クリスタで線画を切り抜き(抽出)する7つの方法!!

※記事内に広告を含みます

皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。

イラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)では白紙からイラストや漫画を制作できる他に「自身の作品や読み込み画像・写真から線画を切り抜き(抽出)する」ことができます。

今回はCLIP STUDIO PAINTで使える7つの線画切り抜き(抽出)方法を紹介させていただきます。

それではよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!


▼イラスト・簡単な漫画なら【CLIP STUDIO PAINT PRO】

CLIP STUDIO PAINT PRO


▼本格的な漫画・アニメーション制作なら【CLIP STUDIO PAINT EX】

CLIP STUDIO PAINT EX


参考記事:クリスタを購入する3つの方法と手順紹介!!

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)での線画切り抜き(抽出)方法!

画像によっては上手く線画を切り抜き(抽出)できない場合もありますのでご了承ください。

注意

線画を切り抜き(抽出)するのは自分の作品・画像で行いましょう。

他人の作品を無断で編集・公開するのは著作権違反になります。

【事前準備】クリスタでの画像データの開き方

クリスタに直接画像データを開く

CLIP STUDIO PAINT画面上部から「ファイル」→「開く」と選択し、フォルダから画像データをダブルクリックもしくは選択→「開く」を押すことでクリスタ上に画像データを開くことができます。

クリスタ:開く
クリスタ:開く

クリスタで作成したキャンバス上に画像データを読み込む

キャンバスを作成しましたら、CLIP STUDIO PAINT画面上部から「ファイル」→「読み込み」→「画像」と選択し、フォルダから画像データをダブルクリックもしくは選択→「開く」を押すことでキャンバス上に画像データを読み込むことができます。

クリスタ:開く
クリスタ:開く


ただし、キャンバス上に画像データを読み込んだ場合、その画像データは「画像素材レイヤー」になってしまします。

クリスタ:画像レイヤー


画像素材レイヤーは直接編集が行なえませんので、編集内容によっては予め「ラスタライズ」を行ってラスターレイヤーに変換しておく必要があります。

クリスタ:ラスタライズ


ただし、後述する線画切り抜き(抽出)方法では画像素材レイヤーのまま行えるものもあります

①クリスタの「表現色」と「描画色」を使用した線画切り抜き(抽出)

こちらは画像レイヤーのままでも利用できる方法になります。

ただし、黒に近い色が多く使用されている画像ではうまく切り抜き(抽出)できない場合があります。

レイヤープロパティでモノクロ表示にして白表示をOFFにする

線画を切り抜き(抽出)したい画像が表示されているレイヤーを選択している状態でレイヤープロパティにて表現色を「モノクロ」に変換します。

画像素材レイヤーの場合は「減色表示」効果で、ラスターレイヤーの場合は「表現色」で設定を行います。

クリスタのレイヤープロパティでモノクロ表示

参考記事

クリスタの減色表示の効果と使い方!!


これによってイラストや漫画がモノクロ表示になります。

クリスタでカラーからモノクロ表示に


次にレイヤープロパティの「色の閾値」の項目の数値を変更して線画部分がキレイに表示されるように調整します。
※数値が大きいほど黒表示の面積が大きくなります。
※画像の表現色が元から「モノクロ」の場合は設定項目が表示されません。

クリスタ「色の閾値」
MEMO

レイヤープロパティに「色の閾値」の項目がない場合は「表現色」の左側にある「+」を押すと項目を展開することができます。

クリスタのモノクロ設定項目を展開


最後に表現色の右横にある「黒」と「白」の描画色の内、白の方をOFFにすることで白色部分が透明になります。

クリスタで白の描画色をOFFにする


これで線画抽出完了です◎

MEMO

ちなみに、ラスターレイヤーで表現色を変更した場合、下部に「プレビュー中の表現色を適用」というボタンが表示されるようになります。

クリスタ「プレビュー中の表現色を適用」


表現色はレイヤープロパティで何度も変更が可能ですが、「プレビュー中の表現色を適用」を押してしまいますとその後に表現色を変更しても元の色表示に戻らなくなりますので注意しましょう。
※「取り消し」で操作そのものを戻せば元の表示に戻すことはできます。

②クリスタでモノクロ作品の線画切り抜き(抽出)

モノクロ漫画作品などの白地に黒のインクで描画した作品が対象になります。

こちらはデジタル制作したものやアナログ制作したものを読み込んだデータでも利用できます。

クリスタならB4アナログ漫画も家で読み込みできます!

