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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
イラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)では白紙からイラストや漫画を制作できる他に「自身の作品や読み込み画像・写真から線画を切り抜き(抽出)する」ことができます。
今回はCLIP STUDIO PAINTで使える7つの線画切り抜き(抽出)方法を紹介させていただきます。
それではよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!
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CLIP STUDIO PAINT EXCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)での線画切り抜き(抽出)方法!
画像によっては上手く線画を切り抜き(抽出)できない場合もありますのでご了承ください。
【事前準備】クリスタでの画像データの開き方
クリスタに直接画像データを開く
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「ファイル」→「開く」と選択し、フォルダから画像データをダブルクリックもしくは選択→「開く」を押すことでクリスタ上に画像データを開くことができます。
クリスタで作成したキャンバス上に画像データを読み込む
キャンバスを作成しましたら、CLIP STUDIO PAINT画面上部から「ファイル」→「読み込み」→「画像」と選択し、フォルダから画像データをダブルクリックもしくは選択→「開く」を押すことでキャンバス上に画像データを読み込むことができます。
ただし、キャンバス上に画像データを読み込んだ場合、その画像データは「画像素材レイヤー」になってしまします。
画像素材レイヤーは直接編集が行なえませんので、編集内容によっては予め「ラスタライズ」を行ってラスターレイヤーに変換しておく必要があります。
ただし、後述する線画切り抜き(抽出)方法では画像素材レイヤーのまま行えるものもあります。
①クリスタの「表現色」と「描画色」を使用した線画切り抜き(抽出)
こちらは画像レイヤーのままでも利用できる方法になります。
ただし、黒に近い色が多く使用されている画像ではうまく切り抜き(抽出)できない場合があります。
レイヤープロパティでモノクロ表示にして白表示をOFFにする
線画を切り抜き(抽出)したい画像が表示されているレイヤーを選択している状態でレイヤープロパティにて表現色を「モノクロ」に変換します。
画像素材レイヤーの場合は「減色表示」効果で、ラスターレイヤーの場合は「表現色」で設定を行います。
参考記事
これによってイラストや漫画がモノクロ表示になります。
次にレイヤープロパティの「色の閾値」の項目の数値を変更して線画部分がキレイに表示されるように調整します。
※数値が大きいほど黒表示の面積が大きくなります。
※画像の表現色が元から「モノクロ」の場合は設定項目が表示されません。
最後に表現色の右横にある「黒」と「白」の描画色の内、白の方をOFFにすることで白色部分が透明になります。
これで線画抽出完了です◎
②クリスタでモノクロ作品の線画切り抜き(抽出)
モノクロ漫画作品などの白地に黒のインクで描画した作品が対象になります。
こちらはデジタル制作したものやアナログ制作したものを読み込んだデータでも利用できます。
クリスタの「輝度を透明度に変換」で白背景を透明化する
クリスタの「編集」メニューには「輝度を透明度に変換」という項目があります。
こちらを選択しますと、選択中のレイヤー上の色の輝度を透明度に変換してくれます。
白の輝度は100ですので「輝度を透明度に変換」を行いますと透明度が100になり、白い部分が透明化されるわけです。
これだけで簡単に線画を切り抜く(抽出)することができます◎
この「輝度を透明度に変換」機能に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。
【補足】トーン部分も残る
クリスタの「輝度を透明度に変換」機能ではトーン部分もそのまま残ります。
このトーン部分も消去したい場合は「輝度を透明度に変換」を実行する前にクリスタの「トーンを消去」機能を利用しましょう。
完全にとは言えませんが、ある程度のトーンを消去してくれます。
