均一な漫画コマ枠が描ける!カラス口の使い方紹介!!

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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。

皆さんはアナログ漫画のコマ枠を何で描かれてますか?

私は「カラス口(からすぐち)」を使用していました。

※漢字で「烏口」と表記することもあります。

烏口


カラス口とは製図用のペンのため、きれいで均一な線を描くのに適している道具になります。

そのため、漫画のコマ枠制作にも利用できるというわけです◎

今回はそんな「カラス口」について紹介させていただきますのでよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!


漫画コマ枠制作に使える「カラス口(烏口)」の特徴!

なぜ「カラス口」という名前?

理由はシンプル。ペンの形がカラスのクチバシに似ているからです。

烏口(イラスト)

カラス口はインクを入れて使用する

カラス口は漫画を描く付けペンと同様、ペン先にインクを定期的に入れて使用するペンとなります。

そのため、線画と同じくお好みのインクでコマ枠を描くことができます

カラス口は均一な線を引くことができる!

カラス口のペン先は隙間が開いており、ここからインクを出して線を引くことができる道具です。

さらにカラス口のペン先の隙間は好きな間隔で固定することができます。

烏口のペン先


そしてカラス口で線を引く際にはペン先を指で押さえる必要はありません。カラス口の柄を持って線を引きたい方向に動かすだけで線が引かれていきます。

そのためカラス口のペン先の間隔は使用中も変化することがなく、インクが続く限りはずっとこの間隔の線を引くことができ、幅が均一な線を引くことができるのです。

カラス口は縦描きも横描きもできる!

上記のようにカラス口で引く線は筆圧に影響されないため、縦描きも横描きもできます

原稿用紙を回転させることなく漫画のコマ枠を描くことができますね◎

ただし、コマ枠を描く時は他の線のインクがしっかり乾いているか、乾いていないなら定規や手にインクが当たらないようになっているかを確認しながら行いましょう。

他の道具で漫画のコマ枠を描く場合

●付けペン

漫画を描くのに使用する最も有名なペンですね。この付けペンでもコマ枠を描くことは可能です。

しかし、付けペンは筆圧によってペン先の開きが変わって線の太さも変化してしまいます

付けペンで線を引く場合


コマ枠の1辺を同じ太さで描くのはもちろん、全てのコマ枠を均一な線で描くにはなかなかの技術が必要になります。

(とは言え、漫画を読む時はそこまでコマ枠の太さを気にしてないので均一な線にこだわる必要はないのですが…)


●ミリペン

太さ別で販売されており、均一な線を引くのにも便利なペンです。文具屋さんで容易に買うことができます。

しかし、ミリペンでコマ枠を描くと線の端にインク溜まりができてしまうこともあったり、(消しゴムを使用しすぎて原稿用紙の表面が削れている場合は)インクが滲んで線の周囲に糸のようなものが出てくることもあります。

また、こういったミリペンはインクが内蔵されているため、線画で使用するインクより薄く感じてしまうことがあります。

ミリペンで線を引く場合

カラス口で引ける線の太さは変更できる!

カラス口にはネジが付いており、このネジを回すことでペン先の間隔を変更・調整することができます。

これによって引ける線の太さをお好みで変更することができるのです!

烏口の先をネジで調整

カラス口には「独式」と「英式」がある

カラス口はネジをゆるめていきますとペン先を大きく開くことができます。

その開き方には左右にスライドさせて開く「独式」縦にパカッと開く「英式」の2種類があります。

こちらは開き方の違いなだけで線を引く上での機能的な差はありませんのでお好みの方を選んでください。

烏口(独式/英式)

カラス口には「ペン先」と「柄」がある

カラス口は付けペンと同様、「ペン先」と「柄」があり、取り外しができます。

烏口のペン先と柄


また、「柄」は付けペンのものよりやや短く細い印象です。

烏口と付けペンのサイズ比較

カラス口の値段

カラス口は道具ですのでメーカーや販売店によって値段に差がでてきます。

ネット販売サイトを見ますと、お安いものですと500円以下で、そこそこするものですと1000円~3000円ほどで、お高いものですと1万円を超えるカラス口もあります。

注意

先述のようにカラス口には「ペン先」と「柄」があります。

販売されているカラス口が「ペン先と柄のセット」なのか「ペン先だけ」なのか「柄だけ」なのかを購入前にしっかり確認しましょう。

【漫画のコマ枠を描いてみよう】カラス口(烏口)の使い方

カラス口を使用するための道具を用意しよう!

カラス口を使用するにはカラス口以外の道具を用意する必要があります。とは言え、簡単に用意できるものばかりです。


「インク」

先述のように、カラス口はペン先にインクを入れて使用しますので別でインクを用意しておく必要があります。

漫画を描いている時に使用しているインクがあればそれで大丈夫です◎

インク


「スポイト」もしくは「筆」

カラス口のペン先にインクを入れるのに使用します。

スポイトは100円均一ショップでも数本セットで購入することができますよ。

スポイト/筆


「定規」

漫画のコマ枠を描くために使用するのでやはり定規は必要ですね。

また、カラス口のインクが定規に伝って原稿用紙を汚さないようにフチに角度があるものを選びましょう。

定規(フチに角度あり)

カラス口のペン先の隙間を描きたいコマ枠の幅に調整しよう

カラス口のネジを回してペン先の隙間の幅をお好みのサイズに調整しましょう。

漫画のコマ枠線の幅に決まりはありませんので自由に決めて下さい。

烏口のネジで隙間を調整

カラス口のペン先にインクを入れよう!