クリスタの「輝度を透明度に変換」で白背景を透明化する

クリスタの「編集」メニューには「輝度を透明度に変換」という項目があります。

クリスタ:輝度を透明度に変換


こちらを選択しますと、選択中のレイヤー上の色の輝度を透明度に変換してくれます。

白の輝度は100ですので「輝度を透明度に変換」を行いますと透明度が100になり、白い部分が透明化されるわけです。

クリスタ:輝度を透明度に変換


これだけで簡単に線画を切り抜く(抽出)することができます◎

この「輝度を透明度に変換」機能に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。

クリスタでアナログ漫画の白背景を一発で透明にする方法!!

【補足】トーン部分も残る

クリスタの「輝度を透明度に変換」機能ではトーン部分もそのまま残ります。

クリスタ「輝度を透明度に変換」後のトーン表示


このトーン部分も消去したい場合は「輝度を透明度に変換」を実行する前にクリスタの「トーンを消去」機能を利用しましょう。

クリスタ「レイヤー画像からトーンを消去」


完全にとは言えませんが、ある程度のトーンを消去してくれます。

クリスタ「トーンを消去」


詳しくは以下の記事で紹介しています。

アナログ原稿でもOK!クリスタEXのトーンを消去が凄い!!

注意

「輝度を透明度に変換」を行ってから「トーンを消去」を実行しますと再び白色の背景ができてしまいます。

クリスタ「輝度を透明度に変換」→「トーンを消去」


トーンを消す場合は先に「トーンを消去」を行いましょう。

③クリスタの「塗りつぶし」設定での線画抽出

こちらはカラー作品でも利用することができます。

ただし、ぼやけていたり複数の色が使用されいる線画の場合は上手く線画を切り抜き(抽出)できない可能性があります。


また、この方法では塗りつぶしを別のラスターレイヤーで行うこともできますので画像素材レイヤーをラスタライズする必要もありません。

クリスタの塗りつぶしツールで「隣接ピクセルをたどる」のチェックを外して使用する

クリスタの塗りつぶしツールのツールプロパティやサブツール詳細ウィンドウには「隣接ピクセルをたどる」という設定項目があります。

クリスタ「隣接ピクセルをたどる」のチェックを外す


この「隣接ピクセルをたどる」のチェックを外して塗りつぶしツールを使用しますと、タッチした箇所の色と同じ色の部分全てを塗りつぶしてくれるようになります。

クリスタで同色部分を塗りつぶす


この塗りつぶしは別のレイヤーの色でも反応してくれますので線画切り抜き(抽出)用のラスターレイヤーを作成して線画上をタッチすることで線画の形で塗りつぶしすることができます。

クリスタの塗りつぶしツールで線画の色を変える
クリスタの塗りつぶしで線画を抽出


この塗りつぶしツールの「隣接ピクセルをたどる」設定を利用した同色部分の塗りつぶし方法に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。

クリスタで同じ色の部分を1回で別の色に塗りつぶす方法!!

④クリスタの選択範囲を利用した線画切り抜き(抽出)

こちらはカラー作品でも利用することができます。

ただし、ぼやけていたり複数の色が使用されいる線画の場合は上手く線画を切り抜き(抽出)できない可能性があります。

クリスタの「色域選択」で線画部分を範囲指定する

クリスタの選択範囲メニューには「色域選択」という項目があります。

クリスタ「色域選択」


こちらはタッチした箇所と同じ色の部分に選択範囲を作成してくれるクリスタの機能です。

クリスタの選択範囲メニューから「色域選択」と選択し、設定ウィンドウが表示された状態で線画部分をタッチしますと線画の形に選択範囲を作成してくれます。

クリスタの色域選択


後は新しくラスターレイヤーを作成して線画部分の塗りつぶしを行うか、

クリスタの色域選択で線画部分を塗りつぶし


選択範囲を反転して線画以外の部分を消去するかを行えばカラーイラストから線画部分だけを切り出すことができます。

クリスタで色域選択後、反転して消去
MEMO

別のラスタ―レイヤーで塗りつぶしを行う場合は画像素材レイヤーをラスタライズする必要はありません。


クリスタの「色域選択」機能に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。

クリスタで同色部分に選択範囲を作れる色域選択機能!!

