそれに対するキャンバスサイズ・基本枠(内枠)サイズは以下になります。
製本(仕上がり)サイズはキャンバスより一段階下のサイズになっていますね。

製本(仕上がり)サイズキャンバスサイズ基本枠(内枠)
A4判:210×297mm257×364mm(B4)180×268mm
A5判:148×210mm182×257mm(B5)125×180mm
A6判:105×148mm128×182mm(B6)90×125mm
B4判:257×364mm297×420mm(A3)212×300mm
B5判:182×257mm210×294mm(A4)149×219mm
B6判:128×182mm148×210mm(A5)105×150mm
投稿・商業誌用:
220×310mm
257×3643(B4)180×270mm

※印刷所の指定サイズがある場合はそちらに従いましょう。

クリスタで「画像解像度を変更」ウィンドウを開こう!

MEMO

Ver.3.0以前のクリスタの場合、「画像解像度を変更」を選択しますと注意ウィンドウが表示され、「OK」を押して変更を実行すると製本(仕上がり)サイズや基本枠(内枠)などのガイド線が消えてしまいます。

クリスタ「画像解像度を変更」の注意ウィンドウ


しかし、こちらは後から再び表示させることが可能です。

▶トンボ・基本枠(内枠)を表示させる方法はこちら

単ページのサイズ変更をする場合

まずはサイズ変更をしたい漫画原稿データを開きます。

クリスタで原稿を開く


そしてCLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「画像解像度を変更」と選択します。

クリスタ「画像解像度を変更」

ページ管理ウィンドウから複数ページのサイズ変更をする場合(EXのみ)

サイズ変更をしたい漫画原稿データがまとめてある「ページ管理ファイル(.cmc)」を開き、ページ管理ウィンドウを開きます。

クリスタEXのcmcデータ


そしてCLIP STUDIO PAINT画面上部から「ファイル」→「一括処理」と選択して設定ウィンドウを開きます。

クリスタ「一括処理」

クリスタ「一括処理」ウィンドウ


一括処理ウィンドウが開きましたら、左上部で「メインメニュー」を選択し、

クリスタ一括処理「メインメニュー」


下部で「編集」の項目を展開し、その中にある「画像解像度の変更」を選択します。

クリスタ一括処理で「画像解像度を変更」


そして右側で「全てのページ」「上書き保存して閉じる」にチェックを入れて「OK」を押しましょう。

※特定のページだけ変更する場合は「処理対象」で目的にあった選択肢にチェックをいれましょう。

クリスタ一括処理「処理対象」「実行後処理


参考記事

▶クリスタの「一括処理」に関して(公式ユーザーガイド)

クリスタの「画像解像度を変更」でサイズ変更を実行しよう!

クリスタで「画像解像度を変更」を選択しますと以下のウィンドウが開きます。

クリスタ「画像解像度を変更」


ここで下の表を参考に元の製本(仕上がり)サイズから変更したい製本(仕上がり)サイズにするための倍率を「倍率」の項目に入力しましょう。

漫画原稿の倍率表
クリスタ「画像解像度を変更」(倍率)


例えば、製本(仕上がり)サイズが「B5判(=キャンバスサイズはA4)」の原稿を「投稿・商業誌用(=キャンバスサイズはB4)」に変更したい場合は「倍率」の項目に「1.21」と入力します。

クリスタ「画像解像度を変更」(倍率)


入力が完了しましたら「OK」を押してサイズ変更を実行しましょう。
サイズの変更が実行されます。
※変更に時間がかかる場合があります。

ポイント

「画像解像度を変更」を利用する理由

キャンバスサイズの変更するメニューには「キャンバス基本設定を変更」「キャンバスサイズを変更」などがありますが、こちらではキャンバスサイズのみ変更され、描いた絵は元のサイズのままになってしまいます。

「原稿(キャンバス)サイズ」「製本(仕上がり)サイズ」「基本枠(内枠)」の調整をしよう!