詳しくは以下の記事で紹介しています。
③クリスタの「塗りつぶし」設定での線画抽出
こちらはカラー作品でも利用することができます。
ただし、ぼやけていたり複数の色が使用されいる線画の場合は上手く線画を切り抜き(抽出)できない可能性があります。
また、この方法では塗りつぶしを別のラスターレイヤーで行うこともできますので画像素材レイヤーをラスタライズする必要もありません。
クリスタの塗りつぶしツールで「隣接ピクセルをたどる」のチェックを外して使用する
クリスタの塗りつぶしツールのツールプロパティやサブツール詳細ウィンドウには「隣接ピクセルをたどる」という設定項目があります。
この「隣接ピクセルをたどる」のチェックを外して塗りつぶしツールを使用しますと、タッチした箇所の色と同じ色の部分全てを塗りつぶしてくれるようになります。
この塗りつぶしは別のレイヤーの色でも反応してくれますので線画切り抜き(抽出)用のラスターレイヤーを作成して線画上をタッチすることで線画の形で塗りつぶしすることができます。
この塗りつぶしツールの「隣接ピクセルをたどる」設定を利用した同色部分の塗りつぶし方法に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。
④クリスタの選択範囲を利用した線画切り抜き(抽出)
こちらはカラー作品でも利用することができます。
ただし、ぼやけていたり複数の色が使用されいる線画の場合は上手く線画を切り抜き(抽出)できない可能性があります。
クリスタの「色域選択」で線画部分を範囲指定する
クリスタの選択範囲メニューには「色域選択」という項目があります。
こちらはタッチした箇所と同じ色の部分に選択範囲を作成してくれるクリスタの機能です。
クリスタの選択範囲メニューから「色域選択」と選択し、設定ウィンドウが表示された状態で線画部分をタッチしますと線画の形に選択範囲を作成してくれます。
後は新しくラスターレイヤーを作成して線画部分の塗りつぶしを行うか、
選択範囲を反転して線画以外の部分を消去するかを行えばカラーイラストから線画部分だけを切り出すことができます。
クリスタの「色域選択」機能に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。
⑤クリスタの「色調補正」を利用した線画抽出
こちらは線画が黒色の作品で利用することができます。
ただし、画質が悪かったり線が細くて黒色がくっきり出ていない場合は上手く線画を抽出できません。
※くっきりした黒=RGB値が全て0
クリスタの「明るさ・コントラスト」を最大値にする
CLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「色調補正」→「明るさ・コントラスト」と選択することで設定ウィンドウを開くことができます。
この設定ウィンドウの数値を変更することで選択中のレイヤーの色味を調整することができます。
参考記事
この設定ウィンドウで「明るさ」「コントラスト」の数値を両方最大値(100)にすることで選択中のレイヤーの色を黒と白の2色表示に変換することができます。
後はCLIP STUDIO PAINT画面上部から「編集」→「輝度を透明度に変換」と選択して白色部分を透明化すれば線画の抽出完了です。
参考記事
⑥クリスタのライン抽出機能で線画を抽出する(EXのみ)
こちらはどの作品でも利用することができます。
さらに写真からの線画抽出が可能ですが、その場合は抽出の調整が少々難しいです。
また、ラスタライズは不要になります。
こちらはクリスタの最上位グレード「EX」でのみ利用できる機能になります。
クリスタの「レイヤーのLT変換」を利用して線画を抽出する
クリスタのレイヤーメニューには「レイヤーのLT変換」という項目があります。
線画を抽出したいレイヤーを選択して「レイヤーのLT変換」を選択しますと設定ウィンドウが開きます。
この設定ウィンドウで「プレビュー」チェックを入れて、実際にキャンバスの変換結果を確認しながら調整していくことで画像の線画抽出が行えます。
主に調整するのは以下の3つです。
●階調化してから抽出
「階調化してから抽出」にチェック入れますと自分で線画の抽出具合を調整できます。
しかし、どのように調整すれば自分の欲しい線画を抽出できるかは画像によってことなりますのでこれがなかなか難しいです…。
また、チェックを外せば自動での線画抽出になります。
●黒ベタ閾値
クリスタのLT変換は基本的に色の塗られている範囲を縁取りする機能になるのですが、ここのチェックを入れることで線画の内側を黒く塗りつぶしてくれるようになります。