⑤クリスタの「色調補正」を利用した線画抽出

こちらは線画が黒色の作品で利用することができます。

ただし、画質が悪かったり線が細くて黒色がくっきり出ていない場合は上手く線画を抽出できません。
※くっきりした黒=RGB値が全て0

クリスタの「明るさ・コントラスト」を最大値にする

CLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「色調補正」→「明るさ・コントラスト」と選択することで設定ウィンドウを開くことができます。

クリスタの色調補正「明るさ・コントラスト」


この設定ウィンドウの数値を変更することで選択中のレイヤーの色味を調整することができます。

クリスタの色調補正「明るさ・コントラスト」


参考記事

クリスタ色調補正:明るさ・コントラストで明るさ調整しよう!


この設定ウィンドウで「明るさ」「コントラスト」の数値を両方最大値(100)にすることで選択中のレイヤーの色を黒と白の2色表示に変換することができます。

クリスタ色調補正「明るさ・コントラスト」で線画抽出


後はCLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「輝度を透明度に変換」と選択して白色部分を透明化すれば線画の抽出完了です。

クリスタ「輝度を透明度に変換」
クリスタ「輝度を透明度に変換」


参考記事

クリスタでアナログ漫画の白背景を一発で透明にする方法!!

⑥クリスタのライン抽出機能で線画を抽出する(EXのみ)

こちらはどの作品でも利用することができます。
さらに写真からの線画抽出が可能ですが、その場合は抽出の調整が少々難しいです。

また、ラスタライズは不要になります。


こちらはクリスタの最上位グレード「EX」でのみ利用できる機能になります。

クリスタPROとEXの機能の違い全33項目を紹介します!!

クリスタの「レイヤーのLT変換」を利用して線画を抽出する

クリスタのレイヤーメニューには「レイヤーのLT変換」という項目があります。

クリスタEX「レイヤーのLT変換」


線画を抽出したいレイヤーを選択して「レイヤーのLT変換」を選択しますと設定ウィンドウが開きます。

クリスタEX「レイヤーのLT変換」設定ウィンドウ(3Dレイヤー以外)


この設定ウィンドウで「プレビュー」チェックを入れて、実際にキャンバスの変換結果を確認しながら調整していくことで画像の線画抽出が行えます。

クリスタ「レイヤーのLT変換」(プレビュー)


主に調整するのは以下の3つです。


●階調化してから抽出
「階調化してから抽出」にチェック入れますと自分で線画の抽出具合を調整できます。

しかし、どのように調整すれば自分の欲しい線画を抽出できるかは画像によってことなりますのでこれがなかなか難しいです…。

クリスタ「レイヤーのLT変換」(ライン抽出)


また、チェックを外せば自動での線画抽出になります。

ポイント

線画が黒色の場合は「100」の数値だけを左側に寄せればキレイに抽出できます。

クリスタ「レイヤーのLT変換」(黒線画の場合)


●黒ベタ閾値
クリスタのLT変換は基本的に色の塗られている範囲を縁取りする機能になるのですが、ここのチェックを入れることで線画の内側を黒く塗りつぶしてくれるようになります。
数値は高すぎると全体的に黒く塗りつぶされてしまいますのでそこまで大きくなくてよいでしょう。
※線画の色が明るい場合は上手く塗りつぶししてくれない場合があります。

クリスタ「レイヤーのLT変換」(黒ベタ閾値)
ポイント

数値を上げてもなかなか塗りつぶしをしてくれない時は「ライン抽出」の1番大きい数値の範囲を広げてみましょう。

クリスタ「レイヤーのLT変換」(ライン抽出)


また、線画が黒色の場合は数値が「0」でも大丈夫です。

クリスタ「黒ベタ閾値」


●ライン幅調整
抽出する線の幅を設定できます。
こちらは線が大幅に太くなるというより、途切れていた線が繋がってくるといった印象です。

クリスタ「レイヤーのLT変換」(ライン幅調整)


クリスタのLT変換の設定項目に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。

【Ver.3以前】クリスタLT変換の設定項目の意味を紹介します!!(EXのみ)


