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皆さん、本日も閲覧ありがとうございます。
山本電卓と申します。
デジタルペイントソフトにはレイヤーに「合成モード」という機能を設定することができ、描画色に様々な効果を与えることができます。
イラスト・漫画制作ソフトCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)でももちろんレイヤーに合成モードを設定することができます。
そしてこのクリスタにはさらに、レイヤーではなくペン・ブラシなどの描画ツールそのものに合成モードを設定することができるのです。
また、描画ツール専用の合成モードもありますのでそちらも含めて紹介させていただきたいと思います。
それではよろしくお願いいたします
( `・∀・´)ノ!
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CLIP STUDIO PAINT EXCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)描画ツールの合成モードとは
同じレイヤー上で描画済みの色の上から塗る時の表現方法を設定!
クリスタで合成モードを設定した描画ツールを使用しますと、同じレイヤー上ですでに描画済みの色に対して合成モードの効果を付けて色を塗ることができます。
レイヤーに合成モードを設定した場合はそのレイヤー上に描画された色全てに合成モードの効果を付けますが、描画ツールに合成モードを設定しますとその描画ツールが描画する色のみに合成モードの効果が付くようになるのです。
レイヤーに合成モードを設定せず、部分的に合成モードの効果を表現することができるというわけですね。
クリスタの描画ツールに合成モードを設定することの利点
クリスタではレイヤーでも合成モードを設定できますのでわざわざ描画ツールに合成モードを設定しなくてもいいのではないかと思いがちですが、描画ツールに設定できる合成モードの中にはレイヤーの合成モードでは設定できない描画ツール特有の合成モードもあるのです。
また、こういった描画ツール特有の合成モードには色が重なる部分に違和感が出ないような表現にできるものもあり、重ね塗りもやりやすくなります◎
クリスタの描画ツールに合成モードを設定する方法
クリスタではペンツールやブラシツール、図形ツールや塗りつぶしツールにグラデーションツール、さらにデコレーションツールといった多くの描画ツールで合成モードを設定することができます。
クリスタの描画ツールに合成モードを設定する場合は、合成モードを設定したい描画ツールを選択し、ツールプロパティの右下にあるスパナのマークを選択して「サブツール詳細ウィンドウ」を開きます。
※CLIP STUDIO PAINT画面上部から「ウィンドウ」→「サブツール詳細」と選択することでもサブツール詳細ウィンドウを開くことができます。
困った時は:クリスタのウィンドウ・アイコン・項目がない時の見つけ方!!
サブツール詳細ウィンドウを開き、「インク」の項目を開きますと設定項目内に「合成モード」という項目があります。
ここでボタンを押すと合成モードの選択肢が表示されますのでお好みの合成モードを選択することで設定ができます。
また、この「合成モード」の設定は下部の「下地混色」のチェックが外れている時に設定できるものですので設定できない場合はチェックを外しましょう。
ただし、「下地混色」の「色重ね」を選択した場合のみこの「合成モード」も設定可能になります。
【補足】クリスタのストロークプレビューの見方
クリスタで描画ツールを選択しますと、ツールプロパティやサブツール詳細ウィンドウの上部に「ストロークプレビュー」が表示されます。
この「ストロークプレビュー」はそのツールでどのように描画できるのかのプレビューが表示されており、左右で意味が変わってきます。
左側は同じレイヤーで色が塗られている部分に描画した場合を表しており、
右側は同じレイヤーで色が塗られていない(透明)部分に描画した場合を表しています。
描画ツールの合成モードには色が塗られていない(透明)部分には描画できないものもありますのでここで確認することができます。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)描画ツールに設定できる合成モード
クリスタの「レイヤーで設定できる合成モード」と共通の合成モード
クリスタの描画ツールに設定できる合成モードにはレイヤーの合成モードと同じ効果のものがあります。
これらの合成モードは説明が難しいので、簡単に説明した表を記載しておきますので参考にしていただければと思います。
合成レイヤー:合成モードを設定するレイヤー
下レイヤー:設定レイヤーの下にある通常のレイヤー
コントラスト:色や明暗の差
:暗くする効果
:明るくする効果
:コントラストを変化
:色の変化
:比較
合成モード名 | 効果 |
---|---|
通常 | 合成モードの効果なし。 描画した色がそのまま表示される。 |
比較(暗) | 下レイヤーと合成レイヤーの色要素を比べて色味が弱い(暗い)もの同士を混ぜて表示。 |
乗算 | 色味を足して下レイヤーの色を暗くする(黒に近付ける)。 |
焼き込みカラー | 下レイヤーの色を暗く、コントラストを強くする。 |
焼き込みリニア | 下レイヤーの色を暗くする。 「焼き込みカラー」より暗い。 |
減算 | 下レイヤーから合成レイヤーの色味を抜く。 |
比較(明) | 下レイヤーと合成レイヤーの色要素を比べて色味が強い(明るい)もの同士を混ぜて表示。 |
スクリーン | 色味を足して下レイヤーの色を明るくする(白に近付ける)。 乗算の逆。 |
覆い焼きカラー | 下レイヤーの色を明るく、コントラストを弱くする。 |
覆い焼き(発光) | 「覆い焼きカラー」+半透明部分に発光効果を追加。 |
加算 | 色味を足して明るくする。スクリーンより明るい。 |
加算(発光) | 「加算」+半透明部分に発光効果を追加。 |
オーバーレイ | 「乗算」×「スクリーン」。 |
ソフトライト | 「オーバーレイ」よりコントラスト弱め。 |