数値は高すぎると全体的に黒く塗りつぶされてしまいますのでそこまで大きくなくてよいでしょう。
※線画の色が明るい場合は上手く塗りつぶししてくれない場合があります。
●ライン幅調整
抽出する線の幅を設定できます。
こちらは線が大幅に太くなるというより、途切れていた線が繋がってくるといった印象です。
クリスタのLT変換の設定項目に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。
【Ver.3以前】クリスタLT変換の設定項目の意味を紹介します!!(EXのみ)
設定が終わりウィンドウ右上の「OK」を押しますとLT変換が実行され、線画を抽出したレイヤーが作成されます。
クリスタのLT変換ではちゃんと線画のみのレイヤーを作成してくれますので背景を透明化する工程も必要ありません。
⑦クリスタのイラスト調フィルターで線画を抽出する
クリスタにはレイヤーに様々な効果・変化を与える「フィルター機能」があります。
その中に写真などの画像をイラスト風表示に変換できるイラスト調フィルターというものがあり、その設定によって線画を抽出することができます。
そのため、カラー写真やイラストでも利用することができます。
イラスト調フィルターの処理内容を「線のみ」にする
線画を抽出したいレイヤーを選択してCLIP STUDIO PAINT画面上部「フィルター」から「効果」→「イラスト調」と選択します。
すると設定ウィンドウが開きます。
このウィンドウにて上部の「処理内容」を「線のみ」を選択することで線画(輪郭線)を抽出してくれるようになります。
そして上部にある線に関する設定を行うことで抽出する線の表示を調整することができます。
線をくっきり表示させたい場合は「線の不透明度」の数値を大きく、「線のアンチエイリアス」の数値を低くしましょう。
クリスタの「イラスト調フィルター」に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。
クリスタで写真をイラスト変換!イラスト調フィルターの使い方!!
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)での線画切り抜き(抽出)後は自分でも追加編集しよう!
線画がくっきり表示されている画像でしたら線画切り抜き(抽出)も容易ですが、それでも細かい所は上手く切り抜き(抽出)できない場合もあります。
そういった場合は設定などを調整するより自分で加筆などの編集を行った方が早いかと思います。
線画を切り抜き(抽出)した時点でかなりの時間短縮になっていますからね。残りは地道に作業しましょう◎
●線画の太さを変更したい場合
クリスタでは「線幅修正ツール」で線の太さを変更することができます。
参考記事
●線画の形を調整したい場合
クリスタにはラスターレイヤの歪み修正ができる「ゆがみツール」というものがあり、こちらで描画部分を歪ませて位置や大きさなどの形を修正することができます。
参考記事
●ベクターレイヤーに変換したい場合
今回紹介した線画の切り抜き(抽出)方法では線画は全てラスターレイヤー上での表示になります。
もちろんそのままでも編集は可能ですが、ベクター線の編集を行いたい場合はこのラスターレイヤーをベクターレイヤーに変換することもできます。
クリスタ・レイヤーの変換でラスターからベクターに変換できる!!
ただし、ベクターレイヤーに変換したことにより線画がいびつな形になってしまう可能性もありますので注意しましょう。
そういった場合は無理に変換せず、ラスターレイヤーのまま編集を行いましょう◎
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の線画切り抜き(抽出)で作品を再編集できる!
今回はクリスタで利用できる6つの線画切り抜き(抽出)方法を紹介させていただきました。
絵を描けるクリスタで画像の中の線画を切り抜き(抽出)するというのは、編集データ(.clip)がもうない作品を再編集したなど何かしらの事情がある場合が多いかと思います。
「モノクロ作品をカラー作品にしたい」、「カラー漫画を印刷用にトーンを使用したモノクロ漫画にしたい」、「消えてしまったデータをWEBやSNS上でアップロードしていた画像から復活したい」などなど…。
そういった時に今回紹介した方法が少しでもお役に立てればなと思っております。
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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