漫画のコマ枠としての幅を調整しましたら、スポイトでインクを吸い取り、カラス口のペン先に適量を入れましょう。

カラス口は左右にも隙間がありますが付けペンのようにペン先にインクがしっかり留まってくれます。

烏口のペン先にインクを入れる


この時、カラス口の外側にインクが付いたらしっかり拭き取りましょう。

注意

スポイトを使用してカラス口のペン先にインクを入れる場合はインクが空気によって破裂しないように注意しましょう。悲惨な目に遭います…。

また、カラス口のペン先にインクを多く入れたつもりでも中はほとんど空気だったということもありますのでしっかりインクを入れましょう。


筆を使用してカラス口のペン先にインクを入れる場合はなるべく1回で入れるようにしましょう。

何回も行うと逆に筆側にインクが流れてしまいます。

定規とカラス口でコマ枠を描こう!

烏口で線を引く

カラス口にインクを入れましたら定規を使ってコマ枠を描いていきましょう。(漫画のコマ枠の下描きが終わっていることが前提です。)

その際のコツも記載いたします。

定規は逆さまにして使用!

カラス口を使って線を引く時は定規を逆さまにして定規のフチと原稿用紙に隙間ができるようにして使用しましょう。

烏口で線を引く時の定規の向き


これによってカラス口のインクが定規を伝って原稿用紙に広がってしまう事故を防ぐことができます。

カラス口の平らな面を定規に当てよう!

カラス口を横から見ますとペン先が平らな面と曲がっている面があることが分かります。

烏口のペン先


カラス口を使用する場合はこの平らな面を定規に当てて使用しましょう。安定して線を引くことができます

曲がっている面を定規に当てると安定しませんからね。

烏口で線を引く(烏口の向き)

カラス口はで少しだけ傾けて使用する(個人的意見)

カラス口のペン先は先端から離れるほど隙間が広がっていきます。

つまり、線を引く際にカラス口を傾ければ傾けるほど線は太くなっていくということになります。

烏口で線を引く(烏口の角度)


そのため、基本的にはカラス口を垂直にして使用する方が均一な線を引けるということになります。


しかし個人的にカラス口を使用した経験から申しますと、カラス口のペン先はとがっているので垂直にして使用しますと原稿用紙に傷が付いてしまうことがあるのです。

ですので個人的にはカラス口を少しだけ傾けて使用する方が比較的原稿を傷付けずに済むのかなと思っています。

インクが出ない時は描き始めにカラス口の先を少し押す(個人的意見)

インクを入れたカラス口のペン先を見ますとインクが少し凹んでいる時があります。

烏口に入れたインク


このままでは線を引こうとしてもインクが原稿用紙に当たらず流れていきません


ですので描き始めだけカラス口のペン先を閉じるようにほんの少しだけ指で少し押します

これによってインクが少し押し出されて原稿用紙に触れることができ、インクが流れていくようになるのです。

烏口の先を押すことでインクを出す


インクが1度原稿用紙に触れましたら後は勝手に流れていきますので指をペン先から離して線を引いていきましょう。

ペン先を押さえたまま線を引きますとペン先の間隔が変動し、均一な線が引けなくなってしまってカラス口の長所を活かせませんからね。

カラス口の使用後はしっかりインクを拭き取ろう!

コマ枠を描き終えた後はカラス口のペン先に残っているインクをきれいに拭き取りましょう。内側の表面にもインクが残っていることも多いです。

カラス口は均一な線を引くための道具ですのでお手入れは大事です。

烏口のインクを拭き取る

カラス口の手入れ道具は必要なのか

カラス口のことを検索しますと手入れ方法の情報も多く出てきます。また、それに伴ってカラス口の手入れ道具も紹介されています。

先述のようにインクを拭き取るなどの手入れは必要ですが、専用の手入れ道具まで揃える必要があるかといわれると難しいとことです。


もちろんカラス口は紙にこすりながら使用するのでどうしても少しずつ劣化はしていきます。

しかし他の様々な道具と同様に使い方・使用頻度によって劣化具合は変わってくるのです。


頻繁に研磨などの手入れをする方もいれば何年も手入れせずに使用できているという方もいます。


漫画制作で使用する場合はコマ枠を描く時くらいしか使用しませんのでそんなすぐには劣化しないかと思います。


あくまで個人的な意見ですが、まずはカラス口だけで使用していき、劣化してきれいに線が引けなくなってきたら手入れ道具を購入、もしくはカラス口自体を買い替えるといった方法でいいのではないかと思います。

漫画のコマ枠を描くのにカラス口(烏口)を使用するのはアリ!

烏口で線を引く


今回はアナログ漫画制作の中でコマ枠描画に使える「カラス口」を紹介させていただきました。

カラス口という道具を初めて知ったという方もいるのではないでしょうか。

私は漫画を描き始めた頃は付けペンでコマ枠を描いており、作業中は描き始めから描き終わりまで指先の力が均一になるように集中していたためコマ枠を作るだけでもなかなか大変でした。

しかし、コマ枠をカラス口で描くようになってからは集中するのが定規を線に合わせる時くらいで描画時の精神的負担はだいぶ軽くなりました

漫画の制作方法に正解はありませんので絶対に必要な道具ではありませんが、漫画のコマ枠制作に苦労している方はこのカラス口の使用も検討してみてはいかがでしょうか◎


それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!


【追伸】

漫画制作をアナログからデジタルに移行される際はイラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)の導入も検討してみてください。

漫画のコマ枠を簡単に作成できる機能が標準で搭載されており、制作時間の大幅な削減ができますよ◎

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