ハードライト | 「オーバーレイ」よりコントラスト強め。 |
差の絶対値 | 下レイヤーと合成レイヤーを比べ、色味の強い方から弱い方を引く。 |
ビビットライト | 「覆い焼きカラー」×「焼き込みカラー」。 コントラストを変化させる合成モードの中で1番コントラストが強い。 |
リニアライト | 「加算」×「焼き込みリニア」 コントラストの強さは「ハードライト」と「ビビットライト」の間。 |
ピンライト | 「比較(明)」×「比較(暗)」。 |
ハードミックス | 白・黒・赤・青・緑・黄・シアン・マゼンダの8色表示にする。 |
除外 | 「差の絶対値」と似た効果。 こちらの方がコントラストが弱い。 |
カラー比較(暗) | 下レイヤーと合成レイヤーの色を比べて暗い色の方を表示。 |
カラー比較(明) | 下レイヤーと合成レイヤーの色を比べて明るい色の方を表示。 |
除算 | 下レイヤーの色が明るくなる。 合成レイヤーの色が暗いほど下レイヤーの色は明るく、合成レイヤー上の色の反対の色相になる。 【反対の色相:カラーサークルで反対側の色】 |
色相 | 下レイヤーの色相を合成レイヤーの色相に変換(部分的色調補正)。 【色相:「赤、青、黄」などの色の違い】 |
彩度 | 下レイヤーの彩度を合成レイヤーの彩度に変換(部分的色調補正)。 【彩度:1つの色における「グレー~カラー」間の色味の強さ】 |
カラー | 下レイヤーの色相・彩度を合成レイヤーの色相・彩度に変換(部分的色調補正)。 |
輝度 | 下レイヤーの輝度を合成レイヤーの輝度に変換(部分的色調補正)。 【輝度:1つの色における明るさ※】 |
通過 | レイヤーフォルダーにのみ設定できる。 レイヤーフォルダー内にある合成レイヤーの効果をレイヤーフォルダー外のレイヤーにも反映させる |
※「明度」=彩度(色味)を抜いてグレーにした時の濃度、「輝度」=各色が持つ明るさの違いも考慮して計算されたグレー濃度。
クリスタの描画ツール特有の合成モード
クリスタの描画ツールに設定できる合成モードには上記のレイヤーで設定できる合成モードに加え、描画ツール特有の合成モードがあります。
「焼き込み(黒)」
どの色を選択して描画したとしても(レイヤーの合成モードにもある)「焼き込み(リニア)」でRGB値191(75%)のグレーを重ねた時と同じような効果になります。
この合成モードでは透明部分に描画することができません。クリッピングや選択範囲なしで描画部分を暗くすることができますね。
「覆い焼き(白)」
どの色を選択して描画したとしても(レイヤーの合成モードにもある)「加算」でRGB値64(25%)のグレーを重ねた時と同じような効果になります。
この合成モードも「焼き込み(黒)」と同様に透明部分に描画することができません。
「消去」
どの色を選択して描画したとしても描画済みの色を消すことができます。
実はクリスタの消しゴムツールにはこの合成モードが設定されています。
各描画ツールのブラシ形状で消去を行いたい時に利用できます。
「背景」
この合成モードを設定した描画ツールを使用しますとどんどん下に重ねて描画するようになります。
通常、クリスタで描画する場合はどんどん上に重ねて描画する形になりますがその逆の描画方法になります。
様々な色を使用して描画する場合は通常とは異なる表現が可能になりますね。
「透明度置換」
この合成モードを設定した描画ツールを使用すると、描画した色の透明度と同じになるように(同じレイヤーにある)下の色の透明度を変換してくれるようになります。
通常クリスタで半透明の色を塗る場合、重ねれば重なるほどその部分の透明度は落ちて(色がはっきりして)いきますが、この合成モードですと重ね塗りをしてもその時の描画色透明度をそのまま表現(上書き)することができます。
※「透明度が落ちる」=「不透明度が高くなる」
「比較(濃度)」
描画する色の不透明度が低い(透明に近い)ほど下に、不透明度が高い(色がはっきりしている)ほど上に描画されるようになります。
つまり、不透明度の高い順に手前から並ぶように表示されることになるのです。
この合成モードにすることで筆圧によって不透明度が変化する描画ツールで重ね塗りをした場合でも、下の色より不透明度(濃度)が高い色を描画した時だけ上に表示されるようになり、色が重なった部分が変に濃くなることもありません。
「消去(比較)」
効果としては消しゴムツール(消去)になるのですが、すでに描画してある色の上から使用する場合、下の色の不透明度と[100ー選択中の色の不透明度]を比較し、低い方の値を下の色の不透明度として変換します。消去の効果ですので選択している色は表示されません。
例えば、不透明度100の色の上からこの合成モードを設定した不透明度20の描画ツールで描画する場合、[100ー20=80]で描画した側の方が数値が低いので下の色の不透明度は100から80に変換されます。
[100ー不透明度]の値が下の色の不透明度と同じか高い場合は変化が起こりません。
そのため、通常の消しゴムツールですと重ねて使用するほど下の色の不透明度は落ちていきますが、この合成モードですと不透明度が固定されるため、重なって描画したとしても不透明度を同じに保つことができます。
下の色の不透明度を一定数落としたい時に利用できますね。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で描画ツールの合成モードを活用しよう!
クリスタのレイヤーに設定できる合成モードは知っていても、描画ツール自体に合成モードを設定できるというのは知らなかったという方も多いのではないでしょうか。
描画ツールの合成モードを設定することで今まで知らなかった表現方法を発見できるかと思います。
特に「重ね塗り」を行う際に通常では色が重なった部分が変に濃くなってしまう場合でも「比較(濃度)」の合成モードを設定すれば重なった部分も自然な表現ができるようになりますね。
クリスタの機能・設定を理解して表現方法をどんどん増やしていきましょう◎
また、以下の記事も合わせて参考にしていただければと思います。
それではここまで閲覧ありがとうございました!
お疲れ様でした!!
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