前項で紹介した倍率の表はクリスタ公式からも公開されている数値なのですが、こちらは小数点第三位以下は四捨五入をした倍率数値ですので完全なサイズ変更とはなりません

そのため、細かい調整が必要になります。

原稿のサイズ変更後に、各サイズにズレがないか確認してみましょう。

MEMO

クリスタVer.3.0以前で、「画像解像度を変更」を実行して製本(仕上がり)サイズや基本枠(内枠)が消えてしまった場合は改めて表示設定を行いましょう。

▶トンボ・基本枠(内枠)を表示させる方法はこちら


●単ページの場合
原稿データを開いた状態で
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「キャンバス基本設定を変更」を選択しましょう。

クリスタ「キャンバス基本設定を変更」


●ページ管理機能による複数ページの場合
ページ管理ウィンドウを開いた状態で
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「ページ管理」→「作品基本設定を変更」を選択しましょう。

クリスタ「作品基本設定を変更」


各項目を選択しますと原稿データの各サイズが表示されますのでこちらで基本的なサイズ(表を参考)とズレがないか確認しましょう。

製本(仕上がり)サイズキャンバスサイズ基本枠(内枠)
A4判:210×297mm257×364mm(B4)180×268mm
A5判:148×210mm182×257mm(B5)125×180mm
A6判:105×148mm128×182mm(B6)90×125mm
B4判:257×364mm297×420mm(A3)212×300mm
B5判:182×257mm210×294mm(A4)149×219mm
B6判:128×182mm148×210mm(A5)105×150mm
投稿・商業誌用:
220×310mm
257×3643(B4)180×270mm

※印刷所の指定サイズがある場合はそちらに従いましょう。


数値にズレがある場合は「製本(仕上がり)サイズ」の項目にある選択肢から目的のサイズを選ぶことで簡単に「製本(仕上がり)サイズ」の変更が可能です。
また、「製本(仕上がり)サイズ」を変更すれば「キャンバスサイズ」と「基本枠(内枠)」も自動で変更してくれます。

クリスタ「キャンバス基本設定を変更」で製本(仕上がり)サイズを選択


変更後は「OK」を押して実行を確定させましょう。
※変更に少し時間がかかる場合があります。


下の画像は、「B5判」から「投稿・商業誌用」にサイズ変更した後に「製本(仕上がり)サイズ」の項目にて「商業誌用」を選択してサイズを調整した場合の数値です。


●「画像解像度を変更」実行直後
数値がかなり半端なものになっています。

クリスタで原稿サイズを変更した直後


●「製本(仕上がり)サイズ」の項目にて「商業誌用」を選択した結果
キレイな数値になりました。。

クリスタでサイズを変更した原稿の調整
MEMO

この方法では「裁ち落とし幅」の数値は自動変更されません

一般的に5mm以上あれば問題ないとされていますが、印刷所などから指定がある場合や縮小で5mm以下になった場合は直接数値を変更させましょう。

クリスタで裁ち落とし幅を変更

「コマ枠」「絵」「トーン」「ベタ」の調整をしよう!

前項で「製本(仕上がり)サイズ」や「基本枠(内枠)」を調整しても絵やコマ枠の位置はそのままです。

そのため、こちらも調整が必要になります。
複数ページ作品の場合は1ページずつ行うことになりますが、全てを描き直す必要がないことを考えればそこまで手間のかかる作業ではないかと思います。

「コマ枠」の調整

クリスタで漫画制作後に基本枠(内枠)のサイズを変更した場合、コマ枠部分を拡大してよく見ると基本枠(内枠)とコマ枠が微妙にズレてしまいます。

クリスタのコマ枠と基本枠のズレ


●クリスタVer.4以降の場合
クリスタVer.4から、基本枠(内枠)にピタッと合わせる「スナップ機能」が追加されました。

クリスタのスナップ機能で絵や線を揃える方法!【Ver.4~】


そのため、CLIP STUDIO PAINT画面上部から「表示」→「スナップ」と選択した項目にて「キャンバス・基本枠にスナップ」もしくは「キャンバス・基本枠はコマ枠のみスナップする」にチェックがが入っているかを確認し、