設定が終わりウィンドウ右上の「OK」を押しますとLT変換が実行され、線画を抽出したレイヤーが作成されます。

クリスタ「レイヤーのLT変換」結果


クリスタのLT変換ではちゃんと線画のみのレイヤーを作成してくれますので背景を透明化する工程も必要ありません。

クリスタ「レイヤーのLT変換」後のレイヤー

⑦クリスタのイラスト調フィルターで線画を抽出する

クリスタにはレイヤーに様々な効果・変化を与える「フィルター機能」があります。

その中に写真などの画像をイラスト風表示に変換できるイラスト調フィルターというものがあり、その設定によって線画を抽出することができます。

そのため、カラー写真やイラストでも利用することができます。

イラスト調フィルターの処理内容を「線のみ」にする

線画を抽出したいレイヤーを選択してCLIP STUDIO PAINT画面上部「フィルター」から「効果」→「イラスト調」と選択します。

クリスタのフィルター「イラスト調」


すると設定ウィンドウが開きます。

クリスタのイラスト調フィルター設定項目


このウィンドウにて上部の「処理内容」を「線のみ」を選択することで線画(輪郭線)を抽出してくれるようになります。

クリスタのイラスト調フィルター「処理内容」


そして上部にある線に関する設定を行うことで抽出する線の表示を調整することができます。

クリスタのイラスト調フィルター(線に関する設定)


線をくっきり表示させたい場合は「線の不透明度」の数値を大きく、「線のアンチエイリアス」の数値を低くしましょう。

クリスタのイラスト調フィルターで線画抽出


クリスタの「イラスト調フィルター」に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。

クリスタで写真をイラスト変換!イラスト調フィルターの使い方!!

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)での線画切り抜き(抽出)後は自分でも追加編集しよう!

線画がくっきり表示されている画像でしたら線画切り抜き(抽出)も容易ですが、それでも細かい所は上手く切り抜き(抽出)できない場合もあります。

そういった場合は設定などを調整するより自分で加筆などの編集を行った方が早いかと思います。

クリスタで線画抽出後の追記


線画を切り抜き(抽出)した時点でかなりの時間短縮になっていますからね。残りは地道に作業しましょう◎


●線画の太さを変更したい場合
クリスタでは「線幅修正ツール」で線の太さを変更することができます。

クリスタ:線幅修正ツール


参考記事

クリスタでラスターやアナログ原稿の線幅を変更できます!!


●線画の形を調整したい場合
クリスタにはラスターレイヤの歪み修正ができる「ゆがみツール」というものがあり、こちらで描画部分を歪ませて位置や大きさなどの形を修正することができます。

クリスタ「ゆがみツール」のツールプロパティパレット


参考記事

クリスタゆがみツールでイラストの修正が可能に!!


●ベクターレイヤーに変換したい場合
今回紹介した線画の切り抜き(抽出)方法では線画は全てラスターレイヤー上での表示になります。

もちろんそのままでも編集は可能ですが、ベクター線の編集を行いたい場合はこのラスターレイヤーをベクターレイヤーに変換することもできます。

クリスタ・レイヤーの変換でラスターからベクターに変換できる!!


ただし、ベクターレイヤーに変換したことにより線画がいびつな形になってしまう可能性もありますので注意しましょう。

そういった場合は無理に変換せず、ラスターレイヤーのまま編集を行いましょう◎

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の線画切り抜き(抽出)で作品を再編集できる!

今回はクリスタで利用できる6つの線画切り抜き(抽出)方法を紹介させていただきました。

絵を描けるクリスタで画像の中の線画を切り抜き(抽出)するというのは、編集データ(.clip)がもうない作品を再編集したなど何かしらの事情がある場合が多いかと思います。

「モノクロ作品をカラー作品にしたい」、「カラー漫画を印刷用にトーンを使用したモノクロ漫画にしたい」、「消えてしまったデータをWEBやSNS上でアップロードしていた画像から復活したい」などなど…。

そういった時に今回紹介した方法が少しでもお役に立てればなと思っております。


それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!


▼イラスト・簡単な漫画なら【CLIP STUDIO PAINT PRO】

CLIP STUDIO PAINT PRO


▼本格的な漫画・アニメーション制作なら【CLIP STUDIO PAINT EX】

CLIP STUDIO PAINT EX


参考記事:クリスタを購入する3つの方法と手順紹介!!


▼動画視聴型お絵描き講座【Palmie(パルミー)

パルミー「仕上げ加工講座」

▶講座について詳しく見る