クリスタ「キャンバス・基本枠にスナップ」「キャンバス・基本枠はコマ枠のみスナップする」


オブジェクトツールのツールプロパティにて「表示メニューに従いスナップ」にチェックを入れている状態でコマ枠を操作することで基本枠(内枠)にピタッと合わせることができます。

クリスタのオブジェクトツールでコマ枠を基本枠にスナップ
ポイント

ミリ単位のズレの場合は目一杯拡大表示した状態で操作するとやりやすいです。


●クリスタVer.3以前の場合
以下の記事にて製本(仕上がり)サイズや基本枠(内枠)に合わせる方法を紹介していますのでこちらを参考にしていただければと思います。

クリスタで基本枠・製本サイズにコマ枠を合わせる方法!!

「絵」の調整

コマ枠や裁ち落とし幅を調整したことでコマ枠内の絵がズレたり空白部分が出てきたりする可能性があります。


その場合は絵の移動や拡大・縮小、もしくは描き足すなどして違和感がないように調整しましょう。

「トーン」の調整

●クリスタのトーンレイヤーを使用している場合

クリスタで漫画にトーンを貼る方法!【トーンレイヤー設定】


クリスタのトーンレイヤーを使用している場合は周りの絵が拡大・縮小してもトーン表示はそのままなため、トーンの見え方は変化します。
しかしこれは本来のトーン線数の表示なのでそのままで問題ありません

クリスタの原稿サイズ変更によるトーンレイヤーの見え方
※原稿を拡大した場合は周りの絵が大きくなるので絵に対するトーンの点は小さく表示されるようになります。


ただし、原稿の拡大・縮小によって表示範囲に隙間が生まれる可能性がありますので確認はしておきましょう。

クリスタのトーンレイヤーの拡大・縮小による隙間


参考記事

注意!クリスタのトーンは範囲表示して塗り残しを防ごう!!


●トーン画像を使用している場
トーンレイヤーをラスタライズ(ラスターレイヤー化)しているなどで「トーンの画像」を使用している場合、原稿の拡大・縮小に合わせてトーンの表示(点の大きさ)も変化してしまいますので変更前と同じ見え方になります。

クリスタの原稿サイズ変更によるトーン画像の見え方
※トーン自体も周りと同じように拡大・縮小されるので絵に対するトーンの点の大きさは同じになります。


しかし、これは元のトーン線数から変化してしまっている状態ですので、元のトーン線数の表示にしたい場合はそのトーンを削除して改めて新しいトーンを貼り直しましょう

「ベタ」の調整

トーン同様に原稿の拡大・縮小によって表示範囲に隙間やはみ出した部分が生まれる可能性がありますので確認し、そういった箇所が見つかれば修正を行いましょう。

クリスタのベタ塗り部分の拡大・縮小による隙間

上書き保存をして原稿サイズの変更完了!

上記の作業を行い、違和感のある個所がないかを確認できれば「上書き保存」をしましょう。

「上書き保存」はファイルメニューやコマンドバーにある「上書き保存アイコン」から実行できます。

※パソコンの場合は[Ctrl(Command)]+[S]のショートカットも利用できます。

クリスタ:保存


これで原稿サイズ変更の完了です◎
お疲れ様でした!

本来は制作前に漫画原稿(キャンバス)の設定を確認するのが1番!

今回紹介した漫画原稿のサイズ変更は描き直しを避けるための応急処置のようなものです。

本来ならば新規作成の時に目的の設定内容と違いがないかしっかり確認してから制作を行いましょう。


それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!


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参考記事:クリスタを購入する3つの方法と手順紹介